最近読んだ漫画5タイトルまとめ『i・ショウジョ』『School Days』『ニーチェ先生』『ANDOL』『妖狐×僕SS』
記事にしなかった漫画を含む5タイトル分まとめます。基本的にネタバレ無し。
①i・ショウジョ
とにかく股間を刺激する絵柄のジャンプエロ枠。+は1巻しか読んでない。
作者:高山としのり
巻数:全3巻(無印), 全14巻(+)
個人的な点数:66点
オムニバス形式で語られるエロ恋愛漫画。魔法のアプリを授けられた時の主人公たちが、時に私欲、ていうかほとんど私欲のためにアプリを使い、なんやかんやあって本当に想い人と恋人になるテンプレートが敷かれている。
とにかく下半身にクる絵柄で、やけに写実的なものよりもこういうカートゥーンな絵柄の方が股間を刺激するこの気持ちはいたずらに言葉を並べるまでもなく理解されるだろう。オムニバス形式ということで様々なシチュエーションのもとで、様々な願望が叶えられるため、そのエロ描写に関してもラインナップが充実している。しかし、この手の枠の宿命ではあるが、基本テンプレートに従って進んでいくため、どうしても魅力は目減りしていく。なによりヘテロがキツい(個感)。
『i・ショウジョ+』になってからは乳首が解禁され、無印時代には晒すことを許されなかった彼女たちの乳首があらわになるということで興奮する。少年漫画のエロ枠愛好家は楽しめるだろう。
全く同じ1話を着衣と脱衣で描き分けるのマジで天才かとおもた。
②School Days
アニメ視聴済み。原作も少しやってる。『Cross Days』も1巻は読んだ。
作者:オーバーフロー、酒月ほまれ
巻数:全2巻
個人的な点数:58点
天下の鬱ゲー『School Days』のコミカライズ版、だがシナリオは大きく異なる。
まず伊藤誠がいい奴すぎる。常に受け身で、女慣れしてない普通のラノベ主人公くらいの嫌悪感しかない。一線を超えた相手も世界だけで、ヤリチン要素は皆無といって差し支えない。言葉の狂気が蓄積していく描写も紙面の都合上、大幅にカットされており、文化祭、屋上で世界とのキスを発見したことがトリガーとなって殺害を企てる、短気かよ。使用した武器も鉈ではなくノコギリにナーフ(?)されており、世界を庇って誠が傷を負い、逆に世界が言葉を殺害しENDとなる、しかし殺害描写はない。
キャラクターデザインもシナリオも大きくアニメと異なるため、アニメのドロドロとした人間関係や残酷描写を期待して読むと肩透かしをくらう。スクイズの熱狂的ファンならコレクターズアイテムとして持っておいてもいいかもしれない。
『Cross Days』のほうは割と原作準拠で誠もしっかり最悪。誠◯ね。
③ニーチェ先生〜コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた〜
全然ニーチェじゃない。8巻までしか読んでない。
作者:松駒、ハシモト
巻数:既刊17巻
個人的な点数:60点
全然ニーチェじゃないニーチェ先生を描いたコンビニギャグ漫画だがニーチェ先生と関係ない回もかなりある。
お客様が嫌いな仁井は「お客様=神様」が嫌いというだけで主人公に『ニーチェ先生』と呼ばれる。これ以外ニーチェ要素はほぼなく、仁井自身は般若心経を愛しライブパフォーマンスと称して禅をするバリバリの禅宗の仏教徒で、ニーチェに仏教理解があったという歴史的背景を加味しても『ニーチェ』だとは全く言えない。同様に、主人公が「自分を殺してまで人に尽くす」様を何故か『死に至る病』と解釈して「キルケゴール先輩」と呼称するキャラが出てくるがこちらはニーチェ先生以上にキルケゴールの片鱗もなければカスりもしていないので本当に不明。哲学のことを全く知らない人(=主人公)が自分の知っている知識だけでつぎはぎに人物評を成したのがニーチェ先生(およびキルケゴール先輩)であり、基本的に哲学要素は皆無に等しいと留意しなければならない。
ギャグに関してもニーチェ先生の客に対する風当たりの強さとコンビニギャグとニーチェ先生もコンビニももはや関係ない一般ギャグで9割以上占められている。全く面白くないことはないが、特にニーチェ先生が悟りを開いているというわけでもなければニーチェでもないので、本当によくわからない漫画。偽りしかない。面白くないということではない。
④ANDOL
天使がアイドルを目指す4コマ漫画。
作者:八色
巻数:全2巻
個人的な点数:59点
少女にしか見えない758歳の天使が女性プロデューサーと同棲しながらアイドルを目指す4コマ漫画。1話完結形式ではなくストーリー漫画。なのでストーリーの質が重視されるが、正直言ってそこまで面白くはない。テンプレ的なアイドルストーリーを4コマという限られた空間で伝えることに限界を感じる。キャラクター間にもそれほどエモさを感じないし、ギャグは天使であることを活かしたものにはなっているがどこかで見たことがあるようなネタと万能な天使の輪ネタがほとんどを占め新鮮さに欠ける。
主人公のうさは可愛いので、キャラ萌えで読めなくもないが、それ以上を求めても仕方のない漫画。「天使xアイドル」というコンセプトには可能性を感じるので4コマではない形で見てみたい。
⑤ 妖狐×僕SS
シークレットサービスではなくショートストーリーズ。
作者:多数
巻数:全1巻
個人的な点数:51点
いぬぼくの公式アンソロ。原作読了済み。
とにかく残夏と蜻蛉の悪いところが全開で読むに堪えない。『妖狐×僕SS』は個性が強いキャラクターとその結果発生する寒いギャグをストーリーが覆い隠してくれているからまだ面白く読めているのに、少ないページにまとめられた特に深みのないストーリーに個性だけ据え置かれているので、いぬぼくの悪いところだけが全開になって良いところが全部死んでるなと思った。基本的に「寒いギャグ」「読むに堪えない残夏と蜻蛉」「うじうじした関係話」しかないのでいぬぼくの全てを愛していない限りは面白くないと思う。いぬぼくの全てを知り尽くしたい熱心なファンはコレクターズアイテムとして持っていてもよかったりするのかもしれない。