「冒険者集団・瑠璃色団/冒険のこまぎれ①」

このSSはフリーゲーム「CardWirth」の世界観に基づいたうちのこPCの二次創作的なものになります。

冒険者集団・瑠璃色団

交易都市リューンの片隅。
そこには、知る人ぞ知る冒険者の宿があった。
──その名は「あとりえ亭」。

今日もあとりえ亭の酒場はそれなりに賑わっていた。
その片隅には──カラフルな髪の3人組が今後の仕事の話をしていた。

「──と、いうわけで。この依頼がいいのではと思います」
と、緑髪の女性──アサギ。
「……異存はない。…ルリは?」
そう問うのは赤髪の少女──リコ。
「もぐ…あ、ごめん。ちゃんと聞いてなかった。」
間抜け面で揚げじゃがを咀嚼してる青髪の少女──ルリ。

「仮にもリーダーなのですから、それくらいちゃんと聞いてくださいよ」
と、アサギは嗜めた。
ルリはこれでもリーダーなのだ。

「いいんだよ、アサギとリコがある程度決めてくれるしさ〜」
ルリは揚げじゃがを頬張りながら言う。
「……リーダーの自覚……」
リコはボソッと呟いた。
「私たちに頼りすぎるのも考えものですね、ルリ」
「わたしは全信頼を置いてるんだよ、参謀」
「そう言われると…まあ、悪い気はしませんが」
「もちろん、盗賊もね」
「…そう」

「会議は終わった?」
2人、隅の席へと近寄ってきた。
「ルリ姉、ちゃんと真面目に会議してた?」
「いえ…」「まったく…」
空色の髪の少女──ルカは呆れ顔でルリを見た。
彼女はルリの妹である。
「いいじゃんか、餅は餅屋だよ」
「ルリ姉も餅屋側じゃんか」

「ぼくはどういう仕事でも本気でやるよ」
桃髪の少女…いや、少年。彼はハル。
「今回はあなたの活躍の場は多いと思いますよ、ハル」
アサギは言う。
「わかった、ぼくに任せて」
そう言って、ハルは手に持っていたトマトジュースをあおった。

う〜〜〜え〜〜〜いっ!!!!!
金色の塊が隅の席へ突進してきた!けものか!?
「…アホが来た」
リコが嫌そうな顔で呟く。
「なんの話してんの〜?」
金色の塊──もとい、金髪のアホは呑気な声で言った。

「今日も楽しそうだね、ハコ」
ルリは金のアホ──ハコにそう言った。
「明日の依頼の話です。平たく言えば妖魔退治の」とアサギ。
「オーケー、思いっきし働けって話ね?」
「そういうことです。話が早くて助かります」

「…アホにはそれで十分」リコは呟く。
「ああ?なんか言った?」
「別に、事実を言ったまで」「ほほう…」
リコとハコの目線の間から、バチバチと鳴り響く光線が見えるようだ。
2人は自らの獲物に手を触れようとした。

「も〜2人ともやめなよ…さすがにそれはダメだよ」ルリは2人を仲裁する。
「せめて争うならこれにしなさいな」
ルリは懐からトランプを取り出した。
2人は渋々納得した。

(やれやれ、これで静かに…)
ルリが安堵した時、2人に腕を掴まれた。
「な、何?」
「…公正なディーラーが必要」「そういうわけよ」
「あれええええええええぇ……」
ルリは2人に引きずられ、喧騒の中へと消えた…。

「…これで静かになりましたね」
アサギはそう言って2人に声をかけた。
「まあ、明日も早いことですし、そろそろ引き上げて部屋へ行きましょうか」
「そうだね、アサギの姐さん」
「ルカ、それやめてもらえますか?」
「へへへ」
そんな会話をしながら3人は2階の部屋へ向かった。
(あの3人はほっといていいのかな…)
ハルは思ったが、まあいいやと部屋へと入った。

「うえ~~~~~~~~~~ん!もう仲裁はこりごりだよ~~~~~~~~!」

────こうして夜は更けていった。

冒険のこまぎれ①

1 荷物袋

「お腹すいたなー…こんな荒野に食べるものなんて…」
「そんな時は!荷物袋!」
ルカは袋の奥底へ手を伸ばした。
おお、見よ!リューンの名店「向日葵食堂」の定食が6人分出てきたではないか!

「しかもホカホカ!」「最高〜!」
「…いつも思うけどさ、なんで荷物袋に出来立ての料理が入るんだろう…?」
「ま、入るもんは入るんだからいいじゃん?」
それもそっか、とルリは納得した。
瑠璃色団は再び探索へと戻った。

2 古代魔法ユー・テリ・テー

ルリとアサギの2人で探索の依頼を行っていた時。
「…む」アサギは呻き声を上げた。
「どうしたのアサギ」
「いえ、ここに魔法で封印されている扉が」
「ほんとだ」

「この扉は必須ではなさそうな扉…故に、封印を解くためのアイテムは落ちていないか…?」
「アサギ?」
「あいにく、手持ちには魔法解除ができる道具、技能は存在しない…」
「おーい?」

「かくなるうえは…最終手段」
そう言うと、アサギは形容し難いポーズを取り静止した。
するるとなんと!アサギの手には解呪の札が握られているではないか!
「なんで!?」
「この魔法はユー・テリ・テー、禁忌とされている古代魔法です」

「…」ルリは少し考えた。
「なんかとてもいけないことをしてる気がする……その解呪の札、捨てた方が…」
「…そうしましょう。1回あとりえ亭に帰りますか…」
そうして、2人は一旦あとりえ亭まで帰還した。

3 8番親父

──「狂いを見逃さないこと」
  「狂いを見つけたら、すぐにF9すること」
  「狂いが見つからなかったら、F9しないこと」
  「8番親父の宿に辿り着くこと」

「…何、これ?」
目が覚めた時、ハルの部屋のドアの前にはこのような張り紙が貼られていた。
「意味がわからない…、ルカのイタズラかな?」
ハルは伸びをして、酒場へと向かう。

「親父さん、おはよう」
「ワシは神になった」
「はい?」
親父の顔を見る。その瞳は、どこか狂気を孕んでいるように感じられた。

「ツケビームを喰らえ!!!!」
なんと!親父の眼から即死性の光線が発射された!
「ぐわああああああーっ!!!!」
ハルは光線に直撃!そして身体は消滅した!

────「わあああああっ!!!」
ハルは、再びベッドから飛び起きた。
「ゆ、夢?」
顔を上げると、例の張り紙は消えていた。
「すごく変な夢を見たな……まあいいか」
ハルは軽い身支度をして、酒場へと降りていった。


あとがき?

とりあえずお話的な文章を書くことに慣れていきたいので、かどわすのうちのこを主役とした小話をたまに書くことにした。
まだ文章力も会話の書き方も下手くそすぎるけど、ここからどこまでやれるのか…?やってみます。

次は昔のブログで書いた短いSSを大幅に追記したものを出そうかな。

ばいばーい。

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