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鼻歌

私の死んだ爺さんはよく鼻歌を歌っていた。普通の鼻歌なら問題ないのだが彼の鼻歌は盛り上がってくるとクレシェンドしてくる。クレシェンドした時の鼻歌はみんな爺様のほうを見て眉間にしわを寄せるほど迷惑極まりないものである。曲の内容は中国歌謡曲のような甲高い女の人が歌うようようなセンスのなさだ。それが森のくまさんだったら爺さんも嫌われずに済んだかもしれない。そんな爺さんも嫌われつつ厄介な鼻歌も聞くことができないのかと惜しまれつつ5年ほど前他界していった。最近私は自分が年をとったと感じることがよくあるのだ。人の名前が思い出せなっかったり、自分が何を今しようとしていたのか分からなくなる瞬間があるのだ。そんな時どこからともなくあの中国歌謡曲がきこえてくるのだ。否が応でも鼻歌おを歌ってしまった瞬間。私は嫌われて死ぬのかなと少し悲しくなる

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