誰にでも書けることはある(2/3)
★この記事はKindleにて絶賛好評販売中の拙著
「誰にでも書けることはある。: 初めての電子書籍を書こう 企画から文章の書き方まで」
を3つに分けてnoteにて有料で公開するものです。
3.構成の考え方
構成とは、章立て、あるいは本の目次のことです。
あなたが本に書きたい内容をどのような順番で伝えていくのかを示したものが構成です。
大まかな企画はできたとしても、それをどのようにして構成に落とし込んでいけばよいのかは、中々イメージできないかと思います。
ここでは、企画からどのように構成を考えていくのかについてお伝えします。
伝えたいメッセージを分割してみる
「魔法の企画書」の②何を、において伝えたいメッセージを考えてもらいました。また、伝えたいメッセージはひとつにすべきであることもお伝えしました。
次に、構成を考える上で、ひとつのメッセージを伝えるために、どのようなことを書いていけばよいのかを箇条書きにまとめてみましょう。
考え方としては、伝えたいひとつのメッセージに対して、わかりやすく説明するためには何が必要かをイメージしてみます。あるいは、伝えたいメッセージがなぜ正しいといえるのか、そのメッセージの重要性は何か、なぜそのメッセージが必要なのかといった事柄について考えていきます。
では、具体的にどのような順番でそれらを示していけばよいのでしょうか。それには、論理的な展開というものを考える必要があります。
なぜ論理的な展開が必要なのか?
論理的な展開をどうやって作っていくのかをお伝えする前に、なぜそれが必要なのかについて説明します。
イソップの有名な寓話「三人のレンガ職人」を引き合いに出してみましょう。
レンガを積んでいる職人さんに通りすがりのひとが、あなたは何をしているのですか? と訊ねます。一人目の職人さんは、親方にいわれたからレンガを積んでいると答えました。同じ質問を別の職人さんにもすると、二人目は、家族を養うため、お金になるからレンガを積んでいると答えました。さて、三人目はこの質問にどう答えたでしょうか?
「大聖堂を作ってるんだ」と三人目は答えました。
この寓話は、仕事の意味を考えるときによく引用されます。仕事を一人目や二人目のように誰かに頼まれた単なる作業や生活やお金のためだと捉えるよりも、やはり三人目が答えたようにいま自分が取り組んでいる仕事がどういう価値につながっているのかに目を向けた方が仕事にやりがいを感じられるのではないか? ということがこの寓話の伝えんとするメッセージです。
たしかに働いているひとが仕事にどういった価値を見い出すのかは、とても大切なことだと思います。
そしてもうひとつこの寓話の示すメッセージは、「人間とは何かしらの意味や理由を大切にする生き物だ」ということです。意味とは狙いや目的であり、理由は原因や根拠を指します。
どうしてひとは意味や理由を大切にするのでしょうか?
それは、意味や理由を知ることで初めてひとは納得し、共感することができるからです。
ひとが生きていく上で、他人から納得してもらい、共感を得ることは極めて重要です。なぜなら、他人から納得と共感をもらえれば安心を得ることができるからです。
これは人類が集団で生きていることと深く結び付いているのだと思います。集団生活において、他人から認めてもらうこと、また自分も誰かを認めることで絆が広がっていきます。それによってひとはより大きな安心を手に入れることができるのです。
これらのことは文章で何かを伝えようとするときの重要なポイントといえます。
つまり、ひとから納得と共感を得るには、意味や理由を示さなくてはならないということです。そこで文章に意味や理由を持たせるために、論理的な展開が必要となってくるわけです。
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