夏が好きだ。
意識を持っていかれそうになる夏。
周りを歩く人の歩調はゆっくりで、輪郭がぼやけている。これをかげろうと呼ぶのだっけか。
周りの音は溶け、冷たい静けささえ感じる。
そうして、眩しさにかろうじて見える世界と自分は、どこか隔絶された存在に感じるのだ。

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