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マイナス思考の幸福論
幸福な人生を送る為に人は日々努力している。
これは素晴らしいことだし、僕もそうして来た。
自分の夢を叶えるために。
欲しい物を手に入れるために。
なりたい自分になるために。
また人に認められたい、皆に負けたくない、そういう思いもある。
だからその為に、小さな頃から必死に勉強し、できるだけ良い学校を卒業して、毎日窮屈な満員電車に揺られ、嫌な上司に頭を下げて、夜遅くまで一生懸命に働いて人生の大半を過ごすこととなる。
そしてその結果として、もし運良く行けばだが、自分の望む収入や地位や尊敬や、やりがいが得られるだろう。
もちろん、そううまくはいかないケースも多いにしても、それなりのものは手に入れられるはずだ。
そして、幸せになる。
なるはずだ。
これが世間で流通しているポジティブで常識的な幸福論だろう。
しかし一方、この考え方とは対照的な、言わばマイナス思考の幸福論もあると思う。
それは、嫌なことをやらないで済む人生は幸せだ、という考え方である。
受け入れたくないことを受け入れないことで人は幸せに生きられる、という考え方である。
もちろん、すべての嫌なことを避ける事はできないし、プラスになる嫌なことも数多く存在するのだが、意味のない苦しみや理不尽さを避けられると、人はもっと毎日を幸せに生きられると思う。
具体的には、
嫌なことはやらない。
嫌いな人と会わない。
嫌な場所に行かない。
自分が嫌だな、やりたくないな、と感じることをしないで済む人生は、
実感として、毎日心が軽くて、晴れ晴れとしていて、とにかく楽しい。
毎朝起きる度に、自然と笑いがこぼれる。
実際やってみると、これを幸せと言わずして一体何が幸せだろう、と思う程である。
人生とは一日一日の連続である。
毎日嫌な場所に行き、嫌な人と会って、嫌なことをする。
そんな日々の連続が人生の大半を占めるとしたら、それでお金やモノや評価が得られても、幸福な人生を送っていると言えるだろうか。
人生とは、それぞれに与えられた限定された時間のことである。
その時間をどう過ごすか。
それはそれぞれに任されている。
現実的に言えば、やりたくないことを避けられるライフスタイルを実現するには、商店主や自営業者、個人事業主、経営者、フリーランス、投資家など、組織に属さず経済的に自立していて、自分で自分の仕事の仕方を決められる職業でないと難しいだろう。
つまり今の日本のサラリーマンでは、なかなか難しいことだろうと思う。
しかしそれを志向するなら、出来ないことではない。
必要な収入とやりがいがあり、大抵のいらないことを避けられると、
人生はとても楽しいものに変わるのだ。
何だかネガティブに聞こえるかも知れないが、これは事実である。
サラリーマンと経営者の両方を経験しての私見である。
ついでに、もう一つのマイナス思考。
人生が後半戦に差し掛かかったら、足し算ではなく、引き算することで、
身の丈に合った幸福が見つかるように思う。
生きてきた過程で背負い込んできたものを一度整理して、もう必要がないと思えるものは捨ててしまえば良いと思う。
本当に自分にとって大切な、もの、人、事、とは何のか。
自分が心の底から幸せだと思える人生とはどんなものなのか。
それを明確にして、どこかで一度人生の棚卸しをする必要があると思う。
物と情報と他人の価値観の洪水の中で、引き算が自分を見失わない一つの術になると思うのである。