観戦が楽しくなる!スプラトゥーンを「サッカーのポジション」から理解する【後編】
この記事は後編です。前編はこちらから。
〜前編を読んでいただいた方々、反応くださった方々、本当にありがとうございます!〜
ブログとして自分の考えを発信するのは初めてだったのですが、このような無名アカウントにも関わらずじわじわと色々な方から反応をいただき、とても嬉しいです!ありがとうございます。
後編も、スプラトゥーンのプレイや観戦を皆でもっと楽しみたい!という気持ちで書いていきますので、反応いただけますと私が跳んで喜びます。笑
「自分はこう思った!」「ココはこう考えたらもっと面白いんじゃない?」といったご意見もドシドシお待ちしていますので、ぜひ皆様の意見をコメントや引用等でお教えください!
では、本編へどうぞ。
2. ミッドフィルダー(MF)は役割が豊富
サッカーにおいて、ミッドフィルダー(MF)は、フォワード(FW)とディフェンダー(DF)の間に位置するポジション。攻撃にも参加するし守備にも参加します。忙しい。
その位置取りから考えると、サッカーにおけるミッドフィルダー(MF)は、スプラトゥーンにおいては中衛に該当すると考えることができます。
ミッドフィルダー(≒中衛)に適したブキ
スプラトゥーンで「中衛」というと、いわゆる「塗り中衛」と「キル中衛」に分けて語られることが多いです。(定義は明確ではありません。)
ここでは、話を簡略にするため、「塗り中衛」を中心に話したいと思います。
「塗り中衛」
その名の通り、エリア管理を中心として立ち回る役割です。しかし、役割はエリアを塗ることだけではなく、味方のカバーやサポート、スペシャル(マルミサ・エナスタが代表的)による試合展開の組み立て、人数不利時の盤面維持、、、などなど、試合の局面によって多様な動きが求められます。
このようにチームの"心臓"ともいえる「塗り中衛」は、サッカーにおけるセントラルハーフのポジションに該当します。
セントラルハーフは、中盤エリアに陣取って、パスやライン管理を行うことでチームの攻守を組み立てるポジションです。
別名"ボランチ"とも呼ばれ、日本代表では遠藤保仁選手や長谷部誠選手などが有名です。ボランチには、視野の広さや攻守のバランス感覚、そしてボールを繋ぐための技術(トラップ→パス)が求められます。
(ボランチ…ポルトガル語で「ハンドル」「舵」の意味。ゲームを中心的に舵取りする役割というのも、スプラにおける塗り中衛に似てる!と思います。)
塗り中衛は、大会カメラに抜かれて注目される!といったことは多くない位置です。しかしながら、このポジションが上手いプレイヤーがチームに1人居ると、チームの安定感が一気に増します。いぶし銀でかっちょいい、イケオジポジション(?)というワケ。
大会観戦では、俯瞰視点で映った時に中衛のプレイヤーが何をしているか(塗り?カバー?牽制?センプク?etc…)に注目すると、試合展開やそのチームの作戦を垣間見ることが出来て面白いです。
「キル中衛」
ラピッドブラスターやプライムシューターなど、塗りが弱く、キルや圧かけを主な役割とする中射程ブキのことを「キル中衛」と呼ぶことがあります。しかし本記事では、このようにキルを中心とする役割は「前衛」に分類して述べましたので、そちらをご参照いただければと思います。(前編のフォワードの項を参照)
もしミッドフィルダーの中で考え直すのならば、「キル中衛」のポジションはサッカーにおける"サイドハーフ"や"攻撃的MF"あたりに該当するでしょうか。
これらのポジションはミッドフィルダーの中でも攻撃寄りのポジションで、位置的にも役割的にも、前編に登場した"ウィング"や"トップ下"などのポジションに近いです。
中衛まとめ:中衛の役割を整理する
中衛ブキに対応するサッカーのポジションについて書きましたが、ここで改めて中衛の役割について整理しておきたいと思います。
スプラトゥーンにおける中衛の役割とは何でしょうか。塗り、カバー、盤面維持、ライン管理…など、ぱっと思いつく限りでも様々な役割がありますが、これを一言で説明するのは難しい。
中衛の役割についてより理解するためには、試合の局面ごとに分けて考えるのが良いと思っています。一般に、「抑え」や「打開」と言われるものですね。
中衛は大体、抑えでは前衛と共に攻撃に参加し、打開では手前塗りやスペシャル貯めをすることが多いです。
この"試合の局面構造"について、もう少し深掘りしてみましょう。
試合の局面という話では、サッカーにも「攻撃」と「守備」がある、というのはイメージがつくかと思います。しかし特に近代サッカーでは、「攻撃」と「守備」の2つの局面に加えて、「攻撃→守備の切り替え」「守備→攻撃の切り替え」も含めた4局面で理解されることが多いようです。
「攻撃」⇄「守備」の間に、「攻撃→守備の切り替え(ネガティブトランジションとも呼ばれる)」と「守備→攻撃の切り替え(ポジティブトランジションとも呼ばれる)」の局面があることを意識することで、サッカーのゲーム展開についてより理解を深められるよ〜。といったものらしいのですが…
これ、スプラトゥーンにもそのまま応用できそうですよね。
というわけで、図にまとめてみました。
スプラトゥーンでもこの4局面で考えるほうが、ゲームの展開についてスッキリ理解できるのではないかと思います。
では具体的に試合中の場面を想像しながら、4局面それぞれにおける中衛の役割について考えてみましょう。
① 抑え
自チーム側がエリアを確保している状態です。この局面での中衛の役割は、前線のカバーとエリア管理(敵チームにエリアを横取りされないようにする)が主でしょうか。
② 抑え→打開の切り替え(ネガティブトランジション)
相手のスペシャルで味方の前衛が1人落とされてしまった。この局面での中衛の役割は、盤面維持と次の打開への準備です。
ボムなどを使って相手を牽制しながら、味方前衛の復帰を待つ。スペシャルを貯めて次の打開のきっかけ作りをする。ようなイメージ。
また、ラインを引きながら味方の復帰を待つ以外にも、例えば相手がラインを上げてきたタイミングでセンプクキルを入れるといった方法でも盤面維持が出来ます。
(参考↓(BBZ優勝おめでとうございます!))
黄チームヒッセンヒューの動きに注目→https://youtu.be/S0J-C3N59QE?t=1845
黄チームシャーカーの動きに注目→https://youtu.be/S0J-C3N59QE?t=9017
③ 打開
相手チームにエリアを確保され、自陣手前まで相手が侵攻してきている状態では、中衛にできることはそれほど多くありません。スペシャルを使って、自チームの反撃の狼煙を上げることが一番大切な役割になるかと思います。
打開の一番の目的は、エリアを奪い返すこと。そのために有効なのは、自チームの誰かが「打開の1キル」を入れることです。盤面全体に影響を及ぼすような強力なスペシャルを持つ事が多い中衛は、打開はスペシャルから入ることが多いです。
しかし状況によっては、スペシャルを貯めるより先に前線に出てポジションを取りに行ったり、裏に抜けて相手の背後からヘイトを買ったりなど、様々な打開の手段を持っておくことも必要です。最終的にエリアを取り返せて、こちらの抑えの状況を作り出すことができればなんでもアリです。
④ 打開→抑えの切り替え(ポジティブトランジション)
打開の1キルが入って、エリアに向かうぞ!という場面。中衛の役割は、エリア確保と次の抑えへの準備です。
打開で人数有利になったら、中衛は味方と一緒にラインを上げて、味方前衛が抑えで強いポジション(いわゆる"強ポジ")に入るのをサポートします。その間にエリア確保や前塗り(=味方前衛の足場になるように、エリアより前の塗りを作ること)をすることで、次の抑えに向かって体制を整えます。
また、この一連の流れを、「人数有利を保ったまま行う」というのも非常に大切です。エリアを塗りに行って、残っていた相手ローラーに自チームが2人持っていかれた!となると、人数不利でまた相手に抑えられてしまいます。
このように中衛は、5分間の試合の中でもその局面によって役割が大きく移り変わっていくポジションです。
また、この4局面は試合の中で均等に訪れるわけではありません。打開への移行をスムーズにしたり、そもそも打開の状況にさせないような立ち回りをすることで、打開の時間を短くして抑えを長く継続することができます。
上位の塗り中衛プレイヤーは、この「抑え⇄打開の切り替え」の局面で真価を発揮するプレイヤーが多い気がします。盤面の目まぐるしい変化を敏感に感じ取り、どの局面でも盤面に関与し続けることでゲームをコントロールする、非常に戦略的なポジションです。
3. ディフェンダー(DF)はチームの"背骨"
サッカーにおけるディフェンダー(DF)は、守備の要。スプラトゥーンでは、最終ラインから相手に長射程を押し付ける「後衛」に該当します。
ディフェンダー(≒後衛)に適したブキ
スプラトゥーンは、「後衛ブキによってそのチームのコンセプトが決定する」と言っても過言ではありません。その中でも、後衛がチャージャーか、それ以外の後衛かによって大きく毛色が異なるので、その2つで大別してみました。オレか、オレ以外か。
スピナー後衛+その他の後衛
チャージャー以外、なんてまとめ方をしてしまいすみません。いわゆるスタンダードな後衛群です。
サッカーのポジションでいうと、センターバック〜サイドバックのポジション。
センター(コートの中央)に位置してゴールを守るセンターバックに対して、サイドで守備を行うのがサイドバックです。サイドバックは、オーバーラップ(ボールを持っている味方プレイヤーをサイドから追い越す動き)などで攻撃に参加することも多いポジションです。
スプラトゥーンにおいてこれらディフェンダー(DF)の枠に該当する後衛は、センターバックのように中央で耐える動きと、サイドバックのように射程を活かして前目のキルを狙う動きのどちらも必要とされます。
その中でも、①後衛スピナー種(クーゲルシュライバー, バレルスピナー, ハイドラント)はセンターバック寄り、②その他の長射程ブキ(ラピッドブラスターエリート, エクスプロッシャー, ジェットスイーパーなど)はサイドバック寄りの動きが求められることが多いのではないかと思います。
上位の後衛ブキ使いは、この2種類のポジションの使い分けがとてつもなく上手いイメージです。正面から射程を押し付けて相手に圧を掛けていたかと思えば、味方前線のヘイトを活かして射程の先でキルを入れる。危なくなったら引いて、味方の中衛と一緒に盤面を維持する。ゲームメイカーとはこのこと。
このような点に注目して配信を見てみると、後衛ブキ使いの中でも、人によってプレイスタイルの違いが見られてとても面白いなと思います。
チャージャー種
ここまで読んでいただけた方には、チャージャー種が他のブキに比べていかにトガっているかが伝わるかと思います。
このブキ、基本はセンターバック寄りのディフェンダーであるハズなのですが、その位置からペナアップ+チャージキープでズドン、とロングシュートを打てます。まるでイナズマイレブン?黒バスの緑間?イチローのレーザービーム?といった感じです。とんでもなくすごくすごい。
サッカーのポジションで考えると、リベロ。フィールド内を自由に動き回りながら守備と同時に攻撃にも参加するのが特徴です。
リベロは、70年代に西ドイツのベッケンバウアーという選手が生み出したとされるポジションです。70年代のサッカーは、現在のように全員で攻撃して全員で守備をするという時代ではなく、攻撃する人と守備を担当する人があらかじめハッキリ決められていたようです。(調整さんwith サッカーのリベロってなに?センターバックと何がちがうの?より一部改変)
しかしこのベッケンバウアーという選手、現代で言うセンターバックの位置にいながらも、持ち前の状況判断とテクニックで攻撃を組み立てていき、相手ゴール前にまで進出していくという斬新奇抜な動きで結果を残しました。そのようにしてベッケンバウアーは、イタリア語で”自由な人”を表すリベロというポジションを確立していったのです。
いや、リアルイナズマイレブン??すごすぎます。
チャージャーの話に戻します。
チャージャーは上記のように、長射程での1確・チャージキープといったとてつもない強みを持っていますが、その破格ともいえる性能は、使い手の練度に大きく依存するという弱点があります。
またある程度ゲームが煮詰まってくると、チーム全体がチャージャー中心に立ち回る必要があったり、試合展開が遅くなり1デスの重みが増してしまう、といった弱点もあります。現在のエナジースタンド環境のような早いゲーム展開には弱め。
個人的にはチャージャー種は、スプラトゥーンというゲームにメリハリを出してくれている「スーパープレイヤー」だと思っています。ここぞという場面でバシッと1キル取ってくれるリッターは、味方で一緒にプレイしていても、観戦していてもめちゃくちゃ盛り上がります。
後衛まとめ:チームの「軸」を考える
以上のように、センターバックのポジションを担う後衛ブキはチームコンセプトの「軸」になります。
後衛のブキ種によって、得意とするゲームスピードは大きく異なります。チャージャー(リッター)軸がどっしりと遅く丁寧な展開でゲームをコントロールするのに対して、エクス軸は前目のカバーを中心に相手チームより早い展開でラインを上げていくのが得意です。
さらにここで注目したいのは、センターバックのポジションを担うのは後衛ブキだけではない、ということです。
例えば、ボトル/デュアカス/ドライバーワイパーデコ/N-ZAP85のような後衛なし編成であれば、塗り中衛にあたるN-ZAP85がボランチ〜センターバックの位置を担うことがあります。後衛入りの編成でも、センターバックの位置ではなくサイドバックの位置で前目のキルやカバーを主に行うラピエリデコ軸などは、同様に自チームの塗り中衛あたりのブキがセンターバックのポジションを担うことが多いです。
どちらにせよ、センターバックは守備の要でありチームの軸。頼れる大黒柱的ポジションです。ゲームメイクをするうえでチームメンバーとの連携がとても重要になってきます。
4. 考察
サッカーにおけるポジションに注目して、スプラトゥーンのブキごとの役割についてまとめました。
今までにもこのように、「役割に名前をつけて分類する」取り組みはありましたが、スプラトゥーンに関する非公式の用語は定義が曖昧(それだけ戦略の自由度が高いゲームとも言える)で、「同じ言葉でも言っている内容が微妙に食い違っている」といった事が少なくないのが現状です。
そこを、サッカーの考え方を応用して、視覚的にスッキリと整理したいというのが今回の記事の狙いです。
記事の中ではカタカナの用語をたくさん並べている所もありますが、用語を覚えることよりも、「そのポジションがステージのどの位置か、どんな役割か」の視覚的なイメージを楽しんでいただければと思います。
こういった役割の分類に関しては、他のFPSから引っ張ってきている用語も多いので、オーバーウォッチやVALORANTなどのプレイ経験がある方はそちらと照らし合わせてみるのも面白いかもしれません。
オーバーウォッチには公式用語として「タンク」の役割がありますし、なんなら「フランカー」はラグビーのポジションのひとつで、そこからFPS用語として派生しているらしいです。知らなかった。
ラグビーもサッカーも、もともとは同じ発祥の”フットボール”からルールが派生していったスポーツだということを考えると、「スプラトゥーンのゲーム性がサッカーに似ている」というのも当たり前のことなのかもしれません。
ここからは、スプラトゥーンとサッカーの関係性について筆者が考えたことをいくつか述べて、本記事を締めくくりたいと思います。
サッカーとの違い:①勝利条件の違い
サッカーの勝利条件は「相手より多く得点を取ること」ですが、スプラトゥーンの勝利条件は「相手より多くカウントを進めること」にあります。
似ているようにも思えますが、考える上でこの違いは無視できません。
特に、スプラトゥーンでは「エリアを確保している状況を維持しなければならない」ということに注目する必要があります。ペナルティカウントというルールがあるので、一瞬だけエリアが塗れても盤面的に不利ですぐに取り返されてしまっては思うようにカウントが進みません。
大抵の場合(全てではない)、自チームのラインをエリアより高く保った時間が長いほどエリアのカウントは進むので、サッカーでいうところの「ボール支配率」の方がスプラトゥーンのルールに近いかもしれません。しかし「ボール支配率」は単純に各チームがボールを保持していた時間の長さを表す数字なので、コートの後方で攻めずにボールを回しているだけでもこの数字は高くなります。つまり、"ラインの高さ"という要素は含まれていません。
サッカーとの違い:②人数の違い
サッカーが11vs11のゲームであるのに対して、スプラトゥーンは4vs4のゲームです。また、スプラトゥーンはデスすると復活までに8.5秒間(510F)の時間がかかるので、その間は3vs3や2vs2といった状況もあり得ます。
サッカーと比べて全体の人数が少なく、また全体の人数状況が刻々と変わっていくスプラトゥーンというゲームでは、チーム間でのポジション(=ここでは役割の意味です)の移動や補完がより激しくなります。
人数が少ない分、ひとつのポジションに拘ることなく、チーム全員が試合の局面に応じて幅広い役割を担う必要があるということです。
サッカーで、戦術的に意図してポジションを入れ替えるプレーを"ポジションチェンジ"といいますが、スプラトゥーンではこういった試合中の役割交代(FPS用語でスイッチともいいます)が頻繁に起こります。
前編で書いた、前衛のキル⇄ヘイトの切り替えの話はこのあたりに関係してくるということです。
「位置としてのポジション」に縛られるのではなく、「役割としてのポジション」を意識するのが大切だと思っています。
Xマッチでの"強ブキ"の特徴
スプラトゥーンは(役割としての)ポジションの移動や補完が激しく、流動的に変わっていくよー、という話をしました。
いわゆる"強ブキ"といわれるブキたちは、この点において担えるポジションの幅が広いように感じます。
たとえばシャープマーカーは、メインで撃ち合う「センターフォワード」のほか、サブのクイックボムでカバーもする1.5列目の「セカンドトップ」、塗りの強さを活かした「ボランチ」、さらに射程の長いカニタンクでは「センターバック」に近いポジションまで担うことができ、さらにこれらを切り替えながら戦うことができます。(カニタンクの弱体化前は特にこれが顕著でした。)
もともと短射程シューターには出来ることの豊富さを特徴とするブキが多いですが、こういった役割の多いブキを扱うのは簡単ではありません。Xマッチで高いパワーを出しているようなプレイヤーは、チームに足りないポジションを判断して実行するのが非常に上手いし早いです。そこにシビれる憧れます。
ある程度比例はしますが、ここでの"強ブキ"とはXマッチを中心としたものであり、対抗戦や大会などではチームの構成によってブキの弱点を補い合えるということには注意が必要です。
サッカーとの共通意識:相手のセンターバックを崩す
スプラトゥーンとサッカーとの違いとして勝利条件や人数の違いを挙げましたが、逆にこの2つのゲームにおいて共通する意識もあります。それは、「相手のセンターバックを崩す」ということです。
サッカーにおけるセンターバックは、チームの1番後ろ、かつコートの中央に位置する守備の要のポジションです。
この「相手のセンターバックを崩す」意識をチーム全体で持つことの重要性について書かれていた書籍がありましたので以下に引用します。
さらにこの書籍の中では、具体的にセンターバックを崩す(攻撃する)ための4つの方法として、以下のように述べています。
詳細についてはぜひ本著を読んでいただきたいのですが、とにもかくにもサッカーでは、フォワードが相手センターバックの背中側を位置取ったり予想外の動きをしたりすることで、「相手のセンターバックを崩す」ことが得点につながるとされています。
スプラトゥーンにおいて、センターバックはスピナー種・チャージャー種などの後衛や塗り中衛ブキなどが主に担当します(後衛まとめの項を参照)。そして、スプラトゥーンでも、相手チームのこれらセンターバックのポジションを崩すことでエリアのカウントは一気に進みます。
「崩す」とは、相手の後衛や塗り中衛をキルするという手段のほかにも、パブロなどが得意なヘイトを買う動きや、ウルショやマルミサでラインを下げさせるなどの手段があります。どんな手段であれ、「相手のセンターバックを崩す」ことがカウントにつながる。
このような共通点がみられるのはなぜでしょうか。サッカーでセンターバックを崩すことができれば、ゴールキーパーとの1対1に持ち込めるので得点に直結するというのはなんとなく想像できます。
しかし、スプラトゥーンにはゴールがない。敵陣深くのゴールを目指すわけではないのに、「相手のセンターバックを崩す」とその後自チームが有利な展開になることが多いです。それはなぜか。
私個人の意見としては、センターバックがチームの「最終ライン」を決定するからだと思っています。相手の後衛をキルすると、相手の後衛はリスポーンから復活し、相手チームの最終ラインが一気に後退する。すると相手チームの残り3人はラインを下げざるを得ない。そして自チームの最終ラインが上がり、エリアを確保してカウントが進む。
この「最終ライン」の意識は、チーム全体の陣形の広さ(広く位置取るのか、コンパクトに密にプレーするのか)や、ゲームスピードのコントロールに関連する非常に重要な考え方だと思っています。が、それを書くにはこの余白は狭すぎますのでここでは省略します。(要望ありましたらまた書きます)
5.まとめ
さんざんサッカーのポジションについて書いた上で、最終的にはひとつの位置にこだわりすぎない方がいい、という結論になってしまいました。
しかし、勝利条件や人数・コートの大きさなどの差はあれど、ゲーム性というところでサッカーとスプラには似ている点が多いのではと思っています。
ステージ上の位置とブキの役割を理解するうえで、サッカーのポジションは応用しやすい考え方だと思います。どのような方法であれ、ブキごとに得意とする役割や自分が得意なポジションを知っていくと、スプラトゥーンのプレイや観戦がより楽しくなること間違いなしです。
観戦に興味が出てきたぞ!という方はぜひ、公式大会であるスプラトゥーン甲子園や、エリア杯をはじめとした有志により開催されている大会を見てみてください。
この記事を書く上で、少人数制サッカー(スモールサイドゲームというらしい)について書かれた書籍はスプラトゥーンへの応用性が高く、大変参考になりました。
8人制で、小学生年代を中心にプレイされるジュニアサッカーについて書かれた本には、サッカーの基本的な原理原則について再構築するような記載が多く、サッカーの知識がない自分でも面白く読めました。こちらも文末に引用リストを載せておくので、興味のある方はぜひ読んでみて下さい。
ここまで書いてきて、筆者は「サッカーっておもしれ〜〜」ってなってます。有識者の方々、おすすめの試合などあればぜひぜひ教えてください。
なんならバスケやラグビーにも興味が湧いています。スプラのゲームスピードにはこっちのほうが合ってるかも。
長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました!よければポチッと評価、拡散などしていただけると励みになります。
ではでは〜
〜Special Thanks〜
・ロロイト・シャンベル様(動画紹介にあたり、快く許可をいただきました。本当にありがとうございます!)
・Sunfish(まんぼう)様(公開されているステージ図面を使用させていただきました。ありがとうございます!)
・知り合いのスシコラ使い
引用・参考
・スポランド サッカー図鑑「ポジションとシステム」https://www.homemate-research-soccer.com/useful/14328_sport_001/index08.php
・BANDAI NAMCO「サッカーのポジション丸わかりガイド!名前や役割を図付きで解説」https://thewonder.it/article/578/description/
・サッカー戦術分析「鳥の眼」サッカーのポジション名と役割の一覧|基本知識からマイナーな呼び名まで!細かく解説しますhttps://birdseyefc.com/tactics/theory/position-role/
・調整さんwith サッカーのリベロってなに?センターバックと何がちがうの?
https://chouseisan.com/l/post-91802/
・コンサデコンサポジションチェンジ
https://www.consadeconsa.com/lexicon/ポジションチェンジ/
・8人制サッカーの教科書(内藤清志著 著, 株式会社カンゼン 発行)
・風間八宏の戦術バイブル サッカーを「フォーメーション」で語るな(風間八宏 著, 幻冬舎 発行)
・ジュニアサッカー世界一わかりやすいポジションの教科書(西部謙司 監修, 戸田邦和 漫画, 株式会社カンゼン 発行)
・【スプラトゥーン2】前衛中衛後衛って何?ウデマエ停滞してる人は是非ご視聴ください。【裏マンお悩み相談室】(裏切りマンキーコングイカタコCh)https://www.youtube.com/watch?v=NX9usMiBbzg&t=193s
・「スプラトゥーン甲子園2023」 東海地区大会 DAY2 一般チーム部門 決勝ステージhttps://www.youtube.com/watch?v=S0J-C3N59QE
・見るだけで勝率アップ『打開』の基本【スプラトゥーン3】(のりすけ/No risk)https://www.youtube.com/watch?v=IN6UjDh561I&list=PLBJy49jp6W2lylpBxv1Ys8SExqH7sVvW7&index=10
・スプラトゥーン解説動画 編成の組み方講座(ルオカ団長【のりおか研究所】)https://youtube.com/playlist?list=PLDYsnc4V1F6OC82x3xIa_SxWFIkB8XfWg
・【視聴者視点】ラクトで意識するべきことは” 塗り ”!!だけど塗りってなんだ!?【Splatoon3】(あとばるちゃんねる)https://www.youtube.com/watch?v=-zGWluv1r5I&list=PLhZ9-SZysXmGVNZKUO1mAHIjlY-jxeiTf&index=22&t=709s
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