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早稲田の得点調整と過去問の目標得点データ
はじめに
この記事では、早稲田大学の過去問演習における「得点調整と過去問の目標得点」について詳細に解説します。早稲田大学の一般入試は非常に競争率が高く、1点の差が合否を分けることも珍しくありません。早稲田大学の得点調整の仕組みと目標得点を理解し、過去問演習における目標を明確に設定することが合格への鍵です。この記事は、以下の方々に役立つ情報を提供します。
早稲田大学の過去問演習の目標点数を知りたい方
早稲田大学合格に必要な学力レベルを知りたい方
早稲田合格者と比較して自分の学力がどの程度なのか知りたい方
過去問演習の際の参考になれば幸いです。
1. 得点調整とは
早稲田大学の一般入試では、「得点調整(成績標準化)」が実施されています。これは、受験生全員に対して公平な評価を提供するための仕組みです。試験科目や年度によって難易度が異なるため、単純な得点だけで受験生を評価することは困難です。得点調整によって、各受験生の実力を正確に反映させることが可能になります。
1-1. 得点調整の目的と方法
目的:試験の難易度の違いを補正し、公平な評価を実現すること。
方法:各試験の得点分布を基に、得点を標準化する。
1-2. 得点調整の重要性
得点調整が行われることにより、同じ年度の異なる試験科目や年度間の難易度の差を補正します。これにより、公平な比較が可能となり、実際の学力に基づいた評価が行われます。得点調整は、選択科目の難易度是正のために行われるのが一般的ですが、早稲田大学では英語、国語、選択科目の3教科全てに対して得点調整が行われており、このことが早稲田大学の入試難易度を高める要因ともなっています。
2. 得点調整式の例
早稲田大学では得点調整式を公表していないため、正確な調整後の得点を算出することはできません。しかし、以下の式を利用することにより、得点調整後の得点のイメージを持つことができます。
1.25×(素点-受験者平均点)+満点の半分
2-1. 定義の説明
素点
得点調整が行われる前の、受験者が実際に試験で獲得した得点のことです。例えば、英語の試験で50点満点中35点を取った場合、その35点が素点となります。
受験者平均点
合格者だけでなく不合格者を含む全ての受験生の各科目の平均得点のことです。つまり、全受験生が取得した得点の平均値を示しています。早稲田大学では、この受験者平均点を「素点」の形式で公表しています。
合格最低点
その年の合格者が取得した3科目の合計得点の中で最も低い得点のことです。早稲田大学では、この合格最低点を素点ではなく、「調整後の得点」の形式で公表しています。これは、各受験生の得点が得点調整された後の点数であり、その中で最低の得点が合格ラインとなります。
例:文学部(2024年度)
以下では、2024年度の文学部を例にとって、得点調整の計算を実演します。
① 満点
・英語 :75点
・国語 :75点
・日本史:50点
・合計 :200点
② 受験者平均点・合格最低点
・英語 :40.2点(53.6%)
・国語 :49.7点(66.3%)
・日本史:33.2点(66.4%)
・合計 :130.4点(65.2%)
各科目の受験者平均点は「素点」の形式で公表されています。
合計の合格最低点は「調整後の得点」の形式で公表されています。
③ 素点
・英語 :48点(64.0%)
・国語 :52点(69.3%)
・日本史:39点(78.0%)
・合計 :139点(69.5%)
④ 調整後の得点
上記の①-③をもとに、各科目の調整後の得点を以下の計算式で算出します。
1.25×(素点-受験者平均点)+満点の半分
・英語 :1.25×(48−40.2)+32.5= 47.3点(63.0%)
・国語 :1.25×(52−49.7)+32.5= 40.4点(53.9%)
・日本史:1.25×(39−33.2)+25= 32.3点(64.6%)
・合計 :47.3+40.4+32.3= 120.0点(60.0%)
⑤ 素点と調整後の得点の差
・英語 :48点(64.0%)→ 47.3点(63.0%)
・国語 :52点(69.3%)→ 40.4点(53.9%)
・日本史:39点(78.0%)→ 32.3点(64.6%)
・合計 :139点(69.5%)→ 120.0点(60.0%)
2-2. ポイント
このように、素点と調整後の得点には差が生じますが、多くの場合、調整後の得点は素点より低くなります。
これは、試験の難易度や得点分布のばらつきを考慮し、公平な評価を提供するための得点調整の仕組みによるものです。
得点調整による得点変動がない、もしくは素点よりも調整後の得点が高くなるのは、受験者平均点が低い&素点が受験者平均点を大きく上回っている場合です。
例:文学部(2024年度)・英語
・受験者平均点:40.2点(53.6%)
・素点:48点(64.0%)
・調整後の得点:47.3点(63.0%)
・素点と調整後の得点差:-0.7点(-1.0%)
*受験者平均点が約50%と低い上に、素点が受験者平均点を約10%上回っているため、得点調整による得点下降を最小限に止めることができています。
受験者平均点を上回っている場合でも、受験者平均点が高く、素点が受験者平均点を数点しか上回っていない場合、調整後の得点は大きく下降します。
例:文学部(2024年度)・国語
・受験者平均点:49.7点(66.3%)
・素点:52点(69.3%)
・調整後の得点:40.4点(53.9%)
・素点と調整後の得点差:-11.6点(-15.4%)
*素点が受験者平均点を超えているにもかかわらず、調整後の得点は素点から約15%も下降しています。
素点の合計点が合格最低点を超えている場合でも、得点調整によって素点から大きく下降し、結果的に合格最低点を下回っています。したがって、得点調整を見越して、素点時点で10%以上、合格最低点を上回る必要があります。
例:文学部(2024年度)・合計点
・合格最低点:130.4点(65.2%)
・素点:139点(69.5%)
・調整後の得点:120.0点(60.0%)
・素点と調整後の得点差:-9.0点(-9.5%)
そのため、過去問演習時には、得点調整の影響を考慮に入れ、素点ではなく調整後の得点をベースに目標を設定する必要があります。
また、全科目で受験者平均点を上回る&受験者平均点を可能な限り大きく上回る意識が合格のためには必要です。
具体的な目標設定は下記を参考にしてみてください。
3. 各科目と合計点の目標得点
早稲田大学が公表する受験者平均点(素点)および合格最低点(調整後の得点)をもとに、各科目の得点と合計点のランクを設定しました。過去問演習時には、下記のランクと目標得点を参考にしてみてください。
3-1. 各科目の目標得点(素点)
各科目ごとの目標得点を、受験者平均点(素点)をベースにS-Eランクで設定しています。現時点で自分がどのランクに位置するか確認してみましょう。
【S】:受験者平均点+20%
- 早稲田合格者の中で上位レベル【A】:受験者平均点+15%
- 早稲田合格者の中で中位レベル【B】:受験者平均点+10%
- 早稲田合格者の中で下位レベル【C】:受験者平均点+5%
- 早稲田受験者(不合格者含む)の中で中位レベル【D】:受験者平均点±0%
- 早稲田受験者(不合格者含む)の中で中位レベル【E】:受験者平均点-5%
- 早稲田受験者(不合格者含む)の中で下位レベル
![](https://assets.st-note.com/img/1727256713-F4wDbOYU0XNSQyHWPJeRKcT3.png?width=1200)
3-2. 合計点の目標得点(調整後の得点)
合計点の目標得点を、合格最低点(調整後の得点)をベースにS-Eランクで設定しています。同様に、自分の現在地を確認してみましょう。
【S】:合格最低点+10%
- 早稲田合格者の中で上位レベル【A】:合格最低点+5%
- 早稲田合格者の中で中位レベル【B】:合格最低点±0%
- 早稲田合格者の中で下位レベル【C】:合格最低点-5%
- 早稲田受験者(不合格者含む)の中で中位レベル【D】:合格最低点-10%
- 早稲田受験者(不合格者含む)の中で中位レベル【E】:合格最低点-15%
- 早稲田受験者(不合格者含む)の中で下位レベル
![](https://assets.st-note.com/img/1727256739-3SRqIcaTHZVD2ArmewW9JUPo.png?width=1200)
4. 早稲田合格者の得点目安
上記のS-Eランクに基づいて、早稲田合格者(上位層・中位層・下位層)の得点目安を示しました。一口に早稲田合格者といっても、その学力レベルは多岐にわたります。以下では、各層の特徴と具体的な得点目安を詳細に説明します。
4-1. 早稲田合格者の上位層
各科目の得点:各科目が【A】以上&そのうち2科目が【S】
合計点:【S】(合格最低点+10%)
例1:英語【A】 / 国語【S】 / 日本史【S】- 合計点【S】
例2:英語【S】 / 国語【S】 / 日本史【S】- 合計点【S】特徴:
上位層は全受験生の中でもトップレベルの学力を持ち、東大や一橋大学を志望する受験生が多い層です。早稲田を滑り止めにできるほどの実力者がこの層に位置します。上位層に入るためには、全ての科目で【S】(受験者平均点+20%)に到達することが基本ですが、1科目が【A】(受験者平均点+15%)でも大丈夫です。ただし、少なくとも【B】(受験者平均点+10%)未満の科目がない状態である必要があります。早稲田合格を目指す上で、上位層に入る必要はありませんが、最上位層と同じフィールドで勝負する意識を持つことが大切です。
4-2. 早稲田合格者の中位層
各科目の得点:各科目が【A】以上&そのうち1科目が【S】
合計点:【A】(合格最低点+5%)
例1:英語【A】 / 国語【A】 / 日本史【S】- 合計点【A】
例2:英語【S】 / 国語【B】 / 日本史【S】- 合計点【A】特徴:
中位層は早稲田の複数学部に合格が可能なレベルであり、MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)を滑り止めにできる層です。中位層に位置するためには、全科目で【A】(受験者平均点+15%)以上を目指し、少なくとも1科目で【S】(受験者平均点+20%)に到達する必要があります。【B】(受験者平均点+10%)未満の科目が1つでもある場合は、他の2科目で【S】(受験者平均点+20%)を取ることが求められます。中位層も高い学力が必要ですが、上位層と比較すると現実的に到達可能な範囲です。早稲田志望者は中位層に入ることを目標にしましょう。
4-3. 早稲田合格者の下位層
各科目の得点:各科目が【B】以上&そのうち2科目が【A】以上
合計点:【B】(合格最低点±0%)
例1:英語【A】 / 国語【A】 / 日本史【B】- 合計点【B】
例2:英語【S】 / 国語【C】 / 日本史【S】- 合計点【B】特徴:
下位層は早稲田にギリギリ合格できる層です。しかし、MARCH合格者とは顕著な学力差があります。全科目で【B】(受験者平均点+10%)以上を目指し、そのうち2科目で【A】(受験者平均点+15%)以上に到達する必要があります。【C】(受験者平均点+5%)以下の科目が1つでもある場合、他の2科目が【S】(受験者平均点+20%)でも、得点調整により合計点は【B】(合格最低点±0%)となります。下位層の得点は現実的に達成可能であり、MARCH志望者の方でもこの層に近い得点を取れる場合があります。
5. 過去問演習の目標
早稲田志望者にとって目標とすべきは「中位層」ですが、これは最終的な目標です。過去問演習の際には、以下のステップで段階的に目標を達成することを目指しましょう。
STEP01(到達時期:10月末)
目標1:全科目で【D】(受験者平均点±0%)以上
目標2:得意科目で【C】(受験者平均点+5%)以上
ポイント:
まずは、10月末までに全科目で【D】(受験者平均点±0%)以上を目指しましょう。これは早稲田受験者(不合格者含む)の中で中位レベルに相当します。中でも得意科目は【C】(受験者平均点+5%)以上を目標にします。
STEP02(到達時期:11月末)
目標1:全科目で【C】(受験者平均点+5%)以上
目標2:得意科目で【B】(受験者平均点+10%)以上
目標3:合計点で【D】(合格最低点-10%)以上
ポイント:
次に、11月末までに全科目で【C】(受験者平均点+5%)以上を目指しましょう。これは早稲田受験者(不合格者含む)の中で中位レベルです。中でも得意科目は【B】(受験者平均点+10%)以上への到達を目指します。これは早稲田合格者の中で下位レベルに相当します。下位レベルとはいえ、1科目でも早稲田合格者と同レベルに達していることは大きな自信になるはずです。
STEP03(到達時期:12月末)
目標1:全科目で【B】(受験者平均点+10%)以上
目標2:得意科目で【A】(受験者平均点+15%)以上
目標3:合計点で【B】(合格最低点±0%)以上
ポイント:
さらに、全科目で【B】(受験者平均点+10%)以上を目指しましょう。これは早稲田合格者の中で下位レベルに相当します。中でも得意科目は【A】(受験者平均点+15%)以上への到達を目指します。これは早稲田合格者の中で中位レベルに相当します。12月末までに得点調整後の合計点が【B】(合格最低点±0%)以上、つまり本番であれば合格していたという状態を一度でも経験しているのが理想です。
STEP04(到達時期:1月末)
目標1:全科目で【A】(受験者平均点+15%)以上
目標2:得意科目で【S】(受験者平均点+20%)
目標3:合計点で【A】(合格最低点+5%)以上
ポイント:
最終的に、全科目で【A】(受験者平均点+15%)以上を目指しましょう。これは早稲田合格者の中で中位レベルに相当します。中でも得意科目は【S】(受験者平均点+20%)への到達を目指します。これは早稲田合格者の中で上位レベルです。この段階では、過去問3回中1回、ないしは2回合格最低点を超えることができる状態が理想です。
まとめ
以上の通り、早稲田大学の過去問演習においては、得点調整式を活用し、自身の得点状況を詳細に把握することが重要です。各科目と合計点の目標得点を設定し、段階的に目標を達成していくことが、早稲田大学合格につながります。
早稲田大学を志望する受験生の皆さんにとって、ご参考になれば幸いです。
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