【早稲田大学文学部・文化構想学部】英語の大問別配点・目標得点・目標時間
はじめに
この記事では、早稲田大学文学部・文化構想学部の英語試験における大問別配点、目標得点、そして目標時間について解説します。文学部・文化構想学部の英語試験では、大問数と設問数が毎年一定であるため、各大問の配点を仮定し、その上で効果的な学習戦略を立てることが可能です。この記事を通じて、大問ごとの配点や目標得点を理解し、英語の合格ラインをより具体的に把握しましょう。
1. 文・文構の英語の配点を把握する重要性
早稲田大学では各科目全体の配点が公開されていますが、設問ごとの詳細な配点は公表されていません。そのため、受験生は「正解数÷問題数」で得点率を算出することになります。しかし、この算出方法では、記号問題や記述問題を問わず、すべての設問を均等に1問とみなすため、設問ごとの重要度を正確に反映することはできません。
文学部・文化構想学部の場合、英語の大問数と設問数が毎年同一であるため、配点を予想することが可能です。もちろん、あくまで予想の域は出ませんが、「正解数÷問題数」で算出した得点率よりも高い正確性を持つと考えられます。各設問ごとの配点を把握することで、試験における設問の重要度や時間配分を戦略的に考えることができるようになります。
2. 英語の大問別配点・目標得点・目標時間
以下に、文学部と文化構想学部の英語の大問別配点・目標得点・目標時間をまとめました。配点はあくまで予想となります。
2-1. 大問構成
文学部・文化構想学部の英語試験は以下の大問構成になっています。
文学部・文化構想学部の大問構成や設問数は、2007年以降、変更されていません。かつて文学部は昼間の第一文学部(一文)と夜間の第二文学部(二文)に分かれていましたが、2007年に両学部が改組され、新たに文学部と文化構想学部が設置されました。これに伴い、学部間で英語の入試問題が統一され、現行の形式が続いています。ただし、大問Ⅴ(英文要約)には一部変更が加えられています。
これらの変更は、採点を簡素化し、部分点を排除するための措置であったと考えられます。特に2020年度以降の形式では、部分点が完全に廃止され、正解か不正解かの二択で採点されると予想されます。
2-2. 配点
以下は、各大問の予想配点です。
配点は文学部と文化構想学部で同一です。特に、大問Ⅱと大問Ⅲは全体の配点の大部分を占めており、この2つの大問が合否に大きく影響します。大問Ⅴ(英文要約)は全体で5点ですが、部分点がないと予想されるため、正解すれば5点、不正解であれば0点となります。
2-3. 目標得点
文学部と文化構想学部では、同じ大問構成を持つものの、例年、文化構想学部の方が平均点が3-5点低く、難易度が高い傾向にあります。したがって、各学部に応じた目標得点を設定することが重要です。
この得点は、得点ランク【A】(受験者平均点+15%)に該当し、早稲田合格者の中で中位レベルに相当します。この得点であれば、文・文構に合格するために必要な英語の得点基準を比較的余裕をもって満たすことができます。
大問Ⅰ・Ⅳの重要度は低め
大問Ⅰ(単語補充)と大問Ⅳ(会話文)は、配点が低く、難易度も比較的高いため、重要度は低いと考えられます。目標得点としては以下の通りです。
この2つの大問は、あくまで目標得点を確保することが重要で、それ以上の点数を狙う必要はありません。過度に時間を費やさず、以下の大問Ⅱ・Ⅲに配分しましょう。
大問Ⅱ・Ⅲが勝負の分かれ目
一方、大問Ⅱ(長文読解)と大問Ⅲ(文補充)は、合格を左右する非常に重要な大問です。これらの大問で得点を稼げるかどうかが、英語全体の合格ラインに到達できるか否かを決定します。
この2つの大問だけで全体の65.3%を占めているため、極端な話、他の大問が0点の場合でも、この2つの大問で満点を取れば、目標得点にほぼ到達できます。具体的な目標得点としては以下の通りです。
大問Ⅴは期待値を下げておく
大問Ⅴ(英文要約)については、目標得点を0点と設定するのが現実的です。この大問は部分点がない可能性が高く、得点が「5点 or 0点」という二択になります。文法ミスが一つでもあれば、0点となるリスクが高い上に、解答には15分程度の時間が必要であるため、最も時間対効果が低い大問です。大問Ⅴは時間に余裕があれば挑戦し、「正解できればラッキー」と考える程度に期待値を下げておきましょう。
過去問演習の際には、大問Ⅴの5点を除き、大問Ⅰ~Ⅳの70点満点で考える必要があります。以下が各学部における実質的な目標得点です。
このように、各大問の重要度を踏まえた戦略を立て、効果的に時間を配分することが大切です。
2-4. 目標時間
以下は各大問における目標時間です。
文・文構の英語は、他の従来型学部(法・商・教育)に比べて、試験時間に余裕があります。共通テストや明治、法政の試験と比べても、1分間あたりの処理語数は少なく、時間が不足するケースは基本的にありません。
3. 文・文構を目指す受験生へのアドバイス
3-1. 大問Ⅱ・Ⅲで得点を稼ぐ
前述の通り、文・文構の英語試験においては、大問Ⅱ(長文読解)と大問Ⅲ(文補充)が合否を左右すると言っても過言ではありません。これらの大問は配点が高く、文・文構の英語の得点を左右する重要な部分です。そのため、この2つの大問については満点を狙うつもりで徹底的に対策を行いましょう。
3-2. 大問Ⅴは捨てる戦略もあり
大問Ⅴ(英文要約)は、部分点が存在せず、5点か0点かの二択で採点される可能性が高いです。そのため、内容や文法ミスが1つでもあれば0点になるリスクがあります。また、15分程度の時間を要するため、大問Ⅴはスルーして、浮いた15分を他の大問の見直しに使う方が効果的な場合もあります。もちろん、文・文構の英語試験は全体的に時間に余裕がありますので、正解を狙える場合は積極的に解きましょう。
3-3. 2007年以降の過去問×2学部分を有効活用
文・文構の英語試験は2007年以降、形式がほとんど変わっていないため、過去問対策が非常に有効です。これにより、2007年以降の過去問×2学部分=「約30年分」解くことが可能です。文・文構の英語の得点を高める上で、過去問に勝る問題集はありません。文・文構を第1志望で目指す方は、2学部計約30年分の英語の過去問を3周取り組み、安定的に目標得点を超える実力をつけることを推奨します。
古い過去問は「東進過去問データベース」で無料で入手できますので、登録しておくと便利です。解答はありますが解説がないため、解説が必要な場合はAmazonやメルカリで中古の赤本や青本を購入する必要があります。
3-4. 英語を得点源にする場合は、共通テスト利用方式の受験者平均点を基準に
文・文構の入試方式には、「一般選抜」「英語4技能テスト利用方式」「共通テスト利用方式」の3つがあります。このうち、英語の試験が課されるのは「一般選抜」と「共通テスト利用方式」です。これら2つの方式では英語の試験内容は同じですが、受験者平均点が異なります。「共通テスト利用方式」の方が受験者レベルが高く、「一般選抜」よりも英語の平均点が高い傾向にあります。
したがって、英語を得点源にしたい方は、「一般選抜」よりも「共通テスト利用方式」の受験者平均点を基準に目標を設定することが有効です。例年、「一般選抜」よりも「共通テスト利用方式」の方が3点程度平均点が高いため、目標得点を「一般選抜」の目標に+3点して設定することをおすすめします。
以下は、共通テスト利用方式の目標得点です(「一般選抜」+3点)。
各方式の受験者平均点や目標得点のデータは下記の記事で紹介しています。
3-5.「一般選抜」「英語4技能テスト利用方式」を併願
「英語4技能テスト利用方式」は、英検スコア2200(2級ハイスコア)で出願資格を満たすことができ、比較的簡単に条件をクリアできます。「一般選抜」と「英語4技能テスト利用方式」を併願することで、英語で失敗した場合のリスクを減らすことが可能です。
例えば、一般選抜では3科目(英語・国語・選択科目)で高得点を狙う必要がありますが、4技能を併願することで、仮に英語で失敗しても、国語と選択科目で高得点を取れば合格の可能性が残ります。特に国語が得意な方は、4技能を併願することで、合格の可能性を高めることができます。
詳細はこちらの記事をご覧ください。
おわりに
早稲田大学文学部・文化構想学部の英語試験において、配点や目標得点、時間配分を正確に把握することは、効率的な学習を行う上で非常に重要です。特に大問Ⅱ・Ⅲは高得点を目指すべき大問であり、ここでしっかりと得点を稼ぐことが合格へのカギとなります。逆に、大問Ⅴはリスクの高い大問であるため、取捨選択を行う戦略が求められます。
また、過去問を徹底的に活用することが、文・文構特有の出題形式に慣れる最も効果的な方法です。2学部分の過去問に取り組むことで、試験の傾向を把握し、確実に得点を積み上げる準備が整います。
最後に、各入試方式の特徴を理解し、戦略的に併願することで、合格の可能性を最大限に引き上げることができます。英語を得点源としたい場合は、共通テスト利用方式や英語4技能テスト利用方式を視野に入れ、リスクを分散させながら合格を目指しましょう。
文・文構の入試は厳しい戦いですが、正しい準備と戦略的な対策を行えば、必ず結果につながります。ぜひ頑張ってください。
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