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昨日キノやキノで過ごしたときのつぶやきの書き残し

(2025年1月23日の日記から)


仕事で街へ出ていたので、新宿の紀伊國屋書店へ寄った。たまにはそういうこともしてみようと思って、発売されたばかりの芥川賞受賞2作品を買ってみた。『ゲーテはすべてを言った』って、いい題名だよなあ。

よく、現代人はどんどん本を読まなくなっているとか、読む人も電子書籍が中心になっていると聞くけれど、ここにはこんなに人がたくさんいて、めいめいに棚をなぞってジグザグに動いている。もし毎日本屋ばかりに通っていたら、人はみんな本が好きなんだと感じるのかもしれない。

結局、世間や社会というものの見え方なんて、それぞれの目に入る範囲で観測する回数の多い要素の集合でしかないのだろう。

2冊の本にブックカバーをつけてもらうことは遠慮し、手提げでない無料の紙袋に包んでもらった。昔は一枚の紙を本に着せていく店員さんの手元を見るのが好きだった。でも、どうせすぐ外してしまうのだから、いつからか断るようになった。

書店をあとにして、突発的に映画を観ようと決めた。Webで席を取りつつkino cinema新宿へ向かう。上映まで1時間ほどあったから喫茶店へでも行こうかと思ったけれど、あちこちいくのがなんだか忙しなく感じたのでロビーで待つことにした。

せっかく会員料金の1,000円でチケットを購入したのに、COEDOの350ml缶(600円)買ってしまった。腰掛けたベンチからすぐそこに入口のあるシアター内では、サカナクションの映画がかかっているらしい。まあまあ漏れているその音楽を聴きながら、ビールを飲んだ。

いつか下北沢のバー(適当に入ったらDJイベントの日だった)で、知らないドイツ人がいきなりCOEDOを奢ってくれたことを思い出した。「This is the most delicious beer in Japan」と言ってサムアップしていた。

映画館の受付には数分おきにお客さんが来て、チケットを買ったり席の相談をしたりしている。どの人も口調や態度が穏やかだから、なんだか聞いていて楽しかった。店員さんも、程よく感情を乗せた丁寧な対応をしていてすてきだった。

それから、暇だったので、無駄なことを考えた。

案外すぐに開場の時間が来た。言葉のことを考えるのは楽しい。

『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』を観た。この劇場は客席に傾斜がないから、前の方に座るようにしている。おかげで、知らない人の後頭部を見続けずに済んだ。

終演すぐは電車の帰宅ラッシュにぶつかりそうだったので、サイゼリヤに行った。

たくさん並んでいると思ったら一組の大勢だった。彼らを受け入れるには小さすぎる席に、ぼくは待たずに案内された。狭い通路を譲りあいながら交互に通っていくのは田舎の対向車みたいだと思った。ビールのジョッキが軽くて驚いた。

間違い探しを、しそこねてしまった。

▼ 映画の感想

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