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ありきたりな日常を手放し、別の世界に身を委ねることで、

ブライアンイーノ展に行ってまいりました。
久々の京都、満喫しました。

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BRIAN ENO AMBIENT KYOTO
「ありきたりな日常を手放し、別の世界に身を委ねることで、自分の想像力を自由に発揮することができるのです」━ ブライアン・イーノ
2022年6月3日−9月3日
京都中央信用金庫 旧厚生センター
ヴィジュアル・アートに革命を
もたらしたブライアン・イーノによる
音と光のインスタレーション展

ブライアンイーノを知ったのは京都で学生をしているときでした。アンビエント・ミュージックの創始者ブライアンイーノを知ったことで、それまでヘッドホンで対峙するように聴いていた自分自身の音楽を聴くっていう行為がガラッと変わった気がします。空間の中に音を配置して楽しめるような、音の中に空間を感じられるようになったような。聴く行為が拡張した感じでしょうか。(いや、誰への問いかけ‥)

アンビエント・ミュージックの創始者
興味深く聞くことも、聞き流すことも、無視することもできるという、あらゆる聞き方を受容する「アンビエント・ミュージック」。それは発想の転換であり、20世紀の音楽文化におけるもっとも重要な革命のひとつ

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今回のブライアンイーノのインスタレーションもまた特別な体験になりました。

ひとつひとつの作品に対して、思いもあるのですが‥

「ありきたりな日常を手放し、別の世界に身を委ねることで、自分の想像力を自由に発揮することができるのです」━ ブライアン・イーノ

もうこのブライアンイーノの言葉に尽きるなぁというのが最大の感想です。

その世界に身を委ねること。

これがいかに今難しくなっているか。自分にとって反省といいますか、忘れかけていた感覚だなぁと思いました。

常に絶え間なく求めてしまう情報。
すぐに切り替えてしまう映像や音楽。

こんなふうに感想を書くことを念頭にして、作品に触れたらすぐに脳内ではじまってしまう思考、批評、評価。それらしい結論を言語化したら満足してしまうこと。

その空間と時間にただ身を委ねるのは、そういう脳内の欲求や意味づけから離れて、もう少し自分自身の身体的な感覚を広げてみることなのかもしれません。(し、全然違うかもしれません。)

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身を委ねることが鑑賞の大きなテーマの一つになりましたが、もう一つ感じたテーマは「変化」について。

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Light Boxes (写真:https://ambientkyoto.comより)

どの作品も、音と光、映像が常に変化をしていきます。

音と光がシンクロしながら途絶えることなく変化し続ける。
イーノのインスタレーション展はその空間のその時にしか体験できないアートであり観客の誰もが違う体験をすることができる参加型の音と光による空間芸術。

じっと見つめていると変化していることは認識しているのだけれど、何がどこが変化したかと言われるとはっきりと答えられないそんな自分の知覚の曖昧さ。

ふと目を逸らしたら、次はもうすっかりと変わってしまっていて驚く。自分が見ている世界もこんな風に気づかないうちに大きく変わっているのかもしれないという感慨。

「川のほとりに座っているような、絶え間ない変化と同時に不変の体験をしたかったのです」 by ブライアン・イーノ

(‥ブライアンイーノの言葉かっこいいな。)

身を委ねるからこそ気づける小さな変化。尊い‥。
味わい深い展覧会でした。

そのあと京都のお寺を拝観してまわったのですが、ブライアンイーノの仰る

ありきたりな日常を手放し、別の世界に身を委ねる
川のほとりに座っているような、絶え間ない変化と同時に不変の体験

の気持ちで京都のお寺や石庭を鑑賞すると、時間の流れがゆったりとして、特別な味わいがありました。京都の夏、いい。

またゆるゆると綴ってまいります。

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お読みいただきありがとうございました。





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