島の漁師、山本さんにお世話になってきました【島民インタビュー】
みなさんこんにちは!
海士町ふるさと納税担当の松田です。
実は現在海士町ふるさと納税は、島の産品の動画づくりに挑戦しております。
「イカ」「牡蠣」「隠岐牛」の3つの海士を代表する産品に絞って動画を作っており、今回から3回に分けて動画撮影のレポートをお送り致します。
今回のイカ釣りの撮影は、知々井地区の漁師さん、山本さんにご協力いただきました。
撮影の合間には山本さんから、漁師として生きること、海士の漁師として選択したことを伺いました。
海士町で漁師となり20年以上のキャリアを持つ山本さんは、CASの設立にも関わり、海士町の様々な転換点にも深く関わっている方です。
まずは、山本さんとお話しした所感をお伝えします。
漢気がすごい。
ものすごい。
本当にかっこ良く、気持ちのいい人で、
・自分の意志を貫き通した生き方をする
・言ったことや、昔の約束も守り通す
・自分だけではなく、周りの未来も見据える
そんな生き方をしている方でした。
今回は、撮影の合間に山本さんと話したことを記事として載せております。
※通常船に乗せてもらう撮影は、油代もかかり、漁師さんも自分の漁に集中できないため、本当なら中々乗せてもらえないんです。
今回撮影をお願いした際大変快く承諾してくださり、船にも載せていただきました。
漁師の1日
漁師の1日は漁から帰ってくるところから始まります。
前日から夜通し行うイカ漁。
漁火の元で一晩中漁を行い、イカを釣りあげます。
朝方、空が白んでくる頃に漁師さんは陸に戻ってきます。
釣ったイカや魚を仲介業者の漁協に卸して家に帰宅。
夜通しの漁の疲れをいやすため、朝になって初めて就寝します。
少し寝たのちに、船のメンテナンス等を行い、夕方前にまた漁場に出ます。
そして、また次の日の朝に戻る形になります。
聞く限りかなりハードなサイクルですが、それでも魚を届けるため何十年と腕を磨き続けるのです。
コロナ禍で
漁師さんの収入は、漁から戻り卸しに魚を卸す際に発生します。
その日どの種類の海産物がどれだけ獲れたかが、収入に直結します。
かなり、シビアな世界での戦いになります。
コロナ禍で様々な飲食店で営業を自粛する中で、卸先や中間業者も卸先が少なくなり、結果単価が少しづつ下がってきているとのことでした。
そんな状況でも、山本さんの話から海士に対する熱と思いを伺うことができました。
卸先は今も昔も変えない
卸先は、実は島だけとは限らないらしいのです。広島や大阪、東京に卸せば、もちろん卸単価は上がるし、コロナで単価は下がってきても卸先を変えるという選択が残っているらしいのです。
しかし、山本さんはあえて島の中に卸すという選択を取っています。
その背景として、島にはCAS工場という最新の冷凍設備を備えた工場があります。10年以上前に、漁師さんの新たな卸先として、島で採れる海産物をより高い鮮度で本土に届けるために設立されました。
山本さんは、その設立にかかわるメンバーの中に入っており、深くCASとは関わってきていたのです。
自ら東京に営業に行くなど、その発展のために尽力をし続けていました。
その中で、山本さんは「これから何があってもCASに卸し続ける」と発言し、それを今でも貫いています。
十数年以上前の発言を、今でも守り続けているのです。
「そりゃあもちろん、広島とかに卸したほうが実入りがいいし、そういう選択肢もある。だけど、俺はあくまでCASに卸す。何年経とうと言ってしまったものは引き下がれないし、守りたい。それにCASもイカが入らないと大変だからね。損な生き方かもしれないけど、俺は言ったことはやり通す。」
そう、仰っていました。
貫き通すに至るには、様々な人間関係や立場として貫くところもあるかもしれません。
ただ、ここまで有言実行し続ける姿は、男らしさの鏡だと私は感じました。
自分のブランドへ
山本さんは、自ら釣った魚にはタグを打っています。
自分の魚がどこに行っても、どこで売られても、自分の釣った魚だと証明するためなのだそうです。
ぜひ、「神」の文字が入れられているタグを見つけたら、海士の漁師山本さんの釣った魚ですので、よろしければこの記事を思い出してください。
※タグのピン写真を撮っておりませんでした…
山本さんの挑戦
山本さんはこれから様々なチャレンジを行うとのことです。
今のところ大きく2つあります。
1つ目は、海中ドローンの撮影。
今山本さんは船で沖に出ながら海中ドローンでの撮影も行っています。
なかなか貴重な魚の撮影や、漁をより効率よく行うための実験などを行っております。
海の中でのイカの動きや、沖合の魚の動きは感動するそうです。
なんとかこれを海士のフェリー乗り場で流してもらいたいと動いているとのことです。
ぜひ、船着き場の映像を管理されている方、山本さんの海中ドローン撮影の動画も流してあげてください。
2つ目としては、カワハギ漁への挑戦です。
実は、年々海温や潮の関係で魚の種類や大きさが変わってきているそうです。
そこで、家庭向けで、かつ美味しく食べれる魚として、カワハギの漁にも挑戦しようと話しておりました。
イカだけでなく、カワハギを新たな島の逸品として出せるか。
これから山本さんの挑戦が始まっていきます。