声出し
バッティング練習で守っている選手、試合中にベンチにいる選手、試合中守っている選手が「さーこーい」「さーいこーぜー」「さーいきましょー」など声をかけているのをよく見ると思います。そして、声がなくなって、静かになってくると、監督、コーチ、先輩から、「声出せよ」「声出てないぞ」など言われて、またみんなで「さーこーい」と声出して、しばらくするとまた静かになって、監督、コーチ、先輩から・・・この繰り返しを見たり、経験したことがあると思います。この声って必要あると思いますか?
選手一人ひとりが自主的に心から思って、「さーこーい」とか声を出すのなら良いですが、明らかに前に述べたことは言わされていると思います。試合に負けた敗因が声が出ていなかったとなるときもあります。声が出てたから、打てた、抑えられたら苦労はしません。応援されたり、盛り上がったりして、気持ちが強気になったり、普段以上の力がでて、打てたり抑えられることは一時的にはあると思います。でも、常にそういうことはないでしょう。まずは実力があってのことです。
監督、コーチが敗因に声が出てないからといったら、これは大変なことです。自分の責任を認めず、なすりつけているようなものです。じゃー次の試合声を出せば勝てるのかという話になってきます。声が出てる、出てないの前に、どうやればもっと打てるか、早く投げれるかなどを教えることが先でしょう。もちろん、声が出てる出てないだけを問題にする指導者は少ないと思います。しかし、声が出てる出てないことをやたら気にする指導者は、あまり指導力があるとはいいがたいような気がします。
それと、試合中、練習中に声が出てなく静かだと、「声出せ」と言われますが、選手たちは声出すことに気を取られたり、「声出せ」と怒鳴られたりするのに怯えて、本当の野球に集中できない弊害があります。このバッターは引っ張るなとか、次走ってくるぞとか、次ゲッツーだなとか、野球には次のこと、今の状況を想像したり、分析したりすることがたくさんあります。これらのことに集中していたら、声なんて出している暇はありません。「声をだせ」というと、自ら自分のチームを負けにする可能性を増やすだけです。
一番大事なことは、本来の野球に集中することです。チームメイトとの連携の声、チームメイトの励ましの声、チームメイトへのアドバイスなど、本来の野球に関することの声は大事です。このような声は野球に集中していれば、自然と出ます。これが選手一人ひとりの心からの自主的な声です。これが大事です。