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性同一性障害(GID)治療が抱える課題を知ってほしい【雨声シト】

こんばんは。雨声シトです。
今回は性同一性障害の治療について、知ってもらいたいために記事を書いています。

【動画で見たい人はこちらから👇】


どうして今回「性同一性障害」について取り扱うのかというと、
このようなお便りが届いたからです。(画像参照)

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ちなみに、このマシュマロを読んで「自由診療」「混合診療」って何?
と思われた方もいらっしゃると思います。
そこでまずはGID治療が何なのかどのような課題があるのかを詳しく見ていきましょう。
※当の私はGID治療について専門的な知識を持っているわけではないのですが、医療制度・薬のとらえ方において薬学を学んできた視点からお話しております。
なるべく読み手が不快になるような表現は控えたいのですが、
今回解説する上で性同一性障害を病気として扱って、
「治療」という表現をしております。
これは解説上やむを得ないと判断したためなのですが、その表現が不快だと思われる方はここで引き返すことをおすすめします。

GID(性同一性障害)治療とは

まずは、GID治療ですね。
GIDっていうのは性同一性障害のことです。
なので、性同一性障害の治療ってことですね。
トランスジェンダーと性同一性障害の違いについては、
私の専門外なので各々調べてください。(急な丸投げ)

それで、GID治療は大まかに分けると
精神的なサポートと身体の治療があります。
この身体の治療の中にホルモン療法や性別適合手術が含まれます。

絶対受けなきゃいけないって訳でもないし、
どれを選ぶかは個人の自由なんですけど、
お便り主さんが言っているように適合手術を受ける場合は、
その前にホルモン治療を受けるのがほとんどみたいですね。
大体想像がつくと思うんですけど、
ホルモン療法では、ホルモン剤を投与します。
例えば身体の性を女性に変える場合は、女性ホルモンを投与するってことですね。
ちなみに現在、日本で処方されている女性ホルモン剤は
不妊治療・月経困難症の治療として使われていることがほとんどです。

ここで覚えてほしいのが、
このホルモン療法は現在、保険適用外です。
これが自由診療って言われていますね。
保険が適用されないので、治療費は全て自己負担になります。

では次、適合手術ですね。
これも大体想像の通りなんですけど、
身体の性の特徴を切除もしくは形成する手術のことですね。
この適合手術に関しては、平成30年度の診療報酬改定の時に
保険適用になりました。

それでは、ここで問題です。
性同一性障害の方が
ホルモン療法(自費)と適合手術(保険適用)の両方を
受けたいと思った場合
自己負担はどのように変わるのでしょうか


答えは、全て自己負担になります。

混合診療が原則禁止となる理由

今回のように
保険適用外の自由診療と
保険適用内の保険診療を組み合わせることを
混合診療って言うんですけど、
これは原則として禁止なんですね。
なので、その治療法を行う場合は
全部自由診療にしてね
という考え方です。
例外はあるんですけど、
今回は関係なので省略しますね。

それで何故、そんなことをするのかというと
2つ理由がありまして、

1つ目は混合診療を認めると
本当は保険診療でおさまるの患者さんに
保険適用外の負担を求める恐れがある
こと。

2つ目は混合診療を認めることで
保険適用外の治療が多く実施される
保険適用外のものは比較的
安全性や有効性が確認されておらず
エビデンス不足の医療を助長する恐れがある
こと。

この2つの理由から、混合診療は認められていません。

なので性同一性障害治療が混合診療になる理由を
簡潔に言ってしまうと、
ホルモン剤が保険適用として認められていないから。
これが主な原因だと思います。
じゃあ、ホルモン剤が保険適用になればいいんですけど…
まだ正直厳しいというか、難しいんじゃないかなと思っています。

どうしてホルモン剤が保険適用にならないのか?

理由として、まずGID治療のホルモン療法のための
ホルモン剤が新薬として出るって言うのは
費用と手間に対する見返りが釣り合わないイメージがありますね。
見返りってのは、売り上げですね。
すごく残酷なことを言ってしまうと、製薬会社は生き残ることが大事なので
そうだろうな、という感じですね。

それに、万が一新薬として出したとしても、
売り上げのことを考えると薬価が高くなると思います。
となると、既存のホルモン剤の適用拡大の方が
より現実的になるんですけど…

じゃあ今、適用拡大するだけのデータが
そろっているのかな?
と思いました。

まずホルモン剤といっても、実際のお薬はいろんな種類があるんですね。
それで注射で投与する場合もあれば内服で投与する場合もあるそうです。
実際のホルモン値を測って、量を変えているクリニックも結構ありましたね。
本当は条件を統一して、データ集めが出来ればいいんですけど。
それがどこまで出来ているのかも良く分からなかったです。

個人の気持ちとしては、保険適用になってほしいとは思っています。
ただ、やるならちゃんとデータを集めてから
ある程度の安全性を確保してほしいなと思いました。
私はGID治療におけるホルモン療法・適合手術を
否定するつもりはありませんが、
きちんと臨床試験をすることで減らせるリスクはあると思いますので、
その段階は踏んでほしいと思っています。

今回のお便りを受けて、色々と考えることが出来ました。
お便りをくださった方へはこの場を借りて感謝いたします。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。

(参考にした資料)
・平成30年度診療報酬改定について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411.html
・保険診療と保険外診療の併用について
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/heiyou.html
・性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン(第 4版)

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