【創作童話】 お菓子屋のポポロ
「いいにおいがするなぁ‥‥‥」
犬のポポロは、おなかがすいてたまりませんでした。
1ヶ月前まではご主人にかわいがられていたのに、とつぜん、団地にひっこしがきまったといって、ポポロをおいて、出ていってしまったのです。
ご主人の家にいたころは、奥さんが毎日のように、ふわふわの白いからだにブラシをかけてくれました。
でも、今ではすっかりよごれています。
食べものだって、自分でさがさなくてはいけません。
けれどもポポロは、どうやって見つけたらいいかわかりませんでした。ごはんという