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【映画館離れって実際どうなの?】昨年話題になった映画から紐解く大学生の映画の見方!!

全国500名の大学生と一緒に「エンタメ×若年層」事業をつくるAmaductioNが独自に調べた、学生へのアンケートをもとにした調査レポートを記事にしていきます。
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今回は、AmaductioNの大学生コミュニティを対象にアンケートを実施しました。
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回答期間:6月11日〜17日
回答数 :140件(男性29件/女性111件)
対象者 :全国の大学生、大学院生

記事_冒頭

こんにちは。
AmaductioN大学生総研ライターの たいち です。

近年、大学生の映画館離れの話題をしばしば耳にします。
Netflixをはじめとして、家でも映画を楽しむことができる動画配信サービスがますます拡大していることが要因のようです。

大学生の映画への触れ方の変化は、こちらの記事をご覧ください。

しかし、昨年も日本では多くの映画が話題になり、映画館に足を運んだ大学生は多かったように感じます。
TwitterやInstagramで、映画館に行ったことや映画の感想を発信しているのをよく見かけました。

僕も昨年は映画館に何度か足を運びましたが、周りには大学生もよく見かけたように感じました。

今回は、映画鑑賞の実態、また昨年話題になった映画を取り上げ、そこから大学生のリアルな声を紹介します。

75%の大学生が、実際に映画館を訪れていた!

まずは全国の大学生に、最後に映画館に行ったのはいつ頃かを聞きました。
結果を早速見てみましょう。

スライド3

グラフからもわかるように、
2020年に見に行った人が約33%、2019年に見に行った人が約52%、
合計75%近い大学生が、最近映画館に足を運んでいることがわかりました。
Netflixをはじめとする動画配信サービスが拡大しながらも、映画館を訪れる大学生はまだまだ多いようです。

続いて、映画館で鑑賞した作品を聞きました。
結果はどのようになったのでしょうか?

スライド1

AV&ホームシアターニュースによると、
2019年の全国の映画館の入場者数は、1億9,491万人、興行収入は2,611億8,000万円と、いずれも過去最高を大きく更新しています。

昨年は、例年と比較しても話題になった作品多く、映画館に足を運んだ人は多かったようです。

ではここからは、調査でランキング上位だった映画について、大学生のリアルな声を紹介します。

【2019年、国内映画興行収入でNo.1】 天気の子

記事_天気の子

画像出典元:「天気の子」公式ホームページ

『君の名は。』で大ヒットを記録した、新海誠の3年ぶりの作品です。

数字で見る「天気の子」

・公開3日間の興行収入は16億4380万9400円(前作の『君の名は。』対比128.6%を記録)。
・週末の全国映画動員ランキングで3週連続で1位
・ 2019年の映画興行収入で本作が邦画・洋画通じてトップ
・『君の名は。』の公開規模を上回る140の国と地域で公開

参考:ウィキペディア

なぜ映画館で鑑賞したのか、他の映画とは何が違う?

大学3年の男性は、
「近年、青春モノのアニメーションが話題になっているので、話題に乗り遅れないように、いち早く1人で映画館を訪れた。

主人公が自分のやりたいことに向かってまっしぐらに向かっていく姿に惹かれた。主人公がヒロインに思いを寄せながらも、運命がそれを遠ざけるというストーリーに、やりたいと思ったことをやり遂げるのが難しい現代社会に通ずるところがあるように思われた。

そんな中、やりたいことに向けてまっすぐ努力し続ける人は輝いて見える。
作中の主人公がヒロインを救い出すために励む姿は大学生も刺激を受けるのではないか。」
と教えてくれました。

他にも
・前作の『君の名は。』、新海監督のファンなので早く見たくて映画館を訪れた。
テレビでCMが何度も流れていて、綺麗な映像に惹かれたので映画館で鑑賞した。
などの理由で映画館に足を運んだ大学生がいました。

【大ヒット作品の続編】 アナと雪の女王2

記事_アナゆき

画像出典元:https://www.disney.co.jp/movie/anayuki2.html

第86回アカデミー賞で歌曲賞、長編アニメ映画賞を受賞した「アナと雪の女王」の続編です。

数字で見る「アナと雪の女王2」

・日本では、初週末で観客動員数121万1000人、興行収入16億1600万円(全作比211.7%)を記録、ランキングで初登場首位。
・2週目での累計観客動員数は338万人、興行収入は43億円を突破。公開から10日間での40億円突破はディズニーとピクサー作品の中で最速。
・ 2020年3月までに日本での興行収入は133億6000万円、観客動員数1460万人を記録。

参考:ウィキペディア

なぜ映画館で鑑賞したのか、他の映画とは何が違う?

大学2年の女性は
「前作が大ヒットしたこともあり、公開前からSNSでかなり話題になっていたので、友人と映画館を訪れた。

まず、登場する個性的なキャラクターも美しい世界観が魅力的。
特に登場人物のアナ、エルサは大学生と同じくらいの年齢なので、彼女たちの生き方や考え方が参考になるところがあると思う。
これから社会に出ていく大学生が、社会の中で自分の立ち位置を見つけたり、運命や進路が1つのテーマになっていると感じた。

また、アナと雪の女王2では、生きづらさを変化によって乗り越える姿が描かれている。
誰にとっても変化は怖いものだと思うが、この作品ではアナやエルサをはじめとするキャラクターたちが未知の世界に飛び込んでいく。
まだ知らない未知の世界に挑戦し、自分も知らなかった力に気づいたり、最後までやり抜く力を発揮するなど成長をしていく。

大学生は特に、ストーリーやキャラクターを通じて、自身の考え方や生き方を見つめ直す機会になるのではないか?
と話してくれました。

他にも、
中学生の時に前作の『アナと雪の女王』を見て感動した記憶があったので、今回も映画館に足を運んだ。
・映画の告知が「エルサがなぜ魔法の力を持っているのか?」という前作からの疑問を解消している謳い文句で気になったので映画館で見た。
などの理由で映画館に足を運んだ大学生がいました。

【パルムドールを受賞!!】 パラサイト 半地下の家族

記事_パラサイト

画像出典元:https://www.video.unext.jp/title/SID0049047

世界がその才能を絶賛する若き巨匠ポン・ジュノ監督と、名優ソン・ガンホによる100%予測できない展開が話題の映画です。

数字で見る「パラサイト 半地下の家族」

・第72回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞。
・2019年度のアカデミー賞では作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、美術賞、国際長編映画賞と6部門にノミネート。
・日本での興行収入は45億円を突破。累計動員で329万人を記録。

参考:https://kai-you.net/article/71708
   https://www.cinematoday.jp/news/N0115064

なぜ映画館で鑑賞したのか、他の映画とは何が違う?

大学1年の男性は
SNSで友人が映画館に見に行ったことを発信していたのを見かけ、気になったので自分も映画館に足を運んだ。

まず、意外と怖くなかった。映画のポスターやあらすじ、雰囲気やタイトルは、一見ホラー映画のような印象を受けるが、実は笑いを誘うシーンも多い。楽しく見ることができる。
次に、特に韓国映画ではよくあることだが、パラサイトでも韓国の社会的な問題、特に貧富の差が取り上げられている。韓国は、日本と比較すると学歴や貧富の差が生活に与える影響が大きく、その様子が作品の中で強調されて描かれているので、新鮮だった。
大学生は、自身の生活や周りの人々の生活と比較しながら「パラサイト」を見ることで、改めて日本社会や自身の生活を見直す機会になるのではないかと思う。」
と教えてくれました。

他にも、
・パルムドールをはじめ、非常に多くの賞を獲得していたので、早く見たいと思い、映画館を訪れた。
・日常生活でグルメやコスメなど韓国の文化に触れる機会が増えている。韓国の映画ということで気になって映画館で鑑賞した。
などの理由で映画館に足を運んだ大学生がいました。

映画で自身の人生を考え直す!?

いかがだったでしょうか?

今回、ランキング上位の映画に対する大学生目線の感想をヒアリングしたところ、上位の映画ほど
自身の生き方、考え方を考え直す
社会問題を見つめ直す
きっかけになるという感想が多かったです。
大学生は映画を鑑賞し、それをもとに自身の人生に活かしていることがわかりました。

見てないとSNSで仲間ハズレに!?

友人とのコミュニケーションのために、映画館を訪れて、いち早く映画を見るようにしているという声もありました。

映画の感想を友人グループで話題にした際、見ていないと話題についていけなくなるため、話題になった映画は見ておく必要があるという大学生が多いようです。
また、自分はまだ見ていない映画の感想を友人同士がTwitterやInstagramなどのSNSでシェアし合っているの見かけると、仲間外れにされているような感情を抱く大学生もいるようです。

Netflixなど動画配信サービスが充実しつつも、このような理由から映画館を訪れる大学生は依然として一定数いることがわかりました。

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今回の調査結果は以上となります。結果をご覧になっていかがだったでしょうか?
この記事がいまの若年層を理解する上で一助になれば幸いです。
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【担当ライター】
たいち
明治大学3年生。秋田県出身で、最近のマイブームは『キングダム』とスケートボード。
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