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ショートショート『名付け親になってくれる葉書』

「2102年、新たな名付け制度が始動」のニュースです。

本日、政府は「名付け申請制度」の施行を正式に発表しました。

この制度は、近年問題視されていた「いにしえネーム」や「語呂合わせネーム」の増加を受け、子どもたちが生涯にわたって適切な名前を持てるようにすることを目的としています。

制度の背景には、2034年に東都大学文化人類学部が発表した調査結果があります。
研究によると、一般的な名前を持つ子どもの30年後の平均年収は、奇抜な名前を持つ子どもよりも約250万円高いことが判明。
この結果を受け、国内の複数の研究機関も追跡調査を実施し、同様の傾向が報告されました。

こうしたデータをもとに、中村寿限無寿限無首相率いる中村内閣は、大幅な戸籍法改正を決定。
本日より、すべての新生児の名付けが「名づけ人」による承認制となりました。

この制度では、妊娠6か月を迎えた親が名付け申請を行うと、自治体が郵便局と連携し、無作為に選ばれた「名づけ人」へ往復はがきを送付。
親が希望を込めたメッセージを往信はがきに記入し、それを読んだ名づけ人が返信はがきに名前を記入してポストに投函する。これが新たな名付けのプロセスです。

なお、出生届の提出には、この返信はがきが必須となるため、申請はお早めに、とのことです。

また、名づけ人になるには1日研修を受け、自治体へ登録する必要があります。
名づけ人養成研修は無料で、各自治体の広報などをご確認のうえ、お申し込みください。

政府は「子どもたちの未来のために、より良い名付け文化を築きたい」とコメントしています。

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