【最も感動した】皆既日食2009杭州駅前【自然の神秘】感激!鳥肌
世界的疫病禍で旅に出ることができず、過去の旅をいろいろと振り返ってみて、一番感動した出来事は、中国杭州での皆既日食だったと結論が出た。
50数年の国内外100カ国の旅の中で、素晴らしい風景、不思議な出来事、奇跡的な出会い、素敵な人々、珍しい事象、美味しいもの、等々、いろいろと感動することがあった。
必ずしも良いことばかりでなく、身の危険や経済的損失につながる事件なども含めて、旅での出来事は、感動する、後々までも強く印象に残るものが多くあり、不思議なことが身に降り注いでくるかのようでもあった。
そんな中で、現時点で、最も感動を覚えた出来事が、杭州駅前で皆既日食を体験できたことである。
他にも数え切れない感動的体験、旅での出来事はあったが、現時点では、そういうことにしておこうと思う。
2009年、当時、私は、中国上海にいた。
7月になると上海は蒸し暑かった。
上海の街中では、色付きプラスチックメガネなど、皆既日食観察グッズが路上販売されていた。自宅に戻り、PCで情報を調べると、数日後に、世界各地で皆既日食が観測できるとなっていた。
日本でも、海のどこか洋上に出れば、観測できるとのことで、飛行機や船の観測ツアーが組まれ、何十年に一度と大騒ぎしたようである。
当初、私は、それほど関心がなかったが、ネット上の大騒ぎ情報や上海中心街での観察グッズの山を見て、だんだんと、一生に一回かもしれない体験をしてみたいと思うようになった。
しかも、日本の本州では見ることができないのに、今たまたまいる上海では、皆既日食が通り過ぎるルートにあるということで、これは、絶対見ようと思い、当日が楽しみになっていた。
前日の夜。天気予報を見ると、上海は、曇り時々晴れのようで、皆既日食観測確率がかなり下がってしまった。晴れることを祈った。
朝、まだ暗い内に目が覚め、外を見るが、天候はわからない。晴れなのか、曇りなのか、雨は降っていなかった。
ネットで天気予報を調べた。上海は、雲が多い予報だった。皆既日食の確率はかなり低くなった。隣の杭州の天気予報は、上海よりも曇りの確率が低く、杭州の方が、皆既日食体験確率が高いのではと直感的に思った。
カメラと前日に上海中心街の路上で買った安いプラスチック下敷きのようなモノを持って、中国版新幹線が出ている鉄道駅まで向かった。
切符が取れるのか、自分と同じように急遽杭州へ向かう人が多くて満席売り切れになっていないかなど心配したが、新幹線和諧号に乗ることができた。
あっけなく切符は買えたが、今考えると、これも小さな奇跡かとも思う。
なぜなら、今では、中国高速鉄道網が、中国全土に張り巡らされていて、和諧号で高速鉄道移動ができるのだが、2009年当時は、まだ発展途上で、上海市内の新幹線発車駅も新しくできたり、鉄道事情がいろいろと変更になるなど、特に、外国人旅行者にとっては、不安要素が多くあったからだ。
2009年7月22日9時過ぎ、やっと杭州駅から出て、駅前へ
残念ながらこの時の杭州駅前は、曇っていた。
すでに日食は始まっているようだった。駅前の歩道などスペースには、人が多く集まり、空を見上げていた。
しかし、杭州駅前の上空は、雲に覆われて、太陽は見えなかった。
せっかく、上海から新幹線に飛び乗って急いで来たのに、天候は上海と同じで、皆既日食には出会うことができないのだろうか。心配になった。
2009年7月22日杭州駅前9時30分前
少し諦めかけていた、その時、
雲に覆われていた杭州駅上空には、少し、太陽の光が現れた。
雲の隙間から三日月状の太陽。月ではなく、太陽が欠けていて三日月になっている。なんだかややこしい。三日太陽か。基本的に、太陽は月のように満ち欠けがないから、そのような表現がないのだろう。
今、この時は、日食で、太陽が欠けている。皆既日食に向かって小さくなっている。不思議な光景だ。今まで、雲で見えなかったのが、スーッと一部分の雲が晴れて、その隙間から、三日月状の太陽が見えてきたので、より不思議な感覚だった。「お、お~」と思った。
杭州駅前のギャラリーからも歓声にも似た感動の声が上がっていた。
そして、さらに雲の切れ間は広がり、10分間ほどは、皆既日食に向かって太陽がどんどんと小さくなり、それに伴い、杭州駅前が暗くなっていった。
数分間で曇りから晴れ間になり、昼から夕方、そして、皆既日食の時には、
完全な夜になった。10分ほどの間の出来事である。
暗くなる直前には、気温も2,3度下がったように感じた。小さな突風もあった。皆既日食完成の時には、ダイヤモンドリングも発生し、歓声があがった。信じられないような光景があった。
杭州駅前の昼間の曇りから10数分間だけ急に晴れ、夕方になり、夜になり、駅前通りをヘッドライトをつけたバスが通るすぐ脇の歩道で、多くのギャラリーが大自然の神秘的体験を共有した光景が感動的だった。鳥肌が立った。不思議な情景だった。旅の醍醐味だった。
デジカメで静止写真と動画を交互に撮った。
ダイヤモンドリングの瞬間は巧く撮れなかったし、静止画もブレまくっていたが、皆既日食が完成する前後と杭州駅前の歓声が入った動画は感動的に撮れていた。
2009年7月22日 皆既日食 杭州駅前神秘的旅
早朝に上海の自宅を出て、上海駅か上海南駅だったか、今では記憶がはっきりしないが、新幹線和諧号の当日券が買えて、杭州駅まで行くことができ、
9時過ぎに杭州駅前に出た時には、上海と同じ曇り空だったのが、皆既日食の10数分間だけ晴れ間があり、駅前の大勢の人と大自然の神秘体験を共有できたことは、感動といいう一言では表せない、旅の奇跡だったと思う。
皆既日食自体が、素晴らし神秘的自然現象だったが、それを大きな街の大きな駅の前で、急速に昼から夜になった街の風景の中にいたことが、さらに、感動を増したと思う。いろいろな条件・状況がない混ぜになった大都会での神秘体験だった。
旅には不思議な出会いが多い。だから、旅はやめられない。
【2009年7月杭州駅前大自然の神秘的体験皆既日食 追記】
静止画は残念ながらブレが多く、感動のためブレたとごまかすのですが、
動画は、感動的な状況が撮れているようなので、また、改めて、ネット動画にでも公開できればと思います。
さらに蛇足、
最近では、様々な天体ショーがありますが、流星群とか月食とか部分日食とかに比べて、皆既日食は、本当に神秘的感動体験だと思います。