砂の城
今日は燃え尽きた灰のお話し、
束の間の淡い疑似恋愛を綴っていきます。
事の発端は、もう忘れましたが初春、冬が明けるかな?と思うくらいの頃。
その頃出会いました。
同じ年に生まれたということは、大人になるとかなり新鮮さを増すと言うのは本当でレア感が半端ないんですね。
(学校に行ってた時分は同い年が本当に嫌で仕方なかったのに、
人間誠に勝手なもんです。(笑)
そこからチラリチラリと顔を会わせる回数が増え、冗談も言い合う様になり、
自分の事も開示できるようになっていきました。
わがままも言ったり、にこにこ返してくれたり、
帰りが遅くなりそうな時、
『もう帰っちゃうの?』とツンツン聞いたと思うんですが
『どうして欲しいの』
って言われたときは不覚にも少し胸が高鳴りました(笑)
そして自宅まで送って貰ってドキドキ、嬉しい自身の気持ちにも気付いていました。
だけどその人には相手がいて一緒に住んでいる仲です、踏み込むのは傷付くだけだ、と思っていました。
ですが、『ねえねえ、聞いて』と言って何を送っても
『そうか』と言って聞いてくれる、
先日投稿したPVも
とっても良いから見てみて
と最初に言って
あれは泣いたわ
と送ってきてくれる、本当になんでも言えるお兄さんみたいな人。
そういった存在が居なかったし、甘えたい気持ちを出せることって滅多に無いのでどんどん入り込んでしまっていました。
気付いた時には、もうかなり依存してました。
それを可愛らしく伝えられず、
相手の気持ちを試すようにわざと不貞腐れて、
そんなこと言ってないよ、
そう言わせる様に仕向けてました。
めんどくさいにも程がありますね、素直に言えればいいのに。
数ヵ月の間にそこまでズブズブになってしまって。
1ヶ月に会うのは数回ですが、連絡はほぼ毎日取っていて良く付き合ってくれていたなと思います。
LINE、電話、どちらとも。
出張も多く、家事も主に彼が担っていて、現場に出る仕事なので疲れ果てている中、
私の事を構ってくれてました。
ほとほと愛想が尽きたんだろうと、今月の半ば過ぎに顕著に現れて来たのを実感しています。
今まで私が高圧的だったのが、形勢逆転、
こちらがあちらの機嫌を伺って媚を売るような対応になってました。
…この関係は、誰か幸せになるのかな。
と思う日々が続いていました。
やっつけで送られる文字を見て、
吐き捨てに近い言葉を聴いても、
もはやときめくものは何もありません。
お互いの時間を無駄に搾取してるだけですね。
眩しかった過去を反芻する事が多くなりました。
お昼にご飯を食べに行った事、
喫茶店で好きなもの食べて良いよって言ってくれたこと、
神社に行きたいと言って行った場所が、
彼の生まれ育った地元で饒舌に昔の話を話してくれたこと、
シャボン玉をしたいという要求に
『何にでも付き合うよ』と言ってくれたことも
『可愛い』と言われ慣れて無い言葉を何度も言ってくれたこと、
カラオケに行って『歌が上手い』と誉めてくれたことも、
水族館に連れて行ってくれたことも、
きちんと男の人と想いを通わせて
上記のようなことを行ったことがない私としては
どれも大切な忘れられない日々でした。
とても満たされていましたね、相手が私だけの事を考えてない事が分かってる人だとしても。
毎日他の人と過ごしているんだと思っても。
会いたいときに会えないとしても。
だけどもう、雑に、無下に、めんどくさそうに、
吊った魚に餌やらない典型のような振る舞いに、
いちいち感情を傾けることがバカみたいに思えてきました。
私の気持ちなんて、あっちからしたら取るに足らないものなんだろうなと。
数週間前迄あったものが消えたのを自分の中で納得できていなくて悲しくて、
どうしての堂々巡り
ですが、YouTubeでお坊さんがおっしゃっていた一言に目が覚めました。
燃えて残った灰はもう戻りません
その通りですね。
お線香には、姿形を戻しようがありません。
終わったものはきれいにさよならをして、
全うに扱ってくれる素敵な方と自分を引き合わせて上げようと思います。
数ヵ月の楽しみをありがとうございました。