夢と希望のあった一日(後編)

前回のあらすじ
ディズニーランド with 全知全能のDオタである幼馴染のS君。ミッキーに会ってパレードを観たい彼の意志とは裏腹に、筆者は絶叫マシンマシマシの超ミーハープランを進言するが・・・。

夢の終わり

それから、僕たちはウエスタンランドとトゥモローランドを行ったり来たりした

風のように早く、振り子のようにとどまることなく。

途中S君は何度かミッキーに会いたがった。僕はそれを静かに制止した。ミーハーの僕は、キャラクターに会うよりも遥かに絶叫マシンでキャーキャー言いたかったし、面白い写真を撮ってインスタに上げたかった。

S君は何か言いたげだったが、ついに一言も不満をこぼすことはなかった。今日は僕のバイト退職、卒業、就職祝いだからと、快く僕のためにファストパスを取り続けてくれ、温かい紅茶を飲ませてくれ、ご飯も奢ってくれた。

S君めっちゃいい人だな

あれ、俺最低な奴じゃね?
すんごい友人の善意を利用している気がする・・・

もしかしたらこんな私の生き方に罰が当たったのかもしれない。あるいは、単純に僕の自己管理がいかれてるだけなのか・・・

これは何回めかの射的の列に並んでいた時のこと一通のラインが
「今日、例の日やで。今なにしとるん。」

そう、なんと今日は劇団四季の『パリのアメリカ人』を観に行く日だったのだ!!!チケット代10000円超!!!(そこかい)
驚くべきことに、日程を一か月間違えていたのだ。
なに、俺、ばっかじゃないの!

ディズニーリゾート、「何か」が起こる場所

思えば私は少し前からディズニーとの相性が悪かった。

過去二回iPhoneを落とし
1年の終わりに行ったシーの帰りに留年が確定
グリーティングではグーフィーと一触即発
初めてのディズニーデートでは彼女の浮気が発覚・・・
などなど、挙げればキリがない。

それに比べたら、今回の一件はなんと平和で楽しいことか。
夢の国を足早に去って、夢とロマンスあふれるミュージカルを観に行けるのだから!!
いやいや、S君に申し訳ないでしょ。何考えとんねん。

ちゃんと予定表を確認すべきだったなあ・・・
こんなことならミッキーに会いに行けばよかった・・・

最終的にS君には定年後1か月間のフロリダディズニー滞在をプレゼントするという契約を。
「俺は年パス持ってるし気にせんでええよ。楽しんできなさい。」
と天使のように送り出してくれたS君に合掌。

今度何かいいもん奢ろう・・・

『パリのアメリカ人』

奇跡の乗り継ぎが幸いし、かなりぎりぎりで間に合ったミュージカル。
僕は小4で『ライオンキング』を観て以来、ほぼ初めての劇団四季、ミュージカルだった。
席は前から二列目。鬼のようにいい席。

中身についてはほぼ触れません。

ジョージ・ガーシュウィンの同名の楽曲と何か関係あるのかしらんとか思ってたら、その曲が使われた映画をもとに作られた作品だった。ま、そらそうか。

初演が今年の1月20日。つまりかなり新しい演目ってことだね。

ガチガチのラブコメディー。
ラララララランド(ラいくつが正解だっけ?)みたいな感じ。

観るドラマといえば大河か朝ドラ、と決まっていた私は、
こういう物語にこれまであまり触れてこなかった。

だから弱すぎる共感中枢をもろにぶちぬかれて、笑ったり泣いたりが止まらなくて大変だった。

素敵なお話だったなあ~~~

劇団四季、また観に行こうかな。

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