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VR PHOTOGRAPHY EXHIBITIONで展示した個人作品の解説

こんにちは。AmaNekoです。

2024年8月21日(水)まで表参道のWONDER PHOTOSHOPにてFUJIFILM協賛のバーチャル写真展『VR PHOTO EXHIBITION』が開催されています

そこで僕も写真を展示させて頂いているのですが(バーチャルの中では)非常に特殊な作品でして、鑑賞方法がかなり難しいと製作者ながら思っているところです。
粋に見て楽しむこともできるのですが、僕が用意した明らかな”楽しみ方”があります。4枚が連続した1作品と気づいた方はもしかしたらいらっしゃるかもしれませんね!

なのでnoteで鑑賞方法や作品制作に至ったバックグラウンドを紹介していこうと思います!

※私個人的に行っている解説なので他のバーチャルフォトグラファーさんに「解説記事出して!」とお願いするのはご遠慮ください🙇‍♂️

兎にも角にもまず写真を見てもらいましょうか

しっかり見れましたか?歪み補正で強制的に正面に向けているので違和感が所々あると思いますがご容赦ください!(行ける方はぜひ現地で見て実物を見て頂けるとうれしいです!)

ここから解説に入っていきますので、その前に「なんかいいな~」とか「不思議だな~」とか、自分の中に生まれたことを感じてみるのをオススメします!

作品解説

僕の写真作品のテーマは「水から得られる感情のグラデーション」です。

水って本当に色んな所に存在していますよね。海、雪、雨、プール、鍋料理などなど、、、

その水から感じ取れる感情って色々あると思うんです。涼しい、冷たい、清々しい、寂しい、温かいなどなど。さらに水そのものだけでなく季節、天候、時間帯によって同じ水だとしても感じ取る感情って変化していくと思います(少なくとも僕なそんな気がしています)

その水から得られる感情を「ポジティブ~ネガティブ」にグラデーション化して写真に仕上げました。一般的に言う心象写真と呼ぶものですね!

被写体

ここで重要なのが「写真の主役は誰なのか?」という点になります。つまりこの写真では何を(誰を)撮影しているのか?ということです。

被写体というのは簡単に言うと『撮影の対象になるもの』です。モデル、風景、小物、花火などが当てはまります。

では、この写真では何を被写体にしているのでしょうか?

答えは『撮影者の感情』です。つまり、水があるワールドに足を運んで感じた僕の感情を撮影しています。

「被写体って写真に写った実体に限られるのでは?」と思っていた時期がありました。でも撮影者は作品には写らない存在ですが、作品を作るにあたって自分の感情というのは大なり小なり乗っかります。

メイン被写体であれ、サブであれ、それ未満であれ、感情は被写体になりえるのでは?

そう考えて僕の展示作品は普段隠れている撮影者の感情をあえてメインの被写体に選んで撮影した物になります!

1枚ごとの解説

最初の木の写真は『Fog Forest』というワールドで撮影しました

「森にfogがあるということは、時間帯的には朝露のある日の出前じゃないか?」と考えたのですが、そこから連想したのは「これからいい一日が始まりそう」とか「湿度が高くて冷たいけどワクワクする」みたいなポジティブな感情でした!

2枚目の写真は『Epilogue Sunset』で撮影した物です

ここのワールドは光の表現が本当にきれいなのですが、個人的に水中の表現に非常に感動しました。

日常でなかなか水中に潜ることもないのですが、小学生時代のプールの授業や家族と海に行った時のことを想像すると、海に心が包まれて落ち着くような気持ちがよみがえってきました…!

「これからわくわくする!」というほどのポジティブさはありませんが、落ち着いてリラックスできる感情が生まれたので、この写真を2枚目にしています。

3枚目の写真は『Waves』で撮影しました。

ここは比較的昔に作られたワールドですが、濡れた床のリフレクションがとてもキレイなのと、雲の描写が凄くリアリスティックで、今もとてもお気に入りのワールドです!

床がかなり塗れていたり分厚い雲があることから時系列的に大雨が降った後のような雰囲気があります。

ということは、ここにいる自分も雨に濡れていたのでは?

そんな濡れた自分と景色がありながら、少し光が差し込んでいる。ネガティブなチルさがありながらわずかな希望があるような、そんな感情になったのでこの写真を3枚目にしました。

4枚目は『This world will be deleted in 24 Hours․』というワールドで撮影しました

ここは「24時間誰も来なかったら消える」というコンセプトのワールドで、目の前ある赤いボタンを24時間誰も押さなかったら消えるワールドになっています。

1時間ごとにワールドの景色が変化したりその時間限りの新しいギミックが登場するワールドですが、世界的に有名なワールドということもありカウントが23:00を切ること自体珍しいです。

「じゃあ17:00切ってるのってヤバいのでは?」という意見があると思いますが、これは2023年10月頃に開催されたRaindance immersive 2023のイベントで、リセットボタンが壊れた専用ワールドで撮影した1枚になります(余談ですがラスト1時間切った写真も持っています)

24時間誰も来なかったら消えるというコンセプト上、時間が経つほどネガティブな方向に変化していきます。その中でも17:00を切った時間は、暗くて雨が強く降っている景色になっています。

VRChatを数年経験してきた中で、体の芯が冷えるような錯覚を覚えるほど冷たい水を感じたのは後にも先にもこのワールドを超えるものはなかったです。

という背景も含めてこの写真を一番ネガティブな写真として4枚目に選びました。

最後に

ここまで読んだうえ「撮影者の感情と鑑賞者の感情を重ね合わせて違いを見つけてみる」という楽しみ方をぜひ試してみてほしいです!

僕の写真作品はあくまで僕の個人的な感情をもとに撮影した物です。なので水というものに対して人それぞれ異なった感覚を持っていると思います(似ている部分ももちろんあると思います)

なので撮影者と鑑賞者の感情を照らし合わせて「私ってこんな風に捉えていたんだ」とか「私もこの気持ちわかるかも」みたいな感情の再発見をしてみて頂けると、より楽しく見れるのではないかなと思います!

解説はここまでです!最後まで読んでくれてありがとうございました!

表参道のWONDER PHOTOSHOPは21日(水)まで、House of photographyでは23日(金)まで開催しております!

バーチャル会場のHouse of photographyにも1枚展示しておりますし、僕がキャスティングしたバーチャルフォトグラファーさんの作品が沢山展示されておりますので、ぜひ遊びに来てください!


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