イブラベル
この記事を読んでいる方にはクリスマスイブに予定がない。そんなことに困ったことはないだろうか。私にはない、なぜならイブラベルを付ける仕事があるから───
というわけで私は箕面の滝道に採集をしに行くのであった。
今回の目的は冬蛾を見に行くこと、環境がいいので何かはいるだろうとは予想しているものの何がいるかは下調べせず、何がいることやら。
まずは、滝道とホテルへの分かれ道にある街灯をチェック
…しかし何もいない
いつもは虫がいるポイントだったので、全くいないことに少し不安になりながら最初のトイレに到達。そこでお目当て発見
フユシャクの仲間ナミフユナミシャク Operophtera brunneaだ。
このフユシャクの仲間は名前の通り冬にのみ出て来る変わった蛾だ。
また、フユシャクは餌を食べないので光に集まるか偶然飛んでるのを見つけるしかないので、山の中よりも町のほうが見つけやすい。
壁を見た後に入口を見るとまた発見
なにやらモフモフの蛾、体形とこの季節からしてキリガか?と思っていたが
後で調べてみるとクシヒゲシャチホコ Ptilophora nohiraeのようだ。
秋から冬に出て来るシャチホコガでカエデの仲間をよく食べるようだ。
箕面大滝はカエデがいるのだろう。
虫が見れたことで気が入り街灯を気にしながら先に進む、昆虫館の周りはいなくて、隣のトイレははずれ、大きな電柱も外れと上がっていき
ツバキの近くの電柱で発見。
少し待っているとまた飛んできて、どうやらツバキの花を吸いに来ていたようだ。
ここで待ってれば、クシヒゲシャチホコは採れそうだが餌を食べないフユシャクは難しいと思いまた道を進む。そして道沿いの電柱でフユシャクを発見。
色的にクロオビナミシャク…なのだが翅の先端から出る黒線がないのでどうやら違うようだ…
ネットの情報だとナミフユナミシャクの色違い…のように見えるが詳細は不明専門外の同定はさっぱりわからんからブログを書くのに筆が重くてしょうがない
その後も進んでいき大きなフユシャクを発見
チャバネフユシャクErannis goldaのようだ。
他のフユシャクと比べて少し大柄で羽搏く力も強く、他のフユシャクは突くと落ちて来るので網でつつけばよかったが、こいつは羽搏いて逃げていくので中々採集が難しい。今回の最終では3匹見かけたが採れたのはこの1匹だけ。チャバネフユシャクといえばホルスタイン柄のメスで有名なので、次はぜひとも発見したい。
そのあと三つめのトイレに、最近はライトアップの光が近くにありほとんどいなかったがライトアップが終わったことでまた虫が集まっている。
ナミフユナミシャクだけど。別種だと思っていたのでたくさん撮って来た…そして、トイレを抜けたすぐ先にようやく新しいフユシャクが
シロオビフユシャクAlsophila japonensisだ。
フユシャクの中でも寒さに強い種類。個体数も多く特に冷える1月2月では最も多い蛾となることも。
その後も滝につき、終点のトイレを確認
クシヒゲシャチホコが出迎えてくれた。
その後周囲を探索しフユシャクを発見
こちらは正しくクロオビナミシャクOperophtera relegataだ。
この写真でもわかるようにクロオビナミシャクには翅の端から黒い線が出ており、それが同定ポイントになる。ヒメクロオビナミシャクというまた似た種類もいるが、ブナ帯の虫らしいので多分違うだろう。
そしてトイレのベンチで休んでいると、強く羽ばたくハイイロの蛾がやって来た。
フユシャクやクシヒゲシャチホコではないのでいそいで確保に向かう
どうやらキリガの仲間のようだ。今回初のキリガということで落ち着くのを待たずに回収。
最初はネットで見たプライヤオビキリガが近いだろうと予想していたが投稿するときに詳細情報を調べたところ時期が全く違うので調べなおし…ハンノキリガ Lithophane ustulataだろうか?そんなに詳しくないのにここまで言い切っていいものか
食べているものはコナラやアベマキといったどんぐりの木である
ハンノキではなく斑のキリガのようだ。
その後は帰路についたが追加はあるが新しい種類はなかったので、そのまま採集はおしまい。
いつも通り終電で帰宅した
採集結果
ナミフユナミシャク Operophtera brunnea
クシヒゲシャチホコ Ptilophora nohirae
チャバネフユシャクErannis golda
シロオビフユシャクAlsophila japonensis
クロオビナミシャクOperophtera relegata
ハンノキリガ? Lithophane ustulata?