妖怪研究家 葛城トオル 「アマビエまつり」を語る
これは思い上がった人類への警告である。
昨今のコロナウイルスの蔓延に伴って正常な判断ができない人間が出てきている。
これではいけない。ちょっと頭を冷やして冷静になって判断せよ。
ということでアマビエである。
頭が冷える=アマビエ である。
アマビエの出現を伝える瓦版が江戸時代後期に刷られている。
なにこれ?って誰しもが思う姿が描かれている。
このイラストを見て怒る人はいないだろう。
それぐらいに可笑しくひょうきんな姿に描かれている。
(京都大学貴重資料デジタルアーカイブ 84ページ目より抜粋)
コロナに感染した人や場所などは風評被害が強く、罪悪感がもたれる。
あたかもその人が悪いかのように。
悪いのはウイルスなのに、ウイルスに対して反論はできないので怒りは人にぶつけられるわけだ。浅はかな行為ではないか。
だから頭を冷やせよってことなのですよ。
そもそも妖怪というものは、人間が古代から生活するうちに「個人的な必要性があって創造される」ということである。
まあこれは妖怪研究家である私の考えかたではあるが、これが妖怪の定義たるものと確信している。
河童などは子どもが水難事故にあわないように親が危険な場所に怖い存在をほのめかしたものであるし、他の妖怪も子供の命を護る為に創造されたものがほとんどである。
しかしそんな創造物ではあるが人に認識されることによってエネルギー体が出来上がるのではないかとも考えられる。
妖怪というものは人間が創る。ではモノノケは?
物の怪と書くので「物品のお化け」と勘違いする方が多いが、じつは物の怪とは「動物の怪」ということである。
そして植物は妖精を創るのである。
このあたりの概念は宮崎駿氏のもののけ姫を参考にしていただければ分かり易いかなと思います。
地球上には人間・動物・植物が居て、共存して成り立っている。
がしかし人間は神にでもなったつもりで思い上がり、ついには自分にもコントロールできないものまで生み出してしまった。
天変地異やウイルスの蔓延などは、もしかして思い上がった人類を諌めるための試練かもしれない。
古代には疫病が蔓延するのは怨霊の仕業とされてきた。
不遇の死をとげた人物の怨霊が災いをもたらす。
その人物を神様として祭り上げ、神社が創建される。
素戔嗚命・牛頭天王・菅原道真公・崇徳上皇・早良親王などなど。
そういうことで日本の歴史が出来上がってきたと言っても過言ではないだろう。
今こそ温故知新。
過去を勉強して現在に活かすべきではないだろうか。
さあ、頭を冷やして何をするべきかを。
妖怪堂 葛城トオル
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