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愛娘の「実家」をつくるプロジェクト


プロローグ

2024年が始まりほんの2ヶ月ちょい。今年もきっとあっというまに時が過ぎていくんだろうな。さてそろそろ春の気配も感じられるようになってきた。実家に帰省する計画をたてようか…と思っていた。今年から、娘は春季講習がある。授業料はなかなかお高く、そしてそれに見合った時間割が確保されていた。塾に入って半年、ようやく「テスト勉強」というものになじんできたところなので、塾の提案通りにみっちり入れた。お金?払おうじゃないか。そんな気持ちで。隙間を縫って、そして仕事の隙間を縫って休みを確保してふたりで帰省しよう、と考えていた矢先の出来事。

夫が「良い物件を見つけた」と言う。彼は戸建てを購入して住むのが夢のひとつであり、何度となく良い物件を探し出しては私に提案してくれていた。娘が小さいうちは引越しが大変だから…在宅ワークだとスケジュールに穴をあけてしまう(インターネット機器が使えない時があると困る)…などとしているうちに娘が育ち、中学生。もう高校のことも考え始めており、塾でもそれを視野にいれて勉学に勤しんでいるところ。そうなんだよね、違う地域やエリアに移り住むという考えはもうなかったんだよね。夫が見つけてくれた物件は、今の賃貸からの徒歩圏内。新築一戸建ての3SLDK。内装や設備、さまざまなことを夫が忙しい中でみっちり調べてくれていた。四十路後半、もう変化するのは疲れるなという年齢でもある上に面倒くさがりの私は、瞳を輝かせる夫を目の前に、どうしたものかと躊躇したのだが…  彼の夢を叶えることは、賛成なのだ。

たくさん働いてたくさん稼いでくれているのだから、その分、彼の望む「幸せ」として還元できたらと思う。綺麗事ではなく、私は彼のおかげでたくさんの幸せを手にしているから。

  • 好きな仕事

  • 好きな趣味

  • 好きな家族

つまり、私が私でいられる居場所を、夫は与えてくれている。年収500もいかないベンチャー勤務でも生活はできているし、好きなことをするのも許されているし、なにより娘を一緒に育ててくれている。

そして、娘は今の賃貸だと自分の個室を持つことができなくなっている。部屋数が足りない。ので、これは彼女にとってもメリットが大きい。しかも、数年後に大学などに進学するにしても、動かぬ実家があるというのは精神的に心強いと思う。ひとりっこだし、嫁にいくことを考えると「責任を増やすのもなあ」と躊躇していたところがあるけれど、家族関係が良好でありさえすれば「なにかあっても自分が帰る場所はある」というだけで違うと思う。これは彼女に実家をつくってあげられるという意味でも有意義だと思い始めた。

まだ先が見えていないけれど、ここに書き連ねていこう。もしかしたらいつか振り返って「当時の気持ち」を知りたくなるかもしれないからね。

内見に行ってみた

夫がとても物件を気に入り、朝までその場所や物件についての調査をしていた。私と比べて、とにかく情報収集能力が高いし興味を持ったら本当に詳しくなるくらい調べて学習する性質なのだ。ゆえに歴史(主に三国志)にとても詳しい…。で、体調を崩すんじゃないかというほど調べているのをみて私は言った。「いや、もう内見予約しよ???(笑)」

光の速さでその週末には内見予約がとれた。その日は娘とデートの予定があったので「午前中」にしてもらった。これがキーとなった。(伏線)

現在の賃貸から徒歩10分以内。しかし坂道が険しい山の上にあるその住宅。夫が調べた通り、お隣にはどでかい敷地の廃墟(もと共同住宅)。最初に聞いたときはそんな恐怖スポットに!?(廃墟マニアには有名だとか)とおののいたけれど、実際に行ってみるとそれほど気にならない。夜はもしかしたら気になるかもしれないが、例えば廃校とかよりは気にならないのではないかと推測している。三階建て、車を持たない我が家ならガレージを広々と使える。設備がとても良かった。歳をとったら階段がつらい?など懸念はあれど、アイランドキッチン、吹き抜けのリビング、3人それぞれに個室を設けられるなど条件が揃っている。バス停も近い。少しだけ学校や塾が遠くなるけれど娘も許容範囲ではあるようす。

担当者さんに「いや〜、こんな良い物件、まだ売れてないなんてもしかしてなんかマイナス要素があるのかな?と思ったんですけどね〜」とそれとなくきいてみても「工事が少し遅れてて先月完成したばかりなんですよ〜」とのこと。自室になる部屋からドーンと廃墟が見えるが、カーテンつけちゃえば気にならないだろう。ふむふむ。シューズクローゼット、ウォークインクローゼットなど収納も充実している。お隣廃墟、正面マンション、反対隣に古い住宅があるのであいさつは同じ並びに住宅いくつかだけで済みそう。ゴミ捨て場が今まではとても規制が緩かったのでゴミだけはちょっと最初は苦労するかもしれない。各部屋にエアコンをつけるなどはあるが、想定内。デメリットはそれほど思いつかなかった。

夫は外観から内部の細かいところまでチェックしてくれた。ネットワーク系も問題なさそう。「実はこのあと他社経由の内見も予定されていて…よろしければ押さえてしまった方が良いんですが」と担当者。だいたい、内見で急かしてくるのは悪手だと思っていたが、すでに他にも検討中の人がいる、内見予定も本当のようだったのでもう押さえてもらうことに決めた。確かに他にも候補にしていた物件はあるけれど「現時点でこの広さで条件満たしていてこの価格はなかなかない」と夫が言っている。そういうものか。

住宅ローンの仮申し込み

内見の後は娘と出かける約束をしていたので、現地で夫とは解散して出かけた。とりあえずおうちのことは考えずただ二人でオタ活を楽しんだのであった。(気楽でごめんね)そして翌日。不動産屋さんにローンの仮申し込みに行くことが決まっていたので、源泉徴収を不動産屋にメールで送付して自転車を走らせ、彼はひとりで不動産屋さんのところへ赴いた。

なにぶん、過去いっさいいこんな経験がないので、「申し込もうとして何かしらNGくらってるんじゃないか」と思ったら何も手につかず、留守番しているあいだやきもきしっぱなしでした。私の不手際で(ただたんに忘れていたりで)お支払いが遅れたりしたことが過去何度かあった…。一度だけ完全に支払いを忘れていて電気止められたことある…!!!(マジで大変な目にあった)なので、そういうことでブラックリスト入りしてたら審査おりないじゃないですか!??怯えておりました。

帰宅した夫に「普通に書類書いてきただけ」と言われ、おお、その時点では大丈夫だったのね… →3日ほどして「一次審査通ったらしい」と聞き、な、なるほど…!?となっているところです。諸々聞いたところによると、夫の勤め先は社会的信用が大きいところらしい。「あなたのお勤め先ならまず大丈夫でしょう」と言われたそうだ。頼む、本当にこのまま通ってくれーーー! と、祈っているところ。

引っ越しについて考えてみる

引っ越しは15年ぶりくらい。今の賃貸に引っ越してきたのは娘を出産する前で、私が今の職場に勤め始めてまもなくだった。前の賃貸から30分くらいの距離なのだ。この物件も夫が探してくれた。前の賃貸は夫が前の職場から賃料を払ってもらっていたのだが、その制度?がなくなるのと夫が転職を考えるのとが同時だったのだと思う。ふたりで住むのにちょうどいいくらいのマンションから、同じくらいの広さのマンションへ移ってきたのだ。そこから出産、育児、お互いが趣味をしっかり楽しんできたものだから荷物がとにかく多い。+中学生の娘なので、本当にぎっちぎちに荷物がある。

次のおうちは、ここから徒歩10分。坂道がきついけれど、大きな家具家電以外は自分たちで運べなくもないとふんでいる。夫もそのつもりで、引き渡し日が決まったらその日から少しずつそれぞれ持ち込んで行き来することを提案されている。

  • エアコンが現在3台。うち2台は持ち越して新たに3台必要

  • 今は寝室に全員で敷き布団なのでベッド3つ

  • 冷蔵庫は氷がつくれなくなっているので新調

  • 娘と夫のデスクは新調(私のは持ち越し)、他の家電は持って行く

… ので、それ以外の、大量にある書籍、私の画材やオタグッズ、衣服、キッチンまわり(皿も)、ぬいぐるみ… あとパソコンも、でっかいハードからMac miniになったのでそれも自分で運んでいけるだろう。まさに「自分たちでなんとかしよう」戦略になりそうだ。大丈夫か?

ほか、どうやらネットワークまわりの工事は一ヶ月はかかるらしいと聞き、はやく引き渡し日を決めてライフラインだけでも先に整えよう!!という話になっている。仕事に穴をあけることだけは避けたいから、最優先にしたい。そして網戸とカーテンレールがないからその工事も必要だと。想定していたより色々かかりそうだぞ…!?ただ、ライフラインが整えば引っ越し作業自体はゆっくり少しずつやれるだろう。4月に動ける引っ越し業者もつかまえなければならない。が、まずはまずは、本申請〜審査が降りるまでをしっかりやらねばならない。心の準備だけしっかりしておこうと思う。

つづく。


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mam(まむ)
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