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愛娘の「実家」をつくるプロジェクト・2

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手付金を用意する

人生で、ゲンナマで分厚く膨らんだ封筒を持ち歩く経験がなかった。先日夫がローンの仮申し込みをした時に、全体の金額、頭金、月々の返済などきちんと数字を出す時に「売主さんに払う手付金を用意する」ように言われた。ひゃくまんえん。ゲンナマ。我が家の貯金をしているのは私名義の銀行口座なので、そこから出すことにしたのだけれど、さてゲンナマをそれほど用意するのはうまれてはじめて。私は自分の口座のある銀行の、窓口にお世話になったことがない。ATMで事足りたからだ。口座を開いたときはどうやったのか、忘れてしまった。二十年以上前のことだもの。ネットですぐに「銀行」「窓口」「引き落とし」などで検索した。ATMでそんなまとまったおかねはおろせないからね。「何に使うかとかきかれるかもな… いまどき、郵便局で荷物を送る時でさえ、何が入っているか訊かれるくらいだもの」そう思い、若干怯えていた。

身分が証明できるものと、開設時に使っているであろうハンコを忘れずに用意した。どんなことがあるかわからないので、徒歩片道1時間ちかくかかるけれど自転車もバスも電車もやめて歩いて行くことにした。ビビりである。駅前にある銀行まで、なにも考えずにサクサク歩いた。幸い天気がよく、気温も高いよき日。道を歩く高齢な方々もみんなこんな経験をしたのかもしれないと思うと、なんだか気持ちが前を向く。いやいやおそらくみんな、30歳くらいで経験していると思うぞ。

昨晩、調べていたところ、銀行窓口には「予約」があることを知った。今まで知らなかった。結構数日後まで予約枠は埋まっていた。でもおそらくその多くは相談をしにきている人なんだろう。実際に行ってみると数人しか待ってる人はいなかった。てっきりたくさん待っている人がいて何時間も待つものかと思っていたから拍子抜け。しかしシステムが全然わからんので、入店とともにスタッフさんに話して出金のための申し込み書類を書くように案内いただいた。支店番号と名前を書いて、開設時に押したハンコをここにも押印。金額を書いたら、順番の番号札を発行。しばらく待機。30分ほどしてから番号を呼ばれた。私以外の呼ばれていく人は、仕切られたスペースに消えていったので「相談」の人たちかな。

書類と通帳を渡したら「ご本人確認のためにATMのキャッシュカードを出してください」と。てっきり免許証とかかと思ったら、カードをリーダーに通して暗証番号を入れることで本人だと確認できるシステムだった。違う番号札をもらってそこから10分くらい待機。呼ばれて行くと窓口にゲンナマ。「封筒に入れますか?」→「入れてくださいお願いします」即答した。怖いよゲンナマ。受け取ってすぐバッグにしまい、スタッフの方々に「ありがとうございましたっ!」と告げて退散した。カバンの中にひゃくまんえん。いつもなら駅前まで出たなら色々買い物をして帰るところだが、今日はダメ。落としてはならない、他人に見られてはいけないという気持ちで、どこにも立ち寄らずにまた1時間ほどかけて歩いて帰った。無事に帰宅できてすぐ、荷物を置く前にバッグからその封筒を出して夫の部屋に置いた。持っていることさえもプレッシャーだもん。

夫はというと、本契約のために実印の印鑑登録をしに役所まで行ってくれていた。今日は、なので朝からお互いに動いていた。三年ほど前に夫が思いつきでかっこいいハンコを結構な金額で作っていた。いつか必要になるかもしれないからかっこいいやつ、て。これが役にたつときがきたわけだ。人生「思いつき」でしたことがこうして役立つことがあるんだね。役所で担当の人に聞いてみたら、5月くらいまで「住所変更」でめちゃめちゃ混むらしい。何時間も待たされるらしい。ので、役所で住所変更をするときは「8時半までにきて並んだほうがいい」と教えてもらえたそうだ。なにそれめっちゃだいじな情報!!!!引っ越しが決まって住所がわかったら、夫がやってくれるらしい。ほかにも電気ガス水道の変更手続きも全部やってくれるらしい。めっちゃ嬉しい。「え、任せておけないってかんじ?」とふざけてきいたら「うん。自分でやったほうが早い」… wwww まあ、こういうのは得意な人がやってくれるに限る。本当にありがたい。

実は夫はインテリアや内装を考えるのが趣味。なので、新居のインテリアや内装のことも全部調べてすでに色々プランをたててくれている。私は細かいリクエストはほぼないのでお任せしている。世間をみると家電以外のインテリアは奥様が考えて手配されているご家庭が多そうだけど、うちは夫にお任せなんですよ、こういう夫婦もいるよってことで。我、「ネットが使えて仕事ができることとオタ活グッズを飾る場所があれば良いです」というレベルなのでごめん…。

全体のスケジュールを立てる

平日はなにかと忙しい我が家。そりゃあそうです。お互い仕事をしているし、娘だって学校、部活、塾とその日を生きるのに精一杯。なので、大切なことはどうしても週末になる。きのうが金曜だったので、この土日は見通しをつけることになった。天気も良かったので新居に3人で向かい(徒歩10分以内)、そこからスーパーに行ってみて、坂道のきつさを実感。いや、電動自転車はもともと娘を保育園に送り迎えするために使っていたのがあり昨年だったかタイヤなども変えたばかりなのでスーパーに行く時はそれを使うことにした。それ以外にひとり1台自転車を持っているが、おそらく私は少なくともあの坂道を自転車で行き来するのは無理だろうから、なんとか徒歩か最悪バスを使うことになるだろうなー などと思っている。
日曜日、夫が朝からなにやらデスクに向かっていた。何してるのかと思ったら、全体のスケジュールをたててくれている!しかも、購入するものりストやTODOリストも… 仕事ができるひとだなあ。スプレットシートでしっかり作成してくれて予算の計算まで。引っ越しの費用全体でにひゃくまんちょいくらい。そりゃあこれからそこでもしかしたらしぬまで暮らすかもしれないんだからね、しっかりやらないと。それくらいお金をかけてやらないと。私が今の職場に就いてから貯めてきたものが家族のために使えるのだと思うと嬉しい。働いてきてよかった、苦労してきてよかった。

それはさておき、まあとにかく本審査が降りるのが4月頭。そこから超特急で動いても4月中ばから少しずつ自分たちで運べるものを運びつつ進めることを想定して、引っ越し日のエックスDAYがほぼ見えた。諸々の手配を夫がマジで頑張ってくれるそうだ。ごめんね私本当にそういうの苦手。引っ越し当日だって、何をどうするか考えて動けるか不安で仕方がない。でも、きっと引っ越しというイベントが私たちにとっては最後になるだろうと思うと、とにかくやるしかない。(娘はもしかしたら大学からは一人暮らしかもしれないけどね)やろう、頑張ろう。という気持ちでいます。

本審査申し込みが数日後。夫は休みをとってしっかりやってくれる。そういうのも、彼が役職についており末端プレイヤーではないからできることとも言える。私は明日もきっと仕事に追われてしまうだろう。彼の夢をかなえるさまたげにならないように、私もできることをしっかりやろうと思う。

本審査の申し込みをする

夫が、本審査の申し込みをしてきてくれた。店舗の担当者と銀行担当者がきて面談的なことをしたらしい。大切ないくつもの書類を持ち帰ってきた。本審査通ったら契約。その時に金利プランを決めてきてと言われたらしく帰宅早々話し合った。いくつかのプランを確認し、勧められたやつが良さそうだった。「俺が途中で死んだ場合も考えたプランにしよう」。そういえば同僚がマンションを買う時にそのようにして「最終的には俺がしんだほうがいいんだ」などとブラックジョークをかましていたけれど、現実的に考えればもうアラフィフなので絶対そうしないといけないなと思った。私が途中でそうなっても夫は支払い能力があるけれど、逆は無理だもん。子に迷惑かけるわけにいかないし、そうだよねと。

これはメモ。火災保険地震保険も込みにできるけれど、新居は水害の心配のない山の上(ハザードマップ的にも)なので、個別に選べるもう少し金額を落としたやつに入りたい。ので、別途検討することにする。東日本大震災を経て、実母が住む実家はいくつかのヒビが入った程度ですんだがそれでも写真をとってちゃんと保証してもらえたこともあり「火災保険地震保険だけはしっかり入って」と言われていたので、忘れてはいけない。自然災害は「気を付ける」ことができないんだからね。
それから、恥ずかしながら夫の生命保険をちゃんとしようってことになっている。引っ越し後に分散させていくつかに入る。これから先は、娘が生きていくこの世界で足をひっぱる存在にならないようにと考えていかねばならないと改めて思うなどした。

不動産の担当者に電話をして、夫は色々気になっていたことをまた質問していた。彼は本当に仕事ができる男で、昨晩私と娘が寝たあとも部屋じゅうのインテリアの採寸をずっとしていた(気配でわかっていた)。そして明日祝日であるが、担当者さんは隣の区に住んでいるのと同い年で高校生のお子さんがいる方で家庭の話も結構するほど信頼関係ができているらしいので「新居のほう明日開けてくれませんか?家具を買うための採寸がしたい」と軽く頼んでいた。明日予定ないよね?行くよ〜って言ってた。とくに予定はないが私は引っ越しのためにものを減らす活動をするつもりだったが仕方ない。彼の本気には応えたい。

「もし本審査通らなかったらどうする?」
「あそこでダメだったら他の金融機関だが…信用度の低いところになるから不安」
たしかに〜。緑がだめだったら赤も青もだめだろうからなあ。ちなみに、ダメな理由がなにかあるかといえば、何年か前に電気代払うの忘れてて遅延で止められたことがある…のと、NHKの支払いがたまに遅れてしまっていたのでその辺が社会的信用をマイナスにしているかもしれないのと、年齢がネックになるだろうね。予定していたより早く結果が出そうなので、出たらまた更新することにしよう。


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mam(まむ)
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