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「リーダーに聞く」~就労継続支援B型事業所さくらの家 本多施設長~
リーダーに聞く・シリーズ第3弾は、就労継続支援B型事業所さくらの家(グループホームあまの里兼)本多美智子施設長です。今や海士町のお土産の定番になっている「ふくぎ茶」。その「ふくぎ茶」を心を込めて所員の方々と日々、笑顔を忘れずに作り続けている、そんな「想い」を語っていただきました。
ーー2024年を振り返っていかがですか?
さくらの家は、常に「来てくださる方、Welcome」でやってきました。2024年も島留学や島体験の学生たち、JICAのグローカル生など多くの方々と「縁」を持つことができました。たくさんの関わりや、応援してくださったことに感謝の一年でした。
コロナ禍で交流活動が縮小していた時期が長かったので、さくらの家にまた、新しい風が吹いてくれて喜んでいます。
社会福祉協議会と合併で非常に不安も大きかったのですが、杵築会長や片桐事務局長が親身になって話を聞いてくださり、よく考えたら、自分にとっての相談相手が増えたんだと感じています。
ーーさくらの家が目指すものは何ですか?
日頃、地域の方にはお世話になっておりますが、「地域のチカラになりたい!」「地域のために役立てることはないか?」とずっと考えています。
今までは小さな事業所でしたが、合併し、組織が大きくなったことで進めなかったことも「出来る」「やれるかも」と感じるようになりました。今までやってきた「カレーの日」もそうですが、イベントを企画、開催し、盛り上げていきたいですね。
ーースタッフに大切にしてほしいことは、何ですか?
「つながり」ですね
ふくぎ茶や様々な活動を通じて多くの方々との「ご縁」をいただくことができます。そのご縁はいつか自分が困ったり迷った時に、解決のヒントをたくさんいただける。最後の答えは自分で出せばいいですが、一人で悩まずに視野を広げるためにも、つながりを意識して大切にしてほしいですね。
あと、今でいい!と満足せず、もっともっとと欲を持ち、新たなことに挑戦してもらいたいと思います。
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ーー本多施設長が大切にしていることは何ですか?
やはり私自身「つながり」を大切にしています。そして「笑顔」は本当に大切だと感じています。あとは「出来ない」と諦めない、無理と言わないこと。その無理だと感じたことを「出来る」に変えるために、どうしたら出来るかを突き詰め、実現にしていき考え抜くことがとても大切だと思います。
ーースキな言葉を教えてください。
「明日はあしたの風が吹く」です。
学生の頃、自分が辛かった時に母親から言われた言葉なんですが、気づくと自分の娘にもその言葉を投げかけていました。先のことを考えすぎて思い悩むより、「今」「今日」を笑顔で生きていこうと思っています。
「愛することは許すこと」。瀬戸内寂聴さんの言葉だったと記憶していますが、「自分も許されて生きていることを忘れないでね」の言葉に、なるほどなぁ~と感じたんです。
目の前のこと、目の前の人を許すことからはじめたいですね。
ーー海士町民へのメッセージをお願いいたします。
今まで同様、障がいの有無でなく、一人一人がイキイキと、笑顔あふれる事業所でいたいと思っています。
海士町には高齢者の事業所は複数ありますが、障がいの事業所は少なく、親御さんも一人で悩み、抱えてしまうこともあると思いますが、「駆け込み寺」のような存在でいたいと考えています。
困ったことがあれば一人で悩まず、気軽に「さくらの家」に来てほしいと思います。解決することが困難なこともあるかもせれません。ただ、聞くことは出来るし、「つなぐ」ことは出来ます、一人ではないんだと。
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(編集後記)
インタビューを終えたあと、インタビューアーが個人的に感じていた「障がい福祉」分野の質問にも、丁寧にご自身の考えをお話しいただき、今まで守られてきた熱いものを感じると共に、「凜」とした姿勢を感じました。
その後も挨拶や笑顔の大切さについてお互いの意見交換をさせていただきましたが、挨拶などの良い習慣が、良い発想、良い判断、良い行動が自然に生まれてくると意見が一致し、今後の「さくらの家」への期待とワクワク感が止まりません。(広報委員)