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ふくぎ茶を未来へ
以前の投稿で海士町社会福祉協議会の障がい支援部門であるさくらの家についてお伝えさせていただきました。今回はそこで作っているふくぎ茶やふくぎの湯などの製品と、その製品をこれからも作り続けていくために種子からふくぎの森を創っていく様子をお伝えしたいと思います。
「ふくぎ」ってなに?
ふくぎとは海士町での通称で正式名称はクロモジといい、西日本を中心に自生しているクスノキ科の落葉低木です。あまり馴染みがない地域も多いですが海士町では葉や枝、花はノンカフェインのハーブティーに加工され、飲用されています。昔から傷口に塗ったり、お風呂に入れて入ったりと飲む以外にも様々な用途で活用されてきました。高齢者デイサービスの利用者さんも「昔、子供が怪我をした時にはふくぎの葉を煎じて軽く絞った布を傷口にあってておくと治りが早かった」と話してくれたました。
ふくぎ製品の種類とは?
さくらの家で作っているふくぎ製品はいろいろな種類があります。ふくぎの木から採れた葉はもちろん、枝、季節によっては花まで余すところなく活用しています。どんな商品になっていくのかご紹介していきます。
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葉と細枝を使ったふくぎ茶
ふくぎ茶は飲み終わった後のスーッとする風味が特徴的なお茶です。初めて飲む人でも飲みやすいのでぜひお試し下さい。また、この商品はティーパックになっており手軽に飲んでいただけます。
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ふくぎの枝を使った木茶
木茶はふくぎ茶と比べると見た目から違い可愛らしいピンク色をしてます。味はスパイシーな飲み心地です。こちらはやかんなどに入れて煮出して飲んでいただくタイプです。
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期間限定の花茶
ふくぎの木には3月下旬から4月中旬にかけて黄色の可愛らしい花が咲きます。その花を採集して花茶を作ります。ティーパックのふくぎ茶とも木茶とも違う高級感ある味わいです。
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昔懐かしいふくぎの湯
規格外だからといって大切なふくぎの葉や枝を捨てるわけではなりません。海士町では昔からふくぎを五右衛門風呂に入れて入浴していました。そんな懐かしいふくぎ湯を全国どこでもお試しいただけます。また、匂い袋として箪笥に入れたり就寝時に枕元においたりと用途は色々です。ふくぎのほのかな香りをお楽しみ下さい。
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ふくぎの森を作りたい
さくらの家ではふくぎの木を伐採して製品を作っており、ふくぎの木はさし木をすることができません。このままでは、どんどん木が減っていってしまいます。そこで、さくらの家の職員大野英樹さんは種子からふくぎの森を創ることを決意しました。そんな素敵な目標がある大野さんにどのようにふくぎの森を作っていくのかをお聞きしました。
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種子から発芽するまで
大野さんは山からふくぎの種子をたくさん採取し、水に浸して種子の周りについている実の部分を柔らかくします。このようにすることによって種子が発芽しやすくなります。この種子を一つ一つ丁寧に育苗ポットに植えていきます。大野さんは現在までに3000粒程のふくぎの種子をまいたそうですが、発芽したのはその中のわずか数%だったそうです。
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芽が出て大きく育つのは更に難しい
数%の確率で発芽したふくぎの種子でも順調に育ってくれるとは限りません。病気になって枯れてしまったり、風で倒れてしまったりと大切に世話をしていても大きく育つのは更に一握りの苗だけです。
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大野さんがふくぎの森プロジェクトを始動させてから今年で3年目となり、種子から発芽させた苗も少しづつですが着実に大きくなってきています。この苗達を山に植えてふくぎの森を創り、自分たちで植えたふくぎの木からお茶を作り、ふくぎ茶を今後も海士町の名産品として作り続けたいと大野さんは話してくれました。
ふくぎ茶はどこで買えるの?
丹精込めて完成したふくぎ茶は海士町内だけではなく、島根県内外に出荷しています。松江にあるホテル佳翠苑のウエルカムドリンクとして使われていたり、口コミで見つけてくれた方が個人のセレクトショップに置いてくれたりと数に限りはありますが大変好評です。
海士町内では島じゃ常識商店やホテルEntô、つなかけ、亀田商店で販売しています。ぜひご購入下さい!
未来の為に今できることを少しづつでも諦めずにやりつつける大野さん。私もいつか大野さんが育てたふくぎから淹れたお茶を飲めることを楽しみにしています。(広報委員)