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起こせ、良き化学反応 ~移住者インタビュー第四弾 前編~

「挑戦する人が集まる、賑わいの島」~海士町~ 本年度、新しく我々の仲間になった挑戦者の想いを聞くシリーズ・第4弾。 
今回は、奥様と愛犬と共に、神奈川県茅ヶ崎市からやってきた、渡邊広樹さん(56歳)にインタビューをしてみました。

透き通る海士の

――移住され、びっくりしたことはありますか?
とにかく、人が優しく、距離感が近いことですね。昔、N局の子供向けのテレビ番組で、♫一度会ったら友達で、毎日会ったら兄弟で♫という歌詞がありましたが、まさにそんな感じですね。
介護福祉施設スタッフと、高齢のご利用者の距離も、とにかく近い。

――移住は以前からしたいと考えていたのですか?
介護福祉の仕事を始めた頃から、心の奥底には間違いなくありましたね、島に若者は俺しかいなくて、あとは高齢者ばかりの島で訪問介護をしてみたいという思いは。Drコトー介護版って感じですかね。でも、その想いを話したのは、恩師の一人だけなんです、何故か・・・。自分に自信がなかったのでしょうね。

――何故、海士町を選ばれたのですか?
たまたまなんです(笑) その恩師が突然天国へ旅立ち、悲しみに打ちひしがれていた時に、FacebookとかInstagramかなにかで、「離島で介護しませんか?」という広告が流れてきたんです、まさに運命ですよね、ドキッとしました。恩師に話したときに、「広樹さんなら出来る!」と力強く言ってくださった言葉もよみがえってきて・・・。本当、すごいタイミングです。

――迷われることはなかった、即決だったんですね?
妻も私も「チャレンジャー」なんで、なかなか一カ所で落ち着いていられるタイプではなく、結婚してからもオーストラリアで生活していたこともあるんですよ、だから妻もすぐに「海士町に行こう!」になりましたね。でも、心配は、愛犬・空(そら)(ミニチュアダックス・オス 9歳)の存在でした。海士町には獣医がいないし、空(犬)は5歳ぐらいから目が見えなくて、環境を変えることが空にとっていいことかと最後まで悩みはそこだけでしたね。でも、俺たちがいれば、大丈夫!と決めました、勝手に(笑)

茅ヶ崎から来ました、「仲良くしてね」(愛犬・空くん)

――海士町での生活はいかがですか?
移住して4ヶ月ですが、茅ヶ崎に住んでいた頃よりもすでに近隣の知り合いが多い印象です、隣のK商店の方々はじめ、皆さん、本当に素敵な方々ばかりです。
我が家の窓をたたき、「いるか!? これ食べろ~」って、野菜や海の幸をくださるんです、もちろん無料です、今のところ、請求書は来ていないので(笑)
住んでいる崎地区は、若い島留学や寺子屋の子も多く、若い友達(年の差30歳!?)も増えました。

新鮮なサザエ
ほりたてのタケノコ

――介護福祉歴が30年近いと伺いましたが、今の仕事はいかがですか?
久しぶりに役職のない職場なので、気軽に介護福祉現場の支援を純粋に楽しんでいます、ご利用者の笑顔に救われながら。
管理職や教育部門にいることが多かったので、久しぶりの現場復帰で、身体がついていくかも心配はありましたが、今は夜勤もやっていますよ。やはり、現場がいいですね(笑)
現場経験30年の「大型新人」ですが、今回の移住メンバー以外のスタッフは、みなさん先輩ですから、謙虚な気持ちは忘れないようにしながらも、でも、自身の「芯」だけはぶれないように

――介護をする上で大切にしていることは何ですか?
ずっと思い続けていること、思い続けてきたことは、高齢者介護では、①相手は年上であること②相手はお客様であるということ③相手はこの戦争なき、平和な日本を築いてくださった方々であるということ・・・この3つは絶対に忘れないように。そうしたら、絶対に間違ったケアはしないはずですよね。
両親もすでに他界をしましたが、晩年は高齢者施設や医療にお世話になり、家族の立場として、いっぱい課題・宿題をもらったと思っています。
その経験を活かし、若い人や経験の浅い人に、伝えていきたいんです。俺が出来ることはちっぽけだけど、けっして専門職として、言葉を無機質なものにしてはいけないと感じています。

愛犬・空くんと至福のひととき!?

(編集後記)
30年のキャリアを持ちながら、更に挑戦をつづける渡邊さん。来島してからイベントに参加するだけではなく、自ら研修会を開催したり、まさに海士町スローガン「自立・挑戦・交流」を実践されています。なにか海士町の福祉が大きく変わる予感がしてわくわくしています。後編は海士町での暮らしについてお聞きしています。お楽しみ(一)

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