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特別な日を超える日常を楽しめる町~移住者インタビュー第六弾 後編~

古き良き日本の風景が残る海士町。日本人が忘れかけた心を感じ、御波(みなみ)地区で海を眺めながら、「海士町に来てよかった」と実感されている栗林さん。後編では「介護」への想いなどを語ってくださいました。

ー海士町への移住を最終決断された想いを聞かせてください。

「島で唯一の特別養護老人ホーム 諏訪苑」スタッフ不足に悩んでいると聞きました。海士町の来島ツアーでお会いした住民の方から、最後の砦である「諏訪苑」が存続していかないと、本当に困るんです、といったお話を聞き、こんな自分でも力になれることがあればと思い決断しました。

ー海士町の中で「お気に入り」の場所はありますか?

「御波(みなみ)」地区の港です。自宅から徒歩1分。本当に大好きな風景で、癒されます。ぼーっと海を眺めています、幸せです。

海士町の海が自分を包み込んでくれる

ー今まで住んでいた東京との違いはどのように感じていますか?

海士町はとにかく街灯が少ないので、夜は真っ暗ですね(笑)でも、
その分、星が綺麗です。車の通りも少ないし、静かな町ですが、自然の「音」を感じます、鳥だったり、虫だったり、風だったり。
100歳近い方がグラウンドゴルフをされていて、本当にお元気で、私もグラウンドゴルフに誘っていただきました。すごいですよね。
あと、島の規模感がいい、移動距離も長すぎず、外出したい気持ちになります、東京にいた時は何処に行くにも面倒なくらい、長く感じた移動距離。
海士町にはコンビニはないですが、「商店」がある。コンビニとは違って、旅館で言えば女将さんのような方がいつもお店で迎えてくださいます。
「人の温かさ」「人の優しさ」があり、住み始めたばかりですが、いつも安心感があります。

ー介護という仕事の楽しさ、魅力についてはいかがでしょうか?

今までの経験を活かして、レクリエーションを積極的にさせていただいていますが、しばらく痛みのためにお部屋で過ごされていた方が、レクリエーションを再開した時に、海士町名物「しゃもじ」を手渡したら、痛みを忘れて、自然に踊りだしてくださって。痛みがある中でも、ご利用者の方が率先して身体を動かしてくださる姿に、いつも心を打たれています。
施設での「看取り」という課題・使命もあります。スタッフの方々が率先して、その方の大好きな食べ物や、食べたいと言われたものを提供されている光景、本当に素敵だなと思います。島だからこそできる「看取り」の形だと感じます。
先日はその方のご自宅の写真などを撮影し、ご本人にお見せしたら、涙を流して喜んでくださいました。

ー介護をしていく上で大切にしている想いを聞かせてください。

ご利用者の方々は私たちよりも残された時間が少ないかもしれません。その1日1日をより「いい日」に出来るように、日々、その時その時に気持ちを込めて支援をすることを心掛けています。

御波地区メンバーとして参加:海上綱引き大会

ー3年後はどうなっていると思いますか?

移住者の方や、海士町以外の方が「この島」に来てくれる、来たい!と想っていただけるような活動・場を増やしていきたい。
海士町を全国の離島で一番にしたいんです。
クリケットから離れてから、何かとすぐに諦めていた私ですが、海士町では諦めたくないと思っています。
今は、前向きになってやりたい、やろうという自分がいて、それも海士町のおかげなんです。

新たな風を感じる海士町の介護福祉


ー来島を迷われている方に一言、お願いいたします。
「海士町の海を見て感じてください!」(笑) 自然と前向きな気持ちになって、1歩前に進むことができます。

(編集後記)
とにかく、今の海士町生活がうれしくて仕方ないといった気持ちが溢れ出ていたインタビュー。お住まいの「御波」地区に「惚れた」という「御波愛」を感じました(笑)
スポーツの世界で「日本代表」は様々な競技に存在していますが、その中でも「キャプテン」として、チームをまとめ、日本を代表して戦ってきた経験が栗林さんという「人」を作り上げ、今、その「人」が海士町の介護を変えようとしている予感がしました。
全国で離島で一番にしたい!、栗林さんはキッパリと声にし、その頼もしさに、海士町介護福祉に明るい光が・・・。
本物とは、何でもない当たり前のことを徹底的にやること、平凡なことを誰も出来ないぐらいに積み上がること・・・栗林さんと話をさせていただき、そんな言葉を思い出しました。(広報委員)

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