映画『タゴール・ソングス』

美しいチラシに惹かれて、随分前から見ようと思っていた『タゴール・ソングス』を観てきた。

歌い継がれる、語り継がれるタゴールの詩、歌

ベンガルの研究者や特別な人々が大事にしているだけではない、そこかしこにいるみんなが、老若男女みんな、それぞれのタゴールの歌を胸に抱えている。口にしている。
その詩が、歌が、心に届いて、心に留まる。

文化ってすごい
歌ってすごいな。。。

繰り返し流れる、特徴的な歌。

「ひとりで進め」
もし君の呼び声に誰も答えなくとも ひとりで進め
ひとりで進め ひとりで進め 
もし誰もが口を閉ざすのなら 
皆が顔を背けて 恐れるのなら
それでも君は心開いて 
本当の言葉を ひとりで語れ
もし君の呼び声に誰も答えなくとも ひとりで進め
ひとりで進め

文化、世代、地域、様々なものを飛び越えて共感しつなぎ合うもの同士がつなぎ合っていく一方で、ひとりで進め、と繰り返される。
「君の呼び声に誰も答えなくても ひとりで進め」

歌で自分の気持ちを鼓舞したり、音楽や詩を支えにして人生を乗り切ること、ひとは、多々あるしいる、自分もその一人だと思うのだけれど、このベンガルの方々の詩への憧憬さらに哀しみは、家族の物語や個人の物語に留まらない。政治、権力、そこから生まれる男女、貧困、格差、、、その詩は、あまりにも強く、優しく、厳しい。

果たして自分もタゴールの詩を知らなかった、のか。そこかしこに影響を受けられたものを目にし耳にしているのでは。

とても敬愛している故ヤスミン・アフマド監督の『細い目』に出てくる「インドの詩人」、の詩、それも、タゴールのものだったとは。

もっと外国を見たい、異文化を知りたい、と渇望していた20代の自分を思い出す。

26歳の佐々木監督が、大きなものを生み出してくださった。尊敬と感謝と。今なら全国どこからでも仮設の映画館で、見れます。冒頭のオフィシャルサイトから。

文化が大事。政治が大事。切り離せない。災害と感染症と。みんな、つながっている。熊本・鹿児島の大雨被害に遭われた方々への祈りと。

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