検査の違いや医療機関の現状を知ることは…
結果についてかかる時間に差があることは書いた通りですが、そもそも検査の違いについて書かれたものは、いくつもあります。
厚生労働省のページはこちら
新型コロナウイルス感染症に関する検査について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
こちらはイラストでわかりやすく説明されています。
PCR検査・抗原検査・抗体検査の違いとは? | 済生会 (saiseikai.or.jp)
動画のほうが良い方にも
(80) 【解説】5分でわかる!PCR検査、抗原検査、抗体検査の違いって何?現役の産業保健師が分かりやすく解説します! - YouTube
ほかにも良いものはたくさんありますし、様々なものの中からしっくりくるものを選ぶといいと思います。
ここでは、私たちがなかなか想像しにくい「検査を受けるにあたり、認識していたほうが良いこと」について触れたいと思います。
これだけ患者数が増えていると
・どうしてもっとたくさん検査を受け付けてもらえないの?
・どうしてもっとたくさんの人が発熱外来にいれてもらえないの?
という声を耳にします。
また、医師・看護師からは、「発熱外来の予約がとれないからお熱を隠して受診する方が増えている」という声が、いくつも届いています。
苦しくて、早く診てもらいたいという気持ちがあるのに、予約が取れずに困って一般の外来に予約を取ろうとされる様子が見て取れます。
どうしてそんなに予約が取りにくい状況が起きるのか、お話を聴いてみました。クリニックに勤務されている看護師さんからです。
「うちのクリニックの場合は、患者さんの状態聞きとりから、準備、検査、検体出しまで、普段の診察補助、コロナワクチン接種と平行して全部ナースがやっているので、抗原検査は院内で、PCRは外部機関に出しています。PCRは検体の多さによって、翌日から3日後と、結果に時間がかかります。 その間、自宅待機になるから申し訳ないと思いますが、受け入れられずにクレームにつながる方もちらほらいます」
コロナの検査だけやっているわけではなく、普段の診療が続いていること、コロナワクチンの接種も平行して進んでいること、つい早く検査を受けたいと思っていると、忘れがちですよね。
電話で検査希望の際に「PCR検査が何か、抗原検査が何か」から説明する必要がある方も多数いるとのことで、もちろん直接看護師さんから電話で教えてもらえたら悩みはスッキリするとは思うのですが、そうすることで上記これだけの業務が止まってしまうということに思いを馳せたいと思います。
「最近、院内PCR検査機器が入って、10分程度で結果がわかるようになりましたが、機械をセットしてから数分内に検体をとる必要があったり、結果が出るまではそばを離れられなかったり、1回の検査でナース2人、時間も20~30分は必要になるため、1日1~2人が限界だったりします。やっぱり、検査技師さんだったり、ナースがたくさんいる場所じゃないと、迅速PCR検査の導入は難しいなぁと思ってます。」
検査して終わり、じゃない、ことが垣間見えます。
そして、先ほども例に挙げましたが発熱を隠して受診されると、どんなことが起きるのか・・・
「発熱をかくして受診をされて、聞きとりしてから発覚、そこから防護服を着て抗原検査&陽性だったら院内消毒。そのような中で、検査がどんな種類があってどう違うかなど聞かれて・・・時間がたっぷりとられてしまい、定期受診の方の予約のはずが何時間待ちになったり、となってしまいます」
繰り返しとなりますが、コロナ以外の病気があって、いつもと同じようにそれらの診察はある、ということも覚えておかなければいけないことですし
お熱を隠して受診など考えられないと思われる方が多いと思いますが、実際には症状(特に発熱)を隠して受診される方はとても多いとのこと。
「コロナかもと慌てる前に、可能な範囲だけでも、自分で色んな情報、知識を入れてもらえるととても助かります。そして症状は、正直に電話で伝えてほしい」と訴えられます。
今やどの地域であっても、かなり様々に難しい状況の中で、精一杯みようと思ってくださっている医療機関が多くあり、だからこそ、ひとりひとりの協力がとても大切なのだと改めて思います。
私たちが検査のことを少し知っておくこと、いま医療機関がどんな状態かを知っておくことだけでも全体に影響がある、そんな時期なんだなと思います。
私も息子が先日、大学の入学試験を受けられなかったことを受け、PCR検査の結果が必要なのか抗原検査で大丈夫なのか、大学が出している情報だけ見てもよくわからず、よく調べてみたのですが、たいていのことはネットでわかりました。改めてこの2年間の情報の蓄積も感じることができました。
検査の違いや医療機関の現状を「知る」、それによって受けられるものは、自分や家族がコロナにかかったときや、自分が普段の病気で医療機関を受診する際に受けられるもの、に直結してくるのだなあと思います。
「知る」ためのちょっとした行動をひとつとることで、だいぶ全体としては違ってくるんだなと思います。