海士町のために、シンプルにやったほうがいいことを ーふるさと納税担当【堀之内 千夏】
AMAホールディングス株式会社で、それぞれのメンバーがどのような仕事をしているのか。それを通して海士町の魅力を知っていく企画。
第1回目は、海士町のふるさと納税の担当をしている堀之内 千夏さん。
ふるさと納税の日々の主な業務は、コツコツとした積み重ねで成り立っています。
事業者との調整、返礼品の品目設定、サイト運営、ふるさと納税の受付、海士町の事業者への返礼品発送の依頼など。
海士町を島外の方に知ってもらうためのイベントを通して、海士町ファンを増やす取り組みも行っています。
今や、その寄付額は、2億4000万円に上ります。
今年から、新たにクラウドファンディング型ふるさと納税のしくみも取り入れました。
クラウドファンディング型ふるさとの納税は、町内で挑戦したい人への支援として、ふるさと納税の寄付金の「使い道」をより具体的にプロジェクト化し、そのプロジェクトに共感した方から寄付を募り、資金として活用してもらうしくみです。
AMAホールディングスでふるさと納税の業務を担っている堀之内さん。
インタビューから、その働く根源が見えてきました。
ふるさと納税事業は、コツコツ地道に
ーふるさと納税の事業に携わったきっかけは?
もともとは3年前に、友達の紹介で、大人の島留学の制度で海士町に来ました。
そこで仕事を選んでいるときに、ふるさと納税のことを教えてもらって、なんとなく気になって。
数字を追って、コツコツ地道な作業をやっていくっていうのがよかったのかな。
数億円単位のお金を動かしているので、華やかそうに見えるけども、地道な感じが、いいな、と。
その1年目は、目の前にある仕事をただやってる感じでした。2年目に海士町に残るかは決めていなくて。
1年目の終わりに、上司から「1つのことを続けてみるのもいいんじゃない」と言われて、やってみたいと思ったんです。
今まで、1つのことを続けたことがなかったから。
2年目の途中で、ふるさと納税のメイン担当にならないかって誘ってもらって。正直すごく不安でした。
でも、責任感が出てきて、やりたい気持ちが増しました。
最初はできることも何もない自分という感じだったけど、海士町には、任せてもらえる環境があるなと思います。
やるべきことに向き合っていれば。
海士町のためにできることを。そして寄付者さんへの感謝
ー ふるさと納税の事業をするときに大事にしていることは?
大前提として、寄付者さんへの感謝がある。
寄付者さんにお礼の手紙を書いたりすることもあって、コミュニケーションを大事にしたいというのはあります。
もう3年目になるから、寄付の受付をしたときに名前を覚えている人も増えてきました。自分じゃないとわからない人とか、リピートしてくれてる人とか。
返礼品を考えるときに、品物が届くまでに寄付者さんにわくわくしてほしいな、とか考えたりもします。
海士町に暮らしだして3年経って、海士町っておもしろいところだなと感じています。
今回のインタビューを受けるまであまり考えていなかったけど、仕事をするときは海士町のために、という気持ちが最優先にあって。
ふるさと納税で寄付があれば、返礼品をつくっている事業者さんのためにもなるし、海士町全体のためにもなる。
シンプルに。海士町全体にとっていいから。
周りで、島外で、応援してくれる人がいるからできることなんです。
イベントを通して感じた、「人生が変わっている」感覚
ー 今年、一番印象的なことは?
海士町感謝祭in渋谷です。
渋谷の綺麗な会場に関東地方に住む100人海士町のファンの方を招いて、海士町からもスタッフも繰り出して。ふるさと納税で寄付してくれた方、海士町に以前住んでいた人、携わったことのある人、なにかしら繋がりのある方々を招待して、海士町のいまを伝えるイベントを行いました。
前年10人規模で行っていたイベントを今年もやろうとAMAホールディングス代表の大野さんに相談したら、
「もっといっぱい、海士町に関わってきた人を集めたらいいじゃん!」ってなって。どうしようってなったんですけど。
大人の島留学の事業を担当している清瀬さんに聞いたら、同じようなイベントをやりたいと思っていたことがわかって。
じゃあ、合同で、やろう、みたいな。
予算の調整などは、はじめてのことで難しかったです。海士町内のあちこちで話して、調整して。
だれかと一緒に仕事をしたから頑張れた、というのはあると思います。
わたし、人前に出ることは苦手なんです。
でも、このイベントはやるしかない、ってなったから、その怖さは置いておけた。気にせずやるしかないな、という感じ。海士町にきてから3年で変わった自分の部分かも。
この言葉をいうのはすごく悔しいけど・・・海士町に来てから人生は変わってる、という感じ。
ほんとにキラキラしてる言葉っぽくていやだし悔しいけど、人生は変わってる。
イベントで感じたのは、やっぱり海士町ってすごいな、と。
イベントをしたらすぐ人が集まる。来場した方たちは、海士町に思いを持ってくれている方たちで。海士町に関わっていることが嬉しいと感じてもらえているんだなと。
海士町っておもしろい場所なんだなって、ふるさと納税の仕事を通して感じた日でした。
このころからかな、地元の友達や知り合いにも海士町を知ってほしいって思うようになったかもしれません。
おもしろい町だから、繋がってもらったら嬉しいのかも、って気づきました。
やりたいを、やらないにしない 海士町
ー 新しくはじまった、クラウドファンディング型ふるさとの納税の立ち上げも今年の大きな動きでしたね
高校生が海士町で音楽フェス、題して「AMAFESをやりたい!」というのがあって、それを聞いた大人たちから、ふるさと納税の制度で資金調達ができないかという話が持ち上がったんです。
一度は、条例や基準もないし、難しいよね・・・と、消えそうになった企画だったんですが、改めて話が持ち上がって。
そのときに、代表の大野さんが「よし!やればいい!」みたいな。一声で雰囲気が変わった感じでした。
町も巻き込んで、島外からそれをふるさと納税を通じて応援してくれる人もいて。シンプルにいいことだなと思いました。
いいことを適切にやっていく。「やったほうがいいことをやる」と、シンプルに考えるのがめっちゃいい!と思いました。
それからは、いろいろな関係機関と調整して、条例や要綱なども急いでつくって、書類を揃えて、急ピッチでした。
イベントでは、高校生たちもめちゃくちゃ頑張っていたし、そういうことを応援する大人がいる。それを含めて素晴らしいイベントだなと思いました。
そういう環境が海士町にはある。
AMAFESの相談がきっかけで、クラウドファンディング型ふるさと納税の体制を整えることができました。
だからこれからは、海士町の挑戦したい人たちが挑戦できるための資金を集める手段がある。
海士町未来共創基金とか、大人の島留学の制度とかもそうだけど、海士町は「いいことはやる」
コストとか、困難だから、はこの町では理由にならない。それをなんとかしていく。
そういう町がおもしろいと思います。
一般的には住んでいる町のまちづくりに関わるという感覚は、あまり持っていない人も多いかもしれない。それがよくないということではないけど。
海士町みたいなこういう町もあるんだということを、おもしろいからみんなに共有したいです。
海士町の、ないものはない
ー そんな海士町で、堀之内さんの生活は?
満足だと思っている、と、思います。
「コンビニないよー」「商店早く閉まるよー」って聞いて、大丈夫かなと思ってたけど、なんとでもなる。みたいな。
いわゆる不便と言われることは、なんとでもなる、と海士町に来て思いました。
便利なことは、生きるために必要不可欠なものじゃないんだ、と。
ー 島暮らしは楽しい?
島暮らしをめちゃくちゃ楽しんでいるわけではないかな、と思います。
暮らしに魅力を感じて海士に残ったわけではなくて。仕事をもうちょっとがんばってみたいな、と思って海士町に残ったので。
友達と好きな人たちとご飯を食べる。
コーヒーを淹れて飲む。
家を快適にする。ソファーにちょっとこだわる、とか。
大切な場所もできて、居酒屋さんなんですけど。
なんといったらいいのかわからない不思議な場所。
夕ご飯を食べにいく場所でもあるし。店主さんに話を聞いてもらったりもする。
複業で、この店でときどき働くこともあります。
あと、シンプルに星空見たらなんでもいいやーって思えるし。
海も綺麗。日常が綺麗。めちゃくちゃ価値のあることだなと思います。
終わりに ーーー
インタビューの最後に、堀之内さんが言ったこんな言葉が印象に残っている。
「海士町に来てから、納得しながら自分が変わっていってる。違和感なく。
みんな同じじゃなくて、自分にあったペースで進んでいる感覚がすごく自分に合ってる。」
海士町には、いろんな土地から、いろんな経緯で、いろんな人たちが、集まってきている。
どんなキャリアを持っていても、「とりあえずやってみよう」という共有されてる雰囲気があるからこそ、こんなふうに感じながら働き、暮らしていけるのかもしれない。
AMAホールディングス株式会社では、ふるさと納税事業に一緒に携わってくれる方を募集しています。
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