稽留流産⑤

たしか3.4回目の受診
つわりも出てきた頃

エコーを見て先生が何かいう前に
あ、ダメかもしれないダメかもしれないって私の中で何度も言ってた

そしたら先生が
心拍が聞こえないねって

私はぼーっとみてた
二つの胎嚢が動かないままで
心がないような

命がないのがわかった

いつも言葉数の少ない先生が

これはあなたのせいではなくて
染色体の問題で

と色々話してた

わたしは、はいって答えてた

身体がまだ妊娠していると思ってつわりが残ることがある
早く手術しましょう

そういって手術の日を決めた

しょうがないこと

誰のせいでもない

しょうがないこと

一生懸命言い聞かせた


病院を出て、夫に電話した

そしたら

大きなため息をつかれて

そして
「また最初からか」と言った

悲しいとか寂しいとかそういう私の気持ちはすっかり置いてきぼりにされた

私はその後後輩の相談聞く約束をしていた

私の状況も知らないし私も話す気もなく
後輩の話があまり入ってこなくて申し訳なかった

家に帰ると夫が先に帰ってた

第一声が
「ご飯何?」

夫なりに気を遣っているのだろうか

でも、私は本当は話したいことがあるはずなのに
この人にだけは言いたくないと思った

残るつわりが虚しかった

私の身体はなんで馬鹿なのだろうって思った
赤ちゃんもう死んじゃったのに。
お母さんの体じゃないのに。

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