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戦略づくりが面白くなる!?「ストーリーとしての競争戦略」

本日はこちらの本を紹介したいとおもいます。

学びポイント

競争戦略とは

事業から長期的に持続可能な利益を生むための戦略のこと。競争がある中で儲ける状態を作る。
事業ポートフォリオを作る全社戦略とは異なる。

ストーリーとしての戦略

個別の要素が時間軸に沿って因果的につながることで、全体として顧客への価値提供と利益に向かっていく戦略のこと。
要素を空間的な配置で捉えるビジネスモデルとは異なり、動的な展開を含む。
優れた戦略とはまだ誰も見たことがない、見えないものを見せてくれる戦略であり、そのためにはストーリーを描くことが大切。

スタバのストーリー

ストーリーの階層

業界の競争構造

利益が出やすい/出にくいをファイブフォース(業界内部の対抗度・新規参入の脅威・代替品の脅威・供給業者の交渉力・買い手の交渉力)の観点で確認することで、戦いやすさが変わる。
利益が出やすい業界を選ぶのも一つの戦略だが、その分競合も増えるという欠点も。

SP(ポジショニング)

何をやり、何をやらないかのトレードオフを決めること
資源を獲得するための投資の意思決定。

OC(組織能力)

企業固有の強みや弱みによって模倣しにくい資源のこと。
長い時間をかけた資源の錬成。

戦略ストーリー

競争優位とコンセプトを決め、それに伴った構成要素のつながりを作ること。
最初に、最終的な目標(長期利益)に到達するための競争優位を①WTP (支払意思額)の増大 ②コスト低下 ③ニッチ特化から一つ決める。
次に、「誰に」「何を」「なぜ」を突き詰めたコンセプトを決定する。
コンセプトは普通の人々の変わらない本性を捉えた、価値中立的で顧客が動くのを実際にイメージできる言葉で表現する必要がある。
また、コンセプトとのつながりを論理的に説明できない構成要素は排除すべきである。

クリティカルコア

構成要素の中で、①他の要素と同時に多くのつながりを持っているかつ ②一見非合理に見える ような要素のこと。
部分的に非合理に見えても、全体として合理的になっているような要素を作ることで、競合が簡単にまねできない・まねしても再現できない状態を作ることができる。

ストーリーづくりのステップ

ストーリーづくりのポイント

  • 10~20年の長期的に機能するストーリーを描く

  • これまでの自社の戦略ストーリーとのフィット感を考える

  • ストーリーに論理的な確信を持てるまで疑い続ける

  • 戦略の実行を担う人の動きをイメージし、ストーリーを共有する

  • 失敗の条件を明確化し、ストーリーを検証する

  • 過去の事例からストーリーを抽象化する

  • 自分自身が面白いと思えるストーリーを!

感想

戦略という言葉に対して、効率的で誰もが納得するような論理を作らないといけないというどこか堅苦しいイメージを持っていたが、本書でそのイメージが大きく変わった。
一見非効率に見えるような戦略でもストーリーとして動くと一転して変化する、というような事例紹介が多いためとても面白く感じた。もっと他にも事例があれば読んでみたい。

アクション

  • ストーリーとしての戦略を描き、共有する

  • 過去の成功/失敗した自社事例からストーリーを抽象化する

疑問点

面白さを感じる一方、ストーリーとしての戦略を作るハードルの高さを感じた。
本書は過去の事例を抽象化し、戦略作りの一つの指針を提示しているものだと理解しているが、本書から具体化して事業を作ったという例があればぜひ知りたい。

他の知識との関連

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方(森岡毅)では、戦略を「目的を達成するために資源を配分する選択」として定義していた。これは本書でいうSP(ポジショニング)にあたると思う。
マーケティング的に考えるとSPにばかり目がいきがちだが、事業作りにあたってはOC(組織能力)も意識したいと感じた。


「戦略ってどう作ればいいの?」「優れた戦略がないかわからない…」という人におすすめです!是非読んでみてください!

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