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月曜日からの脱出

なるべく月曜日、日常から脱出したい人のための脱出ゲームについて書いてみる。
(基本ネタバレではありません)

『雨宿りからの脱出』/アドベンチャー

傘がない。どうしよう。

なんて話から始まる脱出ゲーム。ステージ毎に場所か登場人物が入れ替わる仕様になってます。なにも出られない理由は「鍵がない」だけじゃないよね〜って納得させられてしまった。もちろんストーリーはやってみないとわからない、じゃないとダメなわけで、だからネタの内容以外のところで、この傘がないから出られない、という概念とストーリーの素敵さを語りたいと思います。

私は今までグラフィックの綺麗な脱出ゲームを選んでやってきて、「え?!そんなことなるの?」「なるほど!」みたいなワクワクを楽しんで来たわけで、だから少々強引なストーリーでも「うんうん、まぁこんなもんだよな」とか(誰目線なんだと思いつつ)言ってやってきたわけなんですがこのストーリー展開を見た時に、脱出ゲームの可能性を感じて鳥肌が立ちました。あと「なるほど!」って叫んで横にいた母に「?」って顔をされました。ごめん、って言いました。

元来私は、雨、というキーワードを見るとたまらん気持ちになるわけですよ。下校前に、小学校の窓越しに見る雨は暗く悲しく見えるけど、少し居残りをした後の教室では、なんとなく、雨を独り占めしているみたいでうっとりとしたり。そういうのって他にも、いろいろあります。雨の中、帰らなきゃいけないから憂鬱になっていたら、好きな人が傘を忘れていたのを知ってちょっとだけ期待して、でも結局そう上手いこと行かなくて、残念な気持ちで校舎を眺めたり。もちろん学生時代だけではなくて、駅に誰かが迎えに来てくれたとき、ああ、幸せだなと思えたり…。空から水が降って来るって、ちょっとだけ非日常。でも歴史的にとても自然で、ふしぎ。そういう感覚を、ゲームをしてる最中に思い起こさせてもらえたので、最初にプレイし終わった後、ふわっと心が軽くなりました。

不思議なことに、この雨宿りからの脱出、だけは何回も何回もプレイ出来てしまうんですよね。
「ゲームをする」以上の楽しみが、このゲームにはある気がします。

グラフィックも綺麗だし比較的謎もわかりやすいので、初めての方にもとてもおすすめの脱出ゲームでした。これを読んでいる貴方にも、素敵な雨上がりを迎えられますように。




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