見出し画像

火曜日のうた 3

プラネタリウム / BUMP OF CHICKEN

プラネタリウムの思い出は2人とは限らない

プラネタリウムっていうとデートスポットですし、「2人の思い出」を連想しがちです。デートしたやら誘ったやら、まぁ恋愛以外を想像するとしても、実際、相当の星好きでもなければプラネタリウムを1人で見る機会ってありません。けどこの曲中では、主人公は終始1人です。ひとりプラネタリウムです。そこがとにかくエモい。

「四畳半を拡げたくて 閃いてからは早かった」

1、2番に出てくる冒頭の「四畳半」という言葉が、星空とキレイに相対関係を織り成していて、さらに主人公が浮かんで来ます。そもそも四畳半ってワードがちょっともうエモい。だいたい素晴らしいものの原点が四畳半な気さえしてきます。

ここから、手作りのプラネタリウムの話が始まります。好きな人の名前をつけた星。手の届かないそれを自室で眺めて世界の全てを手に入れた気になる。若いようで、誰にでもあるような「自分だけの秘密」がやわらかで優しげな楽器と一緒に語られます。

「この星は君じゃない  僕の夢」
「本当に届くわけない光」
「でも消えてくれない光」

最後に差し掛かって行くうち、現実というワードが現れて、どんどん曖昧になって行きます。歌の歌詞ってだいたい、何かの状況を聞き手が当てはめやすいように、これみよがしに例えを出したりするけども(それはそれでめちゃよい)この曲はそこのグラデーションが天下一品ですよね。

届くわけない光、消えてくれない光。
私にもそんな光があったかな、そう考えながら星を思い浮かべる時間って素敵だな、と思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?