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結局何を解決したいのだろう?初心に戻って、課題が何かを考えて、周りのみんなにも意見を聞いてみた。

毎月の締め作業が終わった瞬間に、息つく間もなく後回しにしていた仕事と横に置いておいた仕事と上司から追加で渡される仕事と日々の問い合わせ作業をこなしていたら、あっという間に週末がきました。
先週末よりもほんの少しですが落ち着いたので、今週の記事の内容を考えてみようと先週の記事を読み返しました。

改めて読んで、気持ちばかりが前に出ていて、結局何に困っているのかがよくわから無いですね。
伝えたいこと、何も伝わらない。
なんかこんがらがって勢いだけで書いていることだけ伝わった?
これってもしかして、普段の仕事でもそうなんじゃないのかな?
という疑問。
まずい、非常に不味い。
と言うわけで、今こそ、もう一度冷静になって、自分が将来なりたい姿に成る為に(成れなくても少しでも近づくために)、何をしなければならないのかを考えてみました。

改めて、そもそもどんな仕事をしているの?

私の仕事を簡単に説明すると、『自社で運営管理するショッピングセンターに出店しているテナントの、審査、商号や住所などの情報管理、賃料請求用マスター作成等の管理業務』(以下 テナント管理業務という)となります。
 簡単な契約書作成などもやっていますが、テナント管理業務の比重が重すぎるので、なかなかTHE法務部という仕事に手が回っていません。

前回の記事より

THE法務部の仕事とは
 契約書の内容確認、リスクの抽出、修正案の作成及び提案などの法務目線での確認作業や、テナントと関わるうえで最低限知っておきたい法知識の勉強会などをイメージしています。
 大学などで法務を専攻していたわけでは無いので、まだまだ簡単なことしか答えられませんが、知識を吸収するための資格試験の受験や、営業経験に基づいたアドバイスが出来るよう努力をしています。
法務の仕事はどの部署に行っても、必ず武器になると考えています。

もう一度あるべき姿と現状を考える
あるべき姿⇒法務としての専門性の高い仕事ができるようになる。
現状⇒管理業務に追われ、専門性の高い仕事の比率が低くなっている。

管理業務を一から見直して、作業効率をアップさせ、より効率的でスマートな法務へとステップアップしていきたいです。

誰でも直感的に使える簡単な仕組みの組み合わせで楽ラクはたらく 

を目指して
改めて課題を考え直しました。
先週時点では対象が絞られておらず、論点が定まっていなかったので、今回はより具体的に的を絞って、課題とその解決方法について考えました。

What(どのような課題か)
新規テナント登録コード発番時の情報取得から登録完了までの作業時間削減したいです。

※新規テナント登録コードとは
賃料請求マスターを作成するうえで、基礎となるテナントのコード。テナントの登記住所、連絡先住所、敷金等の返還のための金融機関口座などの情報(以下、契約者情報という)を登録し、識別するためのコード。
基本的に当社のショッピングセンターに初出店する際に払い出しの作業が必要となる。

Who (誰の)
Oさん(仮)・40代前半・法務部で短時間勤務をしています。法務部メンバーが効率良く働けるよう、経費処理や備品発注、事務手続きなどがメイン業務となっていいます。

When&Where(いつ・どこで起こる?)
新規テナントの出店時、営業からメールで発番依頼が来た時・本社で。

Why(なぜ解決されていない?)
情報登録書類をPDF化したものがメールで送られてきます。それを所定の申請書に転記し、登録部署に提出している。必要書類の数が多く、情報も集約されていません。内容確認に専門知識が必要になるため、法務部でのチェックをしています。(ただし、ポイントがわかれば判断は難しくない程度の知識です。)

How (どのように解決するか?)
必要な契約者情報をまとめた、契約者情報管理シートを作成し、それを元に、受付から申請までを全てデータでやり取りするフローを作成します。
情報を一元化しフロー化をすることで、
・提出された複数の書類の受付及び確認
・申請書への情報転記
・申請書の紙での受渡し
という作業をPCで完結させて、新規テナント登録コード発番にかかる時間を削減を行います。

どんなデジタルツールで解決するのか?

まだ頭の中の想定のみですが、当社はMicrosoft 365を導入しているのでForms、OutlookとPower Automateを連携させたフロー化ができるのでは無いかと考えています。

① テナントにWEB上の情報入力フォームに契約者情報を入力してもらい、必要書類のPDF(印鑑登録証明書、履歴事項全部証明書)を添付してもらいフォーム送信します。
② 営業がテナントから送られてきた情報を確認し、決裁や契約書の作成を行います。
③ 社内決裁がされたら、営業から法務宛に新規テナント登録コード発番申請依頼を行います。(Formsで送られてきた情報を転送する。)
④ 法務部で内容確認後、財務経理部で契約者情報の登録を行い、テナントコード申請サイトに入力を行います。
※実際にコードの払い出しをするのはマスターデータを管理する別会社である。
⑤新規テナントコードが発番されたら財務経理部はFormsにコード入力すると自動で必要部署へと連絡がされる

各時点での送信や通知が自動、またはワンアクション(ワンクリックのみ等)で行われるようにしたいです。

想定される問題点

取得する情報の種類によって取扱い難易度が変わってきます。
契約者は法人だけでなく、個人も含まれるため、個人情報と判断される情報が含まれる可能性が高く、特に取り扱いに注意が必要となります。また、契約者にWEB上での情報入力をさせる場合、セキュリティレベルに対して必要以上に警戒心をいだき、忌避される可能性があります。

それでも実現したい理由

新規契約者コード発番作業自体は、年間200件程度だが、契約者情報の変更作業(商号変更や住所変更)を合わせると年間で500件以上有ります。この他にも改正割賦販売法に基づくクレジットカード会社への加盟店報告などにも契約者情報を使用します。
今回提案するフローが実現すれば、新規契約者コードの発番だけではなく、その他の契約者情報を使用する手続の効率化が図れる可能性が大いにあります。

具体的にどのような効果が達成されるか

郵送コストの削減
現在は平均で3往復ほど郵送で書類のやりとりをしています。平均1往復、最終的には0になる可能性も。

人時の削減
現状は平均で6人ほど経由していますが、これを平均3人程度、確認行程が削除できない場合、経由人数は変わりませんが、それぞれの手元での書類の滞在時間が削減されることが予想されます。

入力ミスの軽減
現状は紙を見ながら打ったものを他の人にチェックしてもらう体制です。データでのやり取りができればコピー&ペーストでの入力が可能となります。

ユーザーインタビュー

今回効率化想定の中心人物としたOさんから意見をもらいました。
・そもそも法務部が契約者情報をチェックする必要性を感じていない。
 財務経理部で確認をすることができないのか。
・同じ内容を違う書面で契約者情報を取得したり、同じ情報を色々箇所に入力したりする作業が多いので、そちらにも流用できるようにしてほしい。
・申請書類が簡素化されれば記入ミスなどが減ると思う。
・実現できればいいなとは思うが(本当にできるの?)

関連部署の財務経理部のリーダーのSさんからも意見をもらいました。
・仕組みとしては実現できそう。ただし紙が無くなるかは疑問。
・データ化をしても印鑑登録証明書などのチェックは結局なくならない。
・そもそもセキュリティ的に実施して問題ない内容なのか。
・もちろん法務的判断でOKと言うならば追求しない。
・簡素化されてスピードが速くなるのは歓迎。
・実施できるのであれば早く実現して欲しい。

再検討事項

法務部のチェックの必要可否は以前から議論があった内容です。法務は受付チェック、財務経理部は登録という分担を昔からしてきたので、業務分担は明確だと思っていますが、未だにOさんを納得させる説明ができていないのは確かです。
ただ、部署がまたがる業務の責任の押し付け合いをして、ただ抜けるのであれば責任放棄だし、例えば営業が「書類の回収は法務がやればいい」と言い出すのと同じような話だと思っている。
今回の簡素化で情報集約や効率化ができれば、法務部がこの仕事が抜けることもできるのではと考えています。
また、セキュリティの懸念に関しての声は常に大きいし、この課題解決方法を提案するにあたっては避けられない議論です。ただし紛失リスクがあるので「紙だから安全」ということでもないと私は思っています。
想定される問題点に関しては、法務部だからこそ調べて解決できる部分とも思うので、使用するデジタルツールの検討と合わせて、引き続き検討をしていきたいです。

最後に

法律の世界もDX化が凄まじいスピードで進んでいます。
法律はAIと相性が良いとされ、リーガルテックへの関心も高まっています。
また、つい先日改正宅建業法が施行され、重要事項説明書や37条書面等これまで紙が条件だった書面の、電磁的交付が認められるようになりました。

遠くない将来、不動産賃貸借契約書自体の電子契約化も実現します。紙の契約書が無くなると同時に、履歴事項全部証明書や印鑑登録証明書を紙で取得するという慣習もなくなると予想されます。
電子契約化を見据えての対応が早急に必要であると考えています。

今回は以上です。

相変わらず、ゆっくり考える時間はないのだけれど、先週よりも少し落ち着いて見つめ直してみました。
まだまだ、考えなくてはいけないことは多いですが、少し整理できてきました。

次週へ続く



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