満開の桜と、四季が分からない息子
こんにちは!
例年よりも早く、桜が満開となりましたね。
残念ながら、今年も各地の桜の名所では、お花見禁止となっていますが・・・それでも桜の美しさは変わらずに、そこに居てくれている事に心が温まります。
夜桜です。就寝前に近所の桜を見てきました。とても静かに枝が揺れていて、私の疲れた心をそっと撫でてくれたような気持ちになりました。
みなさんはもう、満開の桜を見ましたか?
さて、桜の季節になると、我が家ではまず、自宅内に桜の枝を活けます。息子に春が来るよ〜と目で見て季節の巡りを感じられるようにするためです。
日本には四季がある。春夏秋冬だって聞かれたら答えられる。今日が暑いか寒いか、外に出れば自分の感覚で感じて理解できる。
でも、今がどの季節なのか、全く分からない・・・
息子は自閉スペクトラム症です。この障害は、得意不得意がハッキリと極端に見られて、個人差はあれど、その差は定型発達児と比べると日常生活に支障をきたすほど大きいと言われています。また、自閉症スペクトラムの小児の共通項として、脳の認知機能にも偏りがみられる傾向があります。
それは、学習させたからと言って、すぐに身につけられるものばかりではないという事です。私たちは知らず知らずのうちに、持って生まれた感覚、認知機能によって物事、事象を理解し、経験から学習して知識として蓄えていきます。
それでは、認知機能に大きな偏りがあったらどうなるでしょう?
春は暖かくなり、花が咲き始める。夏は暑くなる。秋は涼しくなり紅葉が見られる。冬は寒くなる。そんなザックリとした春夏秋冬の定義に当てはめて、今の季節を理解するのが一般的です。
でも、夏だって涼しい日があります。冬でも動いたら汗ばむ日だってあります。
そうすると、春夏秋冬の定義から外れてしまうので、息子の脳内ではエラーが発生し、四季に関する理解が壊滅的なダメージを受けるのです。
いつまで経っても、息子には四季がいまいち理解しにくいのです。
息子には知的障害はありません。普段の会話もペラペラと自由に話しています。
けれど、どうしても理解しにくい事がたくさんあります。理解しにくい事に囲まれての生活、これが、息子がこの世界に未だに馴染めずにいる理由です。
自閉スペクトラム症は生まれつきの障害です。様々な薬が開発されていますが、決して治す事は出来ません。独特すぎる息子の世界と、みんなの当たり前の世界が、少しでも近づくように、私は息子を見守り、育んでいくしかないと思っています。
息子のように独特な世界の中で生きている人々も、みんなの当たり前の世界に住めるように・・・まずは、こんな障害もある、こんな子も居ると知ってもらえたらと思っています。