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「ヴィンセント・イン・ブリクストン」観劇記録

関西ジャニーズJr. 正門良規主演舞台観てきました。
今日はこちらの感想を。

公演:ヴィンセント・イン・ブリクストン
日程:2022/10/15 13:00〜 / 18:00〜
場所:東京グローブ座

あらすじ

未亡人のアーシュラ(七瀬なつみ)が営むブリクストンのある下宿屋に、 二十歳の青年ヴィンセント(正門良規)が、空き部屋の貼り紙を見たと訪ねてきた。
実のところは家から出てくる美しい娘・ユージェニー(夏子)に惹かれて、 この下宿屋に部屋を借りに来たのだ。
何も知らないアーシュラは、ヴィンセントに部屋を貸すことを決める。
そこには画家志望のサム(富田健太郎)が先に下宿していた。 さらにある日、ヴィンセントの妹・アンナ(佐藤玲)が訪ねてきて…。

本作は、ニコラス・ライトによる画家になる以前の若きゴッホを描いた戯曲で、2002年にロンドンのナショナル・シアターにて初演され、2003年にはイギリス最大の演劇賞である第27回ローレンス・オリヴィエ賞を受賞。また同年のトニー賞最優秀演劇作品賞にもノミネートされ、日本でも『若き日のゴッホ~ヴィンセント・イン・ブリクストン~』のタイトルで上演されました。
公式サイトから引用

ってことで、フィンセント・ファン・ゴッホ
絵画のひまわりを描いた「ゴッホ」のロンドン ブリクストンに滞在していた時期を切り取った作品。

⚠️どこまでがフィクションなのかわからないので、この舞台についてのお話であり本来のゴッホ氏とは乖離があるかもです
⚠️発達障がいの話をしてますので嫌な気持ちになりそうだったら回れ右お願いします

2度観て良かった!!

1日に2度同じ舞台を観てきました。
これは2度見てよかったと思える舞台でした。

舞台装置というかセットがキッチンなのだけど生卵を割ったり、茹でたじゃがいもの皮を剥いたり、お湯や焼いた鶏の湯気を感じたり。実際に水が出る水道でモップを洗ったり。

鳥の声や窓から漏れる光に非日常だけどリアルな日常感を感じられて、
その質感と感情を味わう、そんな舞台でした。

ドーーーン!とかバーーーンとか、犯人はお前だったのか…!!!みたいなハラハラドキドキではなくて、
…いや、ドーンもバーンもあなただったのね…もあったな?
ともかく、登場人物の心情を考える舞台でした。

ざざっと初見の感想

・正門良規の頭がパーマでくるくるだあ…🙂
・正門良規の滝汗が本気の滝汗こんなに汗かく人初めて見た
・台本というか、言葉の選び方が美しかった(でも覚えていないポンコツ)
・曇りガラスから透けるシルエットの演出が素敵
・ヴィンセント氏と下宿先の方々、本当に話噛み合っているのか…?
・雷のシーンこっわ…苦手だ
・ヴィンセント氏大丈夫か・・・
・えっここで終わるの?

一度だと本当に状況が飲み込めなくて、世界観を楽しむだけで終わってしまった。
この後ゴッホについてWiki検索したりして2度目に臨んだ後の感想が↓になります。

ヴィンセント氏

孤児院上がりの画家志望サム氏に「(画家ではなく、塗装などの)職人なんだね?」「お金がない」「両親がいなくて羨ましい」「(貧乏人だからね…)そうじゃないか!」
思ったことをそのまま口に出すところ、感情の制御が出来ず起伏が激しいところ、周りの気持ちが汲み取れないところ。
なんだか既視感があってモヤモヤ。

一度見た時はなんで?なんで?のオンパレードだったのだけど調べたところ、やはりゴッホはアスペルガー傾向にあったようだ。納得。
そうなんだなって思いながら2度目を見てみたらすっと受け入れられた。

そしてそのことを本人もきっと悩んでいただろう葛藤の部分も描かれていた。

下宿を何も言わずに出て行って、愛していたアーシュラ氏はかなり憔悴してしまう…
いや、アーシュラ氏が自分で考えて出て行きなさいみたいなことを言ってた気がする。
文面を文面どおりに捉えてしまったのかな?

久々の再会にアーシュラ氏の誕生日を覚えていたところはすごいなって思った。
それがご飯にありつくためでも。

つい1度目はなんでそんな言動するの?って考えて混乱してしまったのだけど、自分の常識を他人に当てはめても仕方ないんだよね。
私の常識とその人の常識は違う。
今回アスペルガーということがわかって合点がいった部分が多くて、でもそれはわたしの常識に当てはめても物事を考えていたからそうなったわけで。

…もっと見たままに受け入れられるようになりたい。

今まで役の感情に振り回されていたのだけど、
考えてみたら気遣いができる男 正門良規がこの役演じるの難しかったろうな…
成長の場として、そして正門良規ならできる!と与えられた舞台なのかもと思いました(何様)

ユージェニーのママ、アーシュラ氏

何者でもない自分が才能ある人間を身近から出したいって目標がある人。
浮き沈みの激しい部分から、躁うつ病を患っていたのかなと考える。
ヴィンセント氏を愛すわけだけど、ただ「才能」を愛してただけなのかも。
悲しいね。ひと目見たときにこの人は誰と周りの人と違うっていうのを感じたからなんだと思う。最後の方で最近忘れっぽいからと言われていたのは認知症が始まったから・・?

ラストのヴィンセントがそこにあった靴をスケッチし出すところで終わるのだけど、それを見たアーシュラ氏が涙を流しながら近寄るシーンが印象的だった。

ヴィンセントの妹、アンナ

これから自分の世話になる下宿とはいえ、到着初日に人の家で勝手にモップ出して掃除するか・・?
家系的にそういう血筋なのか、オランダ(だっけ?)にはそういう風習があるのか
ちょっとわからないけどいきなり人の家に上がり込んで初対面でズケズケ内部荒らすのすごいなって思う。
ただ声が通って可愛くて、佐藤玲さん自身はとってもかわいくて素敵だった。(役は嫌いだ)

ユージェニー

ヴィンセント氏やアンナ氏の言動・行動にいちばん何?!ってなっていた人。

途中で優しい雰囲気になったなと思っていたのだけど、サムとの子供ができたからだったんだね。
サムの呼び方があなたに変わっていたし。

まとめ

ゴッホって生きづらかったろうな。
全部私の思い込みかもしれないけど。

今までのわたしのゴッホの知識は
・ひまわりをたくさん描いていた人
・亡くなった後に評価された人
このくらいだったのだけれど、この作品を通してゴッホについての理解が少し増した気がする。(フィクションかもしれないから微妙なところだけれど。)

こだわりが強い人って芸術センスとかに特化している方が多いって話を聞いたことがある。ゴッホもまさしくそのタイプの方だったのだなと思えた舞台でした。

あと毎回結構な量のじゃがいもを茹でて剥いているのだけど、あれは本物のじゃがいもなのだろうか・・
であれば処理どうしているのだろう。

食べてるのかな?いやでも今の時期はできないよな…
地味に気になっています。

おわり

座席についての補足

今回2回とも一般チケット2階席でした。
1度目2階3列で2度目が2階1列目。
今までいちばん後ろだし…と思っていた3列目の方が見切れがなくて快適だった。
これは今回の学びでした。

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