オードリー若林さんが「審査員長・松本人志」に独自色を加える為のmoveとキャスティングとは
若林さんが松本さんとコンビを組む特別番組「審査員長・松本人志」の第2回が1月2日23時30分〜0時30分に放送された。
この新たなチャレンジ、その裏側に透ける仕掛け人の意図と若林さんが番組に独自色を加える為のmove、その為に必要なキャスティングとは何か、を紐解いていきたい。
1.番組の構成
若林さんがMC、松本さんが審査員長、ゲストを審査員として、新しい切り口の体験を紹介・審査するという番組で、審査員長と審査員が審査対象の斬新さや体験の面白さを笑いを交えて伝えるところが見どころ。
審査の形式はM-1グランプリの最終投票と同じ投票形式で、審査員長の松本さんだけが2票持っているところがミソ(死語)である。
第1回放送:2020年9月5日 14時〜14時54分
ゲスト:劇団ひとりさん、くっきーさん、MEGUMIさん、みちょぱさん
第2回放送:2021年1月2日 23時30分〜0時30分
ゲスト:劇団ひとりさん、ざきやまさん、ウェンツさん、滝沢カレンさん、山之内すずさん、
この名を連ねる脂っこいゲストから番組のレギュラー化への本気度が伺える(特に2回目凄くないですか?)。
第2回放送で取り上げられたテーマと審査対象は以下の通り。
1.新たな室内アトラクション
(液状化する砂、VRセルフくすぐり、VRバンジー)
2.一生触っていられるもの
(アルマジロのお尻、ビクーニャの毛布、握り石ダーマ、タツナミガイのおなか)
液状化する砂やVRバンジーに対する松本さんの流石のリアクション、自力のあるゲストの流れを読んだ的確なコメントにより、深夜帯にしてプライムの雰囲気が醸し出されていた。
2.番組の仕掛け人
この「審査員長・松本人志」を仕切っているのがTBSの名物プロデューサーの坂本義幸さん。
「水曜日のダウンタウン」、「キングオブコント」、「ドリーム東西ネタ合戦」、「ザ・ドリームマッチ」とダウンタウンがTBSで出演する全ての番組のプロデューサーを担う方で、
過去にも「クレイジージャーニー」、「リンカーン」のプロデューサーも担当されていた、まさにTBSでダウンタウンといえば坂本さん、という立ち位置の方なのです(いや知らんけど多分そうかと)。
そして、これら全ての番組の構成には、あの松本さんの盟友放送作家の高須光聖さんが名を連ねているが、「審査員長・松本人志」には高須さんの名前がない。
まだレギュラー化されていないからなのか、松本さん・若林さんという新たな取り組みが故なのか、今後構成のキャスティングも気になるところ。
3.指名された若林さん
そんなTBSの凄腕プロデューサーに松本さんとのコンビを指名されたのが若林さん。
レギュラー番組で松本さんの横に2人の並びで立った人は、浜田さん以外には「ワイドナショー」の東野さんくらいしか思い当たらない。
特別番組でも、近い位置づけとして「すべらない話」のジュニアさん、そして福岡ローカルの「松本×黒瀬アドリブドライブ」のパンクブーブーの黒瀬さんがいる程度だろうか。
つまり、あの松本さんとレギュラーを見据えた番組でコンビを組む、というのはそれほど希少な立ち位置であり、坂本プロデューサーからの大抜擢なのだと思う。
松本さんを際立たせることに関しては、浜田さんは超えられない壁だし、阿吽の呼吸で言えば今田さん、東野さんを始めとした豪腕吉本芸人が控えている。
その上で、若い世代や今までのダウンタウン支持層とは違った層を取り込むべく任せたのが、松本さんとの関係すら薄い若林さんだったのだから、業界においても中堅若手で若林さんが頭ひとつ抜け出た位置づけにいるのが見て取れる。
番組のレギュラー化を成功させたいという思いからか、脂っこいゲスト布陣と、ジャブ的な時間帯での展開と、交錯する思いを抱きながら少しずつ足取りを確認していっているという印象だ。
4.若林さんのmove
そんな背景を抱えた中、番組での若林さんのmoveはどうだったか。
淀みない進行と的確な突っ込みでポイントを押さえた流石のMCぶりだったと思う。
ただ、現状のmoveであればバナナマン設楽さんでも良い、と坂本さんは思ったはずだ。
(クレイジージャーニーとキングオブコントで坂本さんからの設楽さんへの信頼は見て取れる)
あくまで松本さんの番組ではある、繰り返しになるが松本さんを引き立たせるだけなら、浜田さん、今田さん、東野さんなのだ。
そうではなく、若林さんの世界観を加えることで今までの松本さんの番組にない色、面白さを出そうとしているはずである。
それは何なのか、若林さんの良さを出すには何が必要か。
番組を見ていて、MCではなく審査員の立ち位置での若林さんも見たいと思った。何故か。流れの中で生じる違和感へのキレある突っ込みボケを見たいからだ。そう、いつものやつである。
1人MCで進行も担っていると、当然出演者の一挙手一投足を拾わなければならない。百戦錬磨の松本さんに加え、脂ぎったゲスト審査員も計算されたフリ落ちを展開してくる。そこを一つずつ拾っていく瞬間芸だ。
若林さんの「言われてみればそうだよね〜笑」と唸らせる突っ込みボケを発動する場はなく、審査員へ外さない丁寧な突っ込みを入れていく形にならざるを得ない。若林さんを常に稼働させるのではなく、多少の思考する余裕を与えたい。
よくよく考えると、「激レアさん」、「しくじり先生」、「潜在能力テスト」とピンで出ている番組も進行を担っているわけではなく、進行の横で自由に回せる立ち位置から、場に生じる違和感・突っ込みどころをを探っているのだ。
オードリーとして出る場合には、春日さんがいるので進行をしていても春日さんと絡みながら余裕は作れる。
そう考えると「審査員長・松本人志」に関しても、横に進行はつけ、メインで自由に回せる立ち位置だと若林さんの色が出せるのではないか。
では進行は誰がやるか、TBS女性アナウンサーに適任はいない。ベタだが小池栄子さん、指原さん、といった松本さんへの対応も熟せる数少ない人材から選出したいが、少し濃すぎて若林さんの色が薄くなる。他だと進行は未知だがファーストサマーウイカさんあたりがバランスとしては良いか。個人的にはベッキーさんも見たいが。
局を選ばなければ弘中アナ、山崎アナ、水卜アナだろうか。こう考えていくとこの3名が各局で重宝されるのが分かる。突っ込みどころも作ってくれるキャラであり、突っ込みボケ型のMCも活きるのだ。
当然、こんな事は何十通りと考えられてるいるキャスティングパターンの中に入っているだろし、その上での若林さんによる進行という判断なのだろうが、第3回の放送では進行横の若林さんを見てみたい気もする。若林さんと松本さんのコンビ感は薄れるが、若林が番組に輝きを加えてくれる布陣な気がする。
若林さんは何と言うか
「いや分かるのよ、正直進行やってると上手くボケれないし、メンツは脂っこいから気が抜けないし。でも松本さんとコンビ感出したいじゃない〜。もう夢見たいな話なのよ、そこは限界来るまで乗らせて欲しいのよ」
「そうですね〜。終始テンション高い若林さんを見てるのも面白いですしね。慣れないテンションで頑張ってるな〜って笑。でも困ったらいつでも行きますんで、任せてくださいね」
「いや、弘中ちゃん、他局だからダメなのよ、流石に笑。ただでさえNEWS23とかでTBSのアナウンサー室がピリピリしてるんだからさ〜」
「大丈夫ですよ〜、ニコニコしとけば何とかなりますから」
これがNO.1女性アナのメンタルの強さなのか、、