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オードリー若林さんも憧れる人気コンビが手にすべきものとは?

この秋にレギュラーを4本増やし、今最も勢いにのるコンビとは?

● 漫才・コント問わず多彩かつ鋭角なネタで東西の賞レースを席巻し

● 大阪・東京のネタ・ロケ・トークで長きに渡り結果を残し続け

● YouTubeのチャネル登録者数はコンビ芸人トップクラスの144万人

● エピソードトークを中心としたYouTube動画の視聴回数は1本あたり100万回に迫り

● コンビ共に生粋のギャンブラーでパチスロをこよなく愛し

● 大柄のツッコミは痛風に苦しみつつ、料理やマジックといった多方面の趣味を楽しみ

● 丸みを帯びたボケは弱冠40歳にしてキングオブ・コントの審査員に抜擢され、猫のYouTubeチャネルを開設するほど猫好き

そう、飛ぶ鳥を落とす勢いの「かまいたち」が本日の主人公

今をときめき躍動する「かまいたち」が持つもの、そして持たざるものとは何か?

本日は「かまいたち」の競争優位と今後業界で確たるプレゼンスを発揮するにおいて手にすべきものを紐解いていきたい。

1. かまいたちとは?

● メンバー: 山内健司さん、濱家隆一さん
● 結成: 2004年
● 事務所: 吉本興業
● 出身: NSC大阪校26期
● 影響: ダウンタウン
● ネタ作成: 山内さん
● 現在の主なレギュラー番組
「かまいたちの机上の空論城」
(2020年4月〜土曜17時~17時30分: 関テレ)
「かまいガチ」
(2020年10月〜金曜0時15分~0時45分: テレ朝)
「かまいたちの掟」
(2020年10月〜木曜0時25分~0時55分: さん中)
「かまいたちの知らんけど」
(2021年1月〜木曜23時56分~0時53分: MBS)
「ウラ撮れちゃいました」
(2021年9月〜木曜19時~20時: テレ朝)
「千鳥かまいたちアワー」
(2021年10月〜土曜23時30分~23時55分: 日テレ)
「超無敵クラス」
(2021年10月〜火曜23時59分~0時54分: 日テレ)
「ぜにいたち」
(2021年10月~月曜23時~23時30分:ABEMA)

● 同期
天竺鼠
和牛
河井ゆずる(アインシュタイン)
バイク川崎バイク
ハリセンボン
菅良太郎(パンサー)
狩野英孝

● 賞レース歴
2012年 第33回ABCお笑いグランプリ 優勝
2012年 第42回NHK上方漫才コンテスト 優勝
2016年 キングオブコント 3位
2017年 キングオブコント 優勝
2017年 M-1グランプリ 4位
2018年 M-1グランプリ 5位
2019年 M-1グランプリ 準優勝
2021年 第56回上方漫才大賞 大賞

● YouTubeチャンネル
✔︎チャンネル名: かまいたちチャンネル(ねおミルクボーイ)
✔︎開始: 2020年2月
✔︎登録者数: 144万人
✔︎総再生回数: 3.08億回

山内健司さん
● 生年月日: 1981年1月17日(40歳)
● 出身地: 島根県松江市
● 血液型: B型
● 身長: 168 cm
● 最終学歴: 奈良教育大学
● 現在のレギュラー番組: 川島・山内のマンガ沼
● YouTubeチャンネル
✔︎チャネル名: ニャンチューバーねこうちさんの部屋
✔︎開始: 2020年 
✔︎登録者数: 5.5万人
✔︎総再生回数: 120万回

● 中学時代は野球部、高校時代は剣道部の主将
● 教員になるか芸人になるかを迷っていた。
● 父親は元教員。現在は地元の本庄公民館(松江市) の館長。父親は芸人になることに反対せず「ダメなら戻ってくればいい」と応援していた。
● 趣味は将棋や競馬、スニーカー収集。
● 飼い猫専用のInstagramとYouTubeチャンネルを持つ程の猫好きではあるものの、出演番組で猫アレルギーと判明。
● テレ朝の弘中アナのファン

濱家 隆一さん
● 生年月日: 1983年11月6日(37歳)
● 出身地: 大阪府大阪市東淀川区
● 血液型: B型
● 身長: 187 cm
● 最終学歴: 大阪府立茨木東高等学校
● 現在の出演番組: ZIP!
✔︎チャネル名: はまいたちチャンネル
✔︎開始: 2020年
✔︎登録者数: 6.6万人
✔︎総再生回数: 83万回

● 卒業文集に将来の夢は漫才師で、吉本興業に入ると記載。
● 小学生の頃に両親が離婚。母親が再婚するまでは生活が苦しく、習い事を一回もしたことがない。その後、母親が現在の継父と再婚。
● 高校時代は野球部のピッチャー。キャプテンだったが、ピッチャーとしては二番手だった。
● 山内さんのピンネタを見て面白いと感じ、コンビ結成を呼びかけた。
● 東京の初レギュラー番組の早期打ち切り等のストレスで酒量が増え、28歳で痛風を患う。
● 趣味・特技はマジック、けん玉、かるた、百人一首、料理

✳︎以上、主にWikipediaより

2. かまいたちの持つもの持たざるもの

かまいたちの競争優位、そして更なる飛躍の鍵は「調和」という言葉で表現される。

「調和」には内向き外向きが存在する。

①内向きの調和:コンビ間の調和
②外向きの調和:コンビ外との調和

かまいたちは内向きの調和(コンビ間の調和)を比類なき水準で有している

コンビ間の意思疎通・会話のテンポ・笑いの感性・互いの信頼感が非常に高いレベルでランデブーしており、その淀みなき調和は若林さんがヘビー級チャンピオンと評した個の強さにレバレッジを掛け、YouTubeでのたわいもないエピソードトークをも高水準のエンターテイメントへ昇華させる。

お互いのボケを自然体で拾いあえる空気感は心地よく、純粋な絆の強さも視聴者のオキシトシン的幸福感を刺激する。学生時代からの友人コンビとはまた違うリスペクトを軸とした個の融合は、視聴者を構えることなく二人の世界への入場を促す。

この内向きの調和の世界観を活かそうとする番組がローカル、ネット、ラジオを中心にいくつも立ち上がってきた。

外向きの調和(コンビ外との調和)には2つの立ち位置が存在する。

● 調和される側
● 調和する側

各番組のMCに己の技量をぶつけ、美味しく料理されることで調和される側の適性は証明してきた

ここで議題となるのは、調和する側だ。

この秋から新たにキー局でも自分たちの番組も始まり、今後はMCとして外向きの調和を求められていく。無論それは濱家さんの役割となる。

濱家さんはこれまでキー局の番組においては、調和される側としてイジられ役や山内さんと完パケの笑いを取りにいくムーブを取っており、裏回し的な役割を担うことは多くなかったが、今後はMCとしてゲストの面白さを引き出しつつ番組を成立させていくパフォーマンスが期待される。

千鳥の飛躍は、コンビの内向きの調和と個の強さという競争優位にノブさんによる外向きの調和が加わったことで始まった。

かまいたちを千鳥となぞらえる吉本の濱家さんへの期待は大きいが、新番組の状況はどうか?

「千鳥かまいたちアワー」は惑うことなく千鳥の番組であり、千鳥が見せる圧倒的な安定感には凄みすら感じる。かまいたちも調和される側として流石のムーブを見せている。

問題はMC仕事の、VTRを中心としたゲストトーク構成の「ウラ撮れちゃいました」と、指原さんと10代の半素人パネラーを回す「超無敵クラス」だ。

かまいたちとして調和する側としての立ち回りは見せるものの違和感が拭いきれない。どうにも良さが活かされない枠組みであることが滲み出てしまっている。

決定していた企画にかまいたちがハメられた分かりやすい構図で、かまいたちの内向きの調和といった特性は当然だが考慮されていない

それこそバナナマンや千鳥、サンドイッチマンといった外向きの調和に定評があるコンビが得意とするフレームであり、外向きの調和の強化が道半ばであるかまいたちは、この形では千鳥の廉価版でしかない。

繰り返すが、かまいたちは、内向きの調和の世界戦では他の追随を許さず、コンビ間のトークだけで高水準の面白みを創出できる唯一無二性を有する

故に「ウラ撮れちゃいました」「超無敵クラス」のような使われ方は、若林さんで言うところの「ソレダメ!」「潜在能力テスト」のような才能の無駄遣いに感じられてしまう。

例えば、山陰ローカル「かまいたちの掟」は二人がロケに出て、掛け合いにより世界観を醸成していく枠組みであり、内向きの調和という特性が遺憾なく発揮されている。若林さんで言うところの「オドぜひ」だ。

「オドぜひ」の方が若林さんにとっては、フジゴールデンの「潜在能力テスト」よりも遥かにバリューが高いことは自明であるが、かまいたちにとっての「かまいたちの掟」は「ウラ撮れちゃいました」のそれだ。

まだ初回放送前であるが、ABEMAの「ぜにいたち」は期待できるのではないか。サイバーエージェントの社員から転身し、派手さはないが、空気を読む場回しでは既に女子アナ有数のスキルを見せる西澤アナも入り、二人の世界観を作り出せるような企画なのではないかとイメージできる。

業界の地政学としてMC仕事の聖地は、ゴールデンでの雛壇を回すトーク番組深堀型スタジオゲストトーク番組と定義されており、野心的で向上心の強いかまいたちは当然そこを目指す。吉本としても聖地を担う存在への進化を期待している。

一見「ウラ撮れちゃいました」などはそこへ続く道に見えるが、現在のスキルセットにおいては、まずはキー局にも内向きの調和の強みを活かせる番組で礎を築く事が得策であり、かまいたちが手にすべきものは、自らの特性を理解の上で企画に落としてくれるキー局の同志(制作関係者)だ。

ローカルやYouTubeで遺憾なく発揮している内向きの調和をキー局でも活かしたい考える関係者の方は少なくないはずだ。

可出演時間は限られる。16あると言われるレギュラーを少しずつ内向きの調和を活かせる番組に衣替えしていく中で、自らを代表する番組との出会いを待つのが結果、入れ替わりの早い荒ぶる漁場に錨を下ろす近道であることは若林さんが身をもって証明している。

かまいたちには聖地を目指すよりも、さまぁ〜ずのような路線で独自の世界観を貫くことで進化を図ってほしいと思うのは自分だけだろうか。

※深堀型スタジオゲストトークの詳細はこちらをどうぞ。
深堀型スタジオゲストトークを覇するオードリー若林さんの3種の神器と自らに課した制約と誓約とは?

3. 若林さんは何と言うか?

「内向きの調和には、ホントに憧れるんですよね。阿吽の呼吸で話を積み上げていって、コンビどっちも攻めも受けもできて、別にエピソードトークを練り込んでいかなくても粗い素材さえあればコンビでその場で調合できちゃって、もう理想ですよ」

「そうね、まぁその春日じゃ満たせない欲求を山ちゃんと叶えられたわけだし。ずっと山ちゃんとあの感じでやってたら疲れるでしょ?結果春日が合ってるって分かったんじゃないの?」

「まぁそれはそうなんですけどね、やっぱかまいたちの関係が羨ましいなっていうのはありますね〜。佐久間さんだったらかまいたちでどういう番組作りますか?」

「これ結構難しくて、かまいたちはロケ行かせたり、2人でトークさせとけば成立しちゃうし、それが1番面白いっていうのもあって、制作側の楽しみシロが出しづらかったりするんだよね。制作のイメージする世界観をそのまま広げいく存在じゃないしね」

「なるほど、予定調和を壊していけちゃう力がありますしね」

「そう、で、内向きの調和の路線だと、あんまり変化が付けられないってものあって、キー局の制作からすると、良い時間帯のメインに据えるには簡単な素材ではないかな。今ある枠組みだとそのままはハマらないと思うわ」

「さしもの佐久間さんの手にも余るってことは、もうTBSの藤井さんとかに期待ですかね〜」

「いや、ちょっとそういう整理やめてくれない笑?最近水曜に神回が多くて内心焦ってるんだからさ笑」

かまいたちの活かされ方には今後も目が離せませんね。

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