ハピネス最大化の為の投資手法とは

世の中は金融資産への投資に纏わる情報に溢れており、溺れそうになる。そして、それらはどれも金融資産の最大化の軸でしか語られていない。米国株が良いだの、新興国が狙い目だの、若者は個別株で攻めるべきだの、ITセグメントが熱いだの、だのだの。

仕事での成功が全てではなく、あくまでハピネスの最大化の手段であることと同様に、投資手法に関してもハピネスの最大化という軸で選択すべきではないか。

自分自身も、以前は投資成功者のブログを読み、成長しそうな企業を研究し、短期の売買の成果に一喜一憂していた。主に米国株を対象にしていたことから、マーケットが開く夜に、ああでもないこうでもないと思い悩み、売買し、朝起きてその日の銘柄の浮き沈みで気分を上げ下げしていた。通称オハギャーも数知れず経験してきた(朝起きたら米国のマーケットが暴落しており、ギャーと叫ぶ、あれ)。

ただ、蓋を開けてみると、その成果はS&P500のETFと大差がなかった。米国株全体が上昇していたことから、多少のキャピタルゲインは出たが、貴重な時間を投下した成果としてはかなり物足りなかった。

日々マーケットを気にしながら生活しているのも、ストレスが掛かっていた。常に株価をチェックしたくなり、ニュースに過剰に反応したり、自分が引き揚げた銘柄が高騰すると猛烈に悔しかったり、uncontrolableなマーケットに気持ちの一部を支配されていた。また、個別企業を価格の上げ下げを気にせずにホールドし続けるには、確信を得るまでに相当な下調べが必要だ。

そして、ある時点から日々マーケットを見ながら個別企業の売買を行う時間は無駄なのでは、と思い始めた。よく言われるようにETFを上回るのは難しいこと(自分でやってみてよく分かった)、今の収入で十分生活できていること、金融資産を短期に増やせたところで取り立てて欲しいものがないこと、などなど。

時間を掛けて情報を集め、売買に時間を掛け、多少多く増やせたところで、投下した時間の割にハピネスは大して積み上がらないことが分かった。限られた時間の中では、家族や友達との時間を作り、趣味を磨き、オードリーのラジオを聴き、note を書いていた方が遥かに有意義だと、遥かにハピネスが積み上がることが分かった。

とはいえ、マーケットにはお金を入れておきたい。行き着いた先は、VOOやQQQなどのメジャーETFを少しずつ積み上げるという最も基本的な手法だった。これなら考える時間は掛からないし、下げてもいずれ上がる確信があり、日々のマーケット変動に狼狽えず、気持ちを支配されることもない。

投下時間当たりの金融資産の増加で積み上げられるハピネスは、当然、人や人生のステージに寄り異なるが、ほとんどの人はハピネス軸で考えると自分と同じ結論に至るのではないかと思う。

仕事や投資手法と同様に、それぞれ単体での最大化と、限られた時間の中でのハピネスの最大化とで選択肢が異なるものが世の中には溢れている。それらをハピネス学として、今後綴っていきたい。




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