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オードリー若林さんを通じて一石が投じられたテレビ局の番組制作
10月28日(水)20時に配信された「あちこちオードリー」(テレ東)は、テレビ局の今後の番組制作に一石を投じたものだったのではないか。
番組の放送開始から1周年ということで、通常の地上波放送とは別に有料での特別番組が配信された。料金はチケット2,000円。システム利用料220円と合わせて2,220円。
内容は当然最高だったわけだが、驚くべきはチケットを購入したアクセス者数だ。西武ドームが埋まる程の数が売れたとのことで(3万数千人だった模様)、改めて若林さんの持つ支持力の強さが数字に表れたわけだ。
(若林さん支持の力強さの衝撃はこちらでどうぞ「なぜオードリー若林さんの人気の解像度を上げると世の中が求めていることを紐解けるのか」)
ゲストはパンサー向井さん1人、セットも通常会と同じで特別な制作費も掛かっていない。そこに3万人を超えるアクセス数を集めた。グッズもたんまり売れただろう。テレ東としては、通常の火曜日深夜帯の地上放送とは比べ物にならないほどの実入りがあったはずだ。
デリバリーの手法によってコンテンツの制作方針は変わる
テレビは視聴率が指標であり、何人が見てくれるかが重要だ。一人一人の視聴者がどの程度の興味で見ているかは関係がない。浅く広い支持が必要だ。
テレビの地上波でコンテンツをデリバリーする場合には万人受けするものを制作することになり、結果ゴールデンはクイズ番組で溢れる。
一方で有料配信でデリバリーする場合には、話がかなり異なる。
今回の「あちこちオードリー」のように、1番組の配信に2,000円を払ってもらう為には深い支持が必要である。狭く深い支持だ。
番組制作の出口を有料配信と置いた場合、通常の番組制作も方針が変わる。
狭く深い支持を獲得する為に、コアなファンを持つ演者を起用し、有料配信へ展開できるテーマで設計し、通常番組を布石として置く。
テレ東は他のキー局に比べると視聴率は取りづらく、予算も少ないが故、「あちこちオードリー」のプロデューサーの佐久間さんをはじめ、以前よりネット配信を試しており、出口としての確度を確認していた。
そして、今回の「あちこちオードリー」での動員数によりスイッチが入ったのではないか。
若林さんの次の才能
コンテンツメディアの最終形態はサブスクだが、動画プラットフォームのサブスクはハードルが異常に高い。比較対象はNetflix・Amazonだ。
番組単位ではどうか。規模は追わず、コアなファン層にのみ届ける為の番組制作だ。若林さんのような支持力を持つ人の力を使えばサブスクまで抜けることも可能かもしれないが、事はそう単純ではない。
テレ東としては、まずは単発の有料配信を出口とした番組制作を探っていくのではないか。その際に起用される、若林さんに続く支持力を持つ演者は誰か。
企画力で勝負するテレ東、そして佐久間さんの次の企画、見出される才能を楽しみに待ちたい。