オードリー若林さんも乱舞したM-1グランプリという壮大な芸人ドキュメンタリーと劇場の支配人
今年もM-1グランプリという壮大な芸人ドキュメンタリーの幕が下りた。
優勝したマジカルラブリーのファーストラウンドの得点は649点。
そう、2008年に敗者復活を勝ち上がりトップで最終決戦に進んだオードリーのファーストラウンドの得点と同じ649点だ。
マジカルラブリーの649点の内訳は
上沼さん 94
松本さん 93
礼ニさん 96
志らくさん 90
塙さん 94
富澤さん 94
巨人さん 88
オードリーの649点の内訳は
紳助さん 89
松本さん 95
上沼さん 92
渡辺さん 92
巨人さん 91
大竹さん 92
中田さん 98
注目は芸人も一番気にする松本さんの採点。
オードリーは松本さんから95点の高評価を得た。
松本さんは、新しいスタイルによるインパクトに対して高得点を付ける傾向がある。
今年はおいでやすこがだった。
松本さんの得点の一覧
(◉優勝、○最終決戦で松本さんが投票、( )ファーストラウンド敗退)
2020 ○おいでやすこが95、◉マジカルラブリー93、見取り図91
2019 ◉ミルクボーイ97、○かまいたち95、ぺこぱ94、(和牛92)
2018 ◉霜降り明星94、○和牛93、ジャルジャル92
2017 (ジャルジャル95)、ミキ94、○和牛93、◉とろサーモン92
2016 ◉銀シャリ95、○和牛93、スーパーマラドーナ89
こうしてみると和牛の、
・3年連続で松本さんから93点をもらい
・3年連続で最終決戦で松本さんからの投票を得て
・3年連続で準優勝
という数奇な運命が浮かび上がる。
(それにしても松本さんが入れると優勝しないジンクツ凄いな)
オードリーも跳ねたM-1
10代の方にはM-1とオードリーが紐付かない人もいるようだが、M-1を通じての人気の爆発という意味ではオードリーは他の追随を許さない。
(年始のおもしろ荘で火がつき2008年の下期から既にスケジュールは埋まっていたようだが)
2008年大会の準優勝でブレイクしたオードリーはテレビの出演が増え、2010年には出演回数507回でトップ、その後も安定的に400回を超える出演を続けている。
(M-1翌年の2009年はデータが見つからなかったが、2010年と同じくらい出演してた模様)
毎年M-1王者はテレビに引っ張りだこになり、翌年に150回から250回の出演機会を得るが、その後もペースが続くコンビは少ない。
(最近だと霜降り明星は地位を確立し、2020年に粗品さんは408回まで出演数を伸ばしている)
芸人が乱舞する劇場の支配人
芸人コンテストの最高峰M-1に臨む芸人さんの人生を掛けたチャレンジは、最高のドキュメンタリーでもある。
特に史上最高の大会と呼び声高い2019年大会の裏側を捉えた「アナザーストーリー 漫才人生!果てなき道」は、涙なくしては見られない最高傑作だ。
(優勝後、駒場さんが家族の応援する姿を見て男泣きするシーンは何度見ても泣けます)
業界関係者が一人残らず画面にくぎ付けになり、芸人を一夜にしてスターダムに乗せてしまうM-1の素晴らしさは語り尽くせないが、他にもキングオブコント、すべらない話、IPPONグランプリ、水曜日のダウンタウン、といった知名度の低い芸人が輝きを放つことができる数多の劇場を企画から携わる松本さんの業界における貢献は圧倒的だ。
松本さんは、自分が輝くだけではなく、他の芸人が輝く場も同時に生み出す希代の劇場の支配人であり、同じように企画から新たな枠組みを創造し、出演者として場を回していく天才的才能を他にも期待するのは非現実的だ。
紳助さんは、企画には携わらなかったというが、行列のできる法律相談所やヘキサゴンといった数多くのゴールデン番組という劇場で芸人限らず多くのスターを生み出した。
次世代の劇場の支配人は誰か。
また違った形、時代にあった共感力で若い世代も取り込むスタイル、MCとして芸人やタレントが輝く劇場を回せる才能、、、
そう、若林さんしかいない。
あちこちオードリー、激レアさん、オドぜひ、しくじり先生、といった枠組みを更に進化させ、これはと思った出演者を繰り返し登用することで育成し、スターが生まれていけば、いずれ劇場へと変貌を遂げるに違いない。
(正直、若林さんの強みの裏返しではあるが、育成は弱いところではある)
若林さんは何と言うか
「いや、ほんとにやめてほしいんですよね、こういうの。何か変にネットニュースになって、あたかも俺が言ってるように切り取られたりするし、恐ろしいですよ」
「まぁでも分かるな~次は若林君だと思うけどね笑、できるでしょ、スター育成も」
「いやもう笑っちゃってるじゃないですか~。難しいこと考えられないんで、佐久間さんが企画してくださいよ、そしたら頑張ってやりますんで」
やはりキーマンは佐久間さんか。