オードリー若林さんの誰も傷つけない突っ込み
オードリー若林さんの誰も傷つけない突っ込みに、新時代のMC像を見た。
今回の舞台は『あちこちオードリー』、ゲストは岡田結実さんとニューヨークの屋敷さん、嶋佐さん。
岡田結実さんが、菊地亜美さんのようにバラエティ番組でMCの懐に入っていきたいという思いが話題に。バカに見られるわけでもなく、芸人の父親の存在もあり、扱いが難しいキャラになっていることがもどかしいという悩み。
自分たちも同じ悩みを抱えていると共感するニューヨークさん。屋敷さんが嶋佐さんに「バカに見えてるよ」と振る。嶋佐さんが「んアッ」とアホ顔で返す、という一幕。嶋佐さんが正直足りてなかったこの場面、MCとしてどう料理するか。
「しょーがねーな、本当にネタ面白いのか、君たちは笑」
春日さんの突っ込みに大きな笑いが起こる。ニューヨークさんがキングオブコントを控えた収録だったこともあり、流れを汲んだ一つの答えだ。この展開に持っていくのが自然だ。MCとしては嶋佐さんに背負ってもらいたい。
「ベテランの乗り越え方だよ笑」
若林さんがアホ顔も加えて被せた。
春日さんの作った笑いの余韻に、まるで出川さんが受け身を取ったものの、ややスベッた時のような愛らしい空気が漂った。
若林さんは足りてないと突き放すだけでなく、熟練した技だったというニュアンスをそっとプレゼントした。『しくじり先生』『激レアさんを連れてきた』でも見せる、誰も傷つけない突っ込みだ。(一捻り必要となる大変高度な表現だ)
ストロングスタイルの爆発力はないが、ゲストに持ち味を発揮してもらう温かさがある。
自由を得たゲストが120%の力を発揮する。
結果、僕ら視聴者の笑顔が増える。
内村Pの内村さん、有吉の壁の有吉さんのように、包み込む雰囲気を己のトーク番組で醸成する若林さん。躍動する若手。
MCとして若手との絡みが増えてきた中、この雰囲気を活かした企画が今後も生み出されてくる。
新時代のMCとして天下を取る日が近い。
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