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オードリー若林さんの次なるエネルギーの発散先とは?

「(テレビの出演数ランキングの)この20位見る限りさ~、一番俺がテレビを楽しんでないだろうね。…(中略)…俺が一番疲れてんじゃないかな」

「坂道を駆け上がっているっていう感じではないね。大平原を体が壊れない感じで走ってるかもしれない」

「誰かに悩み相談したいんだけど、誰にすればいいかが分かんないんだよね」

「決めてほしいのよ、もっとテレビに出たほうがいいのか、抑えて何々した方がいいわよ、なのか、何を頑張ったほうがいいわよ、っていう」

「突拍子もないプロデュース方法を言ってくれる人を待っている。金髪にしなさいとか、思いもよらない。占い師とかにハマるかもしれないよ。お金つぎ込んじゃったりして」

「(違うことを)やりたい気持ちはあるけど、何に時間をかけたらいいか分からない」

「『今のままでいいんじゃない?』っていう人ばかりで困ってんのよ」

「めちゃくちゃ尊敬してる先輩に相談したら『今やっている事をあともうちょい深く掘るんでいいんじゃない。外に手を伸ばすんじゃなくて』って言われた。『ラジオ・エッセイ・テレビの進行をもうひと堀りするんでいいんじゃない』って」

2021年12月4日オールナイトニッポンの冒頭のフリートークでの一幕

2021年のテレビ出演本数ランキングの話の流れから、これから何を頑張っていくべきかについて、晴れない心の内を開示した若林さん。
(尚、ランキングは春日さんが433本で5位、若林さんが417本で11位)

「漫才を作ることなのかな、もうちょっと多めに」

「自分の力じゃなくて、周りの力でこんだけお仕事させてもらってんだからって思って、一つずつやっていくってことなんだろうな」

「背伸びせずに今来た場所できれいに咲くってことなのかね」

その場では一旦心の整理をつけた形であったが、湧き立つ挑戦心を向ける先の解像度を高められない苦悩が垣間見えた。

大きなやり甲斐を感じるレギュラー番組を何本も抱え、決して現状に満足していないわけではないが、長く走る中でその強度にも慣れてくる。

ケイダッシュステージという、お笑いでは所帯の小さな事務所における絶対的な稼ぎ頭であり、主戦場であるテレビをこなすことが求められる中で、既存の枠組みを越える新たな挑戦が易々と舞い込むわけではない。

ようやく『どうぶつピース』を降板して僅かながら時間が作れ、これから子供が産まれるというタイミングで、自分の芸人人生を見直していた最中だったのだろう。

来る仕事の95%が、人のやってることを見る、指令を出す役割であるという事実が示す世のニーズを理解の上、自分のやりたいことよりも(プロデューサーに)求められる役割をこなすことを優先してきた。

それでもやはり能動的にエネルギーを発することができる挑戦への欲求は抑えられない。

能動的にエネルギーを発する局面でしか超越的な時間への没入は叶わない。

若林さんは人にエネルギーを発散させるMCの役回りが主であり、自身のエネルギーを発散できず不良在庫化している事実は、あちこちオードリーでロンブー敦さんに共有した通りだ。

ワクワクする新たな挑戦、世界から一時停止するような、若林さん自らがエネルギーを発する舞台はどこだ?

若林さんとスケールは違えど、自分も含めて誰しもが身に纏う制約と己への期待の中で、ワクワクする挑戦、全てを忘れてエネルギーを発せられる舞台を見出したいと、もがいている。

創造力を言葉に込める若林さん

若林さんの新たな挑戦は創作であってほしい。1人の支持者としてこれ迄想いを綴ってきた。エッセイやnoteで見せる類稀な深堀りの焦点と創造力、言語化の才能を小説や脚本等の形でもっと分け与えて欲しいと。

ただ、若林さん目線で見た際に、エッセイやnoteを通じた執筆はあくまでも脳内のデトックスやテレビやラジオでは表現できない深い思考の展示先であり、若林さんの求めるエネルギーの発散(爆発)を実現する為の挑戦という位置づけにはなっていない。

若林さんのエネルギーの発散はあくまでも創造力を声で発することで果たされる。その出力フォーマットの一つが漫才であり、この二文字で表される"自由"に創造性を込め引火させる。漫才こそが若林さんの原点であり、今尚求めるエネルギーのぶつけ先だ。

若林さんはたりないふたりの喪失感を言葉にする。
ずば抜けた能力を持ち、気兼ねない同期であり、若林さんの自由に完璧にツッコミを入れてくれた山里さんという存在。

山里さんこそが、若林さんが思い余すことなくエネルギーを発散できる相方であり、若林さんが創造力を言葉に乗せエネルギーを思う存分出力できた空間、それがたりないふたりだった。

完璧な条件が揃っていたたりないふたりの亡霊を追い求めるが故に若林さんは日々に物足りなさを感じている。

若林さんの想いを満たす場はどこか?

明確に若林さんがゾーンに入ったと感じたのは、昨年9月の星野源さんとのラジオの終盤だ。

思考の行先が限りなく近しい星野さんと価値観を交換する中で、強い共感を抱いた若林さんは漫才とはまた違うゾーンに入っているように感じた。

深い思考と創造力により辿り着いた解釈を高い解像度で理解してもらえた喜びに浸り、今まで引き出しの奥に仕舞い込んでいた己の本質を安心して手渡し、更なる解釈の深掘りを試みていた。

若林さんの頭の引き出しには数多の解釈や見解が並んでいる。普段はそれらを切り出しエッセイやnoteという出力装置から差し出しているが、星野さんとのラジオでは、自身の声という若林さんの最も高性能な出力装置に乗せて解き放っていた

若林さんの次なる挑戦、それは今まで活字に留めてきた深き思考と創造力を声に乗せること、そして更なる深みを目指す姿を届けることではないか。

たりないふたりでは、山里さんに対して自由(瞬間的な創造力)を投げこんでいたが、今度は同じ水準で見解を交換できる相手と本質(練り込まれた思考の結晶)を磨き込んでもらう。

若林さんが自身の思考を余すことなく差し出せ、
本質を共に目指せる人物とは誰だ?

星野さんであり、佐久間さんであることは自明だが(2019年8月のオールナイトでの共演は心地良すぎて今だに聞き直します)、他にも数多の名手とのセッションを楽しみたい。

週替わりでゲストが若林さんへのインタビューワーとして登場する形はどうか。

ゲストが独自の切り口で若林さんを深掘りしていく中で見解を交換し、深みを目指していく枠組み。ゲストにより着目・共感する点が異なることから、若林さんの経歴やエピソードトークを新たな視点で何度でも味わうこともできる。

村上龍さん等の文学者、是枝さん等の映画監督、テレ朝加地さん等のプロデューサー、普段は若林さんがインタビュアーとなっている芸人さん、考えるだけで楽しみは尽きない。

舞台はラジオ。実現が難しいのは理解するが、若林さんの支持者が一番見たい構図であることは間違いないと思うがどうか。

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