オードリー若林さんが持たざるものを持つ男、元テレ東プロデューサー「佐久間宣行さん」が得た業界で唯一無二のポジションとは?
今、エンタメ界でノッている人物の1人、元テレ東プロデューサーの佐久間宣行さん。
深夜の『ゴッドタン』で名を馳せ、独自の企画で数々の番組を当ててきた名プロデューサー。
2年前からはオールナイトニッポン0のパーソナリティを任され、この4月にはテレ東を退社し独立。
独立後もテレ東の担当番組のプロデュースは継続し、『あちこちオードリー』は時間拡大で23時台へ。
そんな勢いに乗り、活動の幅を広げるエンタメ界の重鎮、佐久間さんが得た業界で唯一無二のポジションとは何か?
独自の企画力、愛される人間性、演者としての評価、若林さんとの関係などを紐解き、佐久間さんの今後の活躍を占っていきたい。
1. 佐久間宣行さんとは?
● 1975年11月23日生(45歳)
● 福島県いわき市出身
● 早稲田大学商学部卒
● 183 cm
● 妻(テレビ東京勤務)と娘1人
● テレビ東京(1999年4月〜2021年3月)
● フリー(2021年4月〜)
● 担当レギュラー番組
⚫︎ 『ゴッドタン』(土曜25時45分〜26時10分)
⚫︎ 『あちこちオードリー』(水曜23時6分〜55分)
⚫︎ 『考えすぎちゃん』(paravi)
⚫︎ 『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』パーソナリティ(水曜日27時~28時30分)
● 入社3年目に早くも企画が通り、深夜枠で異例の若さで番組プロデューサーデビュー。
● 面白い企画を出す人材と社内で認められ、当時テレ東がほとんど制作してこなかった深夜のネタ番組を依頼される。出演者のオーディションで合格したのが「おぎやはぎ」さんと「劇団ひとり」さん
● ブレイク前の芸人を見つけての青田買いに定評がある。ジャンル毎に目利きの効く一般人のブログを常にチェックしている。
● ハライチの岩井さんを『ゴッドタン』の"腐り芸人”で、"じゃない方芸人"のイメージを払拭。岩井さんの目の付け所が面白いと、いち早く着目したのはラジオを聴いていたから。
● 2021年3月末でのテレ東退社後も、テレ東と契約の上、『ゴッドタン』『あちこちオードリー』『考えすぎちゃん』のプロデュースは継続。
● テレ東退社の背景は、まだ現場でディレクターやりたいから。実父が55才で他界したこともあり、45才から残りの10年は後悔しないようにとの想いが強い。
● 番組の出演タレントとのプライベートでの交流はほぼ持たないが、若林さんとはLINEで連絡を取って飲みに行く仲。
✳︎ 主にWikipediaより。
2. 『ゴッドタン』の革新性
佐久間さんが名を上げたのが数多の神企画を生みだしてきた『ゴッドタン』だ。
● 2005年10月からレギュラー番組に。
● 平均視聴率は1%台。アイデア勝負の独創的で斬新な企画を連発し、無名タレントを次々と発掘していくことから、業界視聴率が高い番組と言われている。
● 数多の人気企画があり、以下代表企画の他にも谷桃子さん、キンコン西野さんの企画など、腹が捩れるほどの企画多数
⚫︎ キス我慢選手権
⚫︎ マジ歌選手権
⚫︎ マジギライ1/5
⚫︎ 松丸プロデュース王決定戦
● 「キス我慢選手権」のDVDシリーズ累計売り上げは2013年時点で50万枚を突破。
● 「マジ歌選手権」のライブイベントは、2009年から年1回ペースで開催され、番組毎回チケットが即時完売するプラチナライブと化している。
● 三四郎はじめ、番組出演を期にブレイクを果たしたタレントも多い。最近では、"腐り芸人"として、ハライチ岩井さん、インパルス板倉さん、ノブコブ徳井さんにフォーカスを当て、活躍の幅を生み出した。
● 『ゴッドタン』を継続できた理由として、佐久間さんは、早い段階からDVDやライブで視聴率とは別軸の収益化を実現できていたこと、と語っている。
✳︎主にWikipediaより。
3. 『あちこちオードリー』への想い
佐久間さんが、テレ東のWEBメディア"テレビ東京プラス"で語った『あちこちオードリー』への想い。
なるほど、そういう整理なんだなと唸らされる。2020年10月のインタビュー記事だが、完全に思惑通りに事が進んでいる感もある。
● 「元々、打ち合わせも、事前アンケートもないトーク番組をやってみたかった」
● 「やってくれる、できるMCはそういないが、オードリーは、ラジオを10年以上やっていてフリートークのスキルが高いことと、ゲストを迎えたときの"面白がる"感じが良かった」
● 「ちょっと前までは、ゲストをどう"イジる"か、がMCの腕前だったけど、オードリーはゲストの長所や短所といった凸凹を一緒に"面白がる"」
● 「楽しむ、受け入れる、引き出す、共感する、これは、若林くんの人間力」
● 「若林くんは、ラジオでも"変わっていく"ということを発信していて、
『おじさんになって人見知りじゃなくなった』
『世の中をナナメに見る目線が徐々に薄れてきた』
『もう人のこと憎めません』
と正直に言うドキュメント芸人みたいな側面がある」
● 「若林くんのそうした変遷が人間経験を豊かにしているから、今みたいにトーク番組ができると思う」
● 「春日の存在も大きい。若林くんひとりだと、ゲストも"若林くんに笑って欲しい、共感して欲しい"と構えるけど、春日はそういう機微の人じゃないから"好きなこと話していいんだ"と思う」
● 「オードリーは懐に入るのがうまい。オードリー自身の懐が深い上に優しいので、みんな気を許して好きなことがしゃべれる」
● 「"できるだけ気楽にやってもらおう"というのと、"オードリーを信じる"、それだけ」
4. 佐久間さんの得たポジションとは?
そんな名プロデューサーの佐久間さんの新たな才能に光が当たったのが、オールナイトニッポン0のパーソナリティへの抜擢だ。
トークは巧み、エピソードトークも面白く、それでいてテレビプロデューサーとしての独自の切り口があり、テレビの繋がりで呼んだゲストとの掛け合いも見事。
制作側から裏側を語れるポジションの特異性に加え、若林さんから"コンテンツ全部見る男"と評される程のエンタメ視聴者であり、その分析眼は確か。
若林さんの『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』を、旅行の本の体裁をとりながら「本音を忍ばせた用意周到な本」と核心を突く(若林さんも「そうするしかなかった」と認めていた)
豪快な笑い声は、1/f ゆらぎかなと思わせる幸福感があり、リスナーからの愛のあるいじりに応え、自虐を交えつつ笑いを取り、周りを巻き込んでいく姿には器の大きさを感じる。
若林さんがゲストで出演した時には、「これは10年続くやつ」と、パーソナリティぶりの見事さんを評していたが、無事に3年目に突入した。
そして、その人柄もあってか、あの秋元康さんにも寵愛を受けており、ラジオのパーソナリティの抜擢にも、秋元康さんの後押しがあった言われている。
オールナイトに秋元さんがゲスト出演した際にも、「佐久間は、アナザースカイをやるべき。佐久間を朝の情報番組のMCにすることが俺の夢」と語るなど、惜しみない愛を語っていた。
演者としての力も評価されている中で、『あちこちオードリー』の最後に「働く人の反省ノート」というコーナーを作り、自身が進行を務めている。
ここ2回はウエストランドが視聴者の悩みに答えるという形なのだが、今まで観たウエストランドの中で1番面白い。佐久間さんがしっかりウエストランドの良さを引き出している。
佐久間さんは、演者としての能力を手にした事で、自分の頭の中を自分で具現化できる力を持った。
今までは、ハマる芸人を探し育てることや、芸人に合わせた企画を作ってきたが、これからは自身が演者になり企画を実現させる事で、また違う切り口の企画も生み出せる。
演者として出演する場合も、自分が演者として評価されることに拘る必要がなく、番組や企画が面白くなることだけを考えたムーブをとれば良い。ここは強みがある。
進行できる力があり、プロデューサー目線で、どの演者とも違うスタンスで企画を回せる非常に稀有な存在である。
そして、その稀有なポジションとしての実験を『あちこちオードリー』のミニコーナーで始めたのではないか。滑り出しは順調、これからも良さが世に出てない芸人のポテンシャルが引き出されていく予兆がある。
独立したことでテレ東の枠に拘る必要もない。他にない能力で、ポジションを得た佐久間さん。誰も立ち入っていない未開のパウダースノウの上を滑り出した。
5. 若林さんは何と言うか?
「いやホント、佐久間さん、ここまで来ましたね。虎視眈々と、あらゆる手を尽くして根回ししてきたんでしょうけど、まさか秋元さんまで抱き込んで、表舞台に出てくるとは、、、ホントやる事がエゲツないんですよ笑」
「いや、これは本当にたまたまの流れでこうなってて笑、自分が一番ビックリしてるんだから。まぁ、若林くんとやれる事も拡がるだろうからさ、これからもよろしく頼むよ」
「そんなこと言って、気づいたら『あちこちオードリー』も『佐久間宣行の人生相談所』とかに変わっちゃって自分で回し始めるんじゃないんですか〜?笑 俺らはゲスト側に回っちゃって」
「そんな職権乱用しねーし、テレ東さんに怒られちゃうけど、、、絶対やる!笑、面白いじゃんそれ、最近あんまり掘られることもないだろうし、いいじゃん1回やろうよ」
「ホント恐ろしい男ですよ、一回城明け渡したら絶対戻ってこないタイプだし、なんか年貢納めろとか言って、他の番組とかバーターで出せとか言って来そうだわ」
「そんなの、めちゃくちゃ面倒臭いじゃん、いい歳したオッサンが、、、でも絶対言う!笑」
やっぱ企画できる人が強いわ。しかも人間力でゴニョゴニョって進めていけそうだし。