普遍的な場所
本当に好きなんだな、と我ながら思うほど何かの節目に葛西臨海公園へ行っている。
変わらない場所に救われる。
私は変わっていくけど、いてもいなくても変わらない場所がある。
そこには私が昔感じてたことや思っていたことが残っている。 場所って不思議だ。
昔来たときのことをずっと思い出していた。
疲れたらまた戻ってくればいい。あのビル群の中から、少し離れてみてもいい。
“そこ”から離れてみることで、謎の考えにとらわれていたことがわかる。
働くことのロールモデルを内在化。
外から見るとこんなに静かなんだな。
雨はたまにパラパラと降っていたけど、すぐに止んで、雲の間からはわずかに夕日が見えた。
目をつむると頬にあたる海風や、波の音、草の匂いを近くに感じた。
目をあけると、ひらけた空と赤く染まっていく夕日。こころが満たされていくのを感じた。
若い大学生グループのような集団がいた。
そこから少し離れたところで、海を見て、鳥を見て、遠くの高い建物を見た。
いつか見た景色と一緒だった。
私のことを、思い出したりするんだろうか。
どこでいま、なにをしているんだろうか。
考えてもわからないし、それぞれの人生があると思う。でも考えるのは自由だと思う。
パラパラと人がいた。
遠くの船の汽笛が聞こえる。
白い鳥が水面をつついている。
波に反射する夕日の色。
5時のチャイムと同時に目を閉じた。
チャイムが終わって目を開けた瞬間に、まばらにいた人が全員どこかに行ってしまった。
しんとした場所と、私だけになる。
想像。
波の音。
観覧車は休館日で回っていなかった。
休み休みでいい
浮いていたい。
平日に休みをとって、こうして草や土を踏みしめて、海を見て、遠くを見て、夕日を見て、そして電車に乗って帰りたい。
いつまでも忘れずにいたい。
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