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花粉症に効く薬って何?薬局のおにいさんが選んだお勧めの市販薬

どうも皆様、本職はやさしいやっきょくのおにいさんをやっているalcemyでございます。もう名義の使い分けどうでもよくなったわ(

さてこのNoteの題材ですが、毎週水曜日になるべく更新しようと考えても、ネタのストックがあるわけでもないので(というかイラストのメイキングやっても伸びないしね)、時折、Xやmiskkeyで題材を募集しておりますが、今回Xくんの方に以下のようなリクエストをいただきました。

お題のリクエスト、ありがとうございます。

そこで今回は、本格的に花粉シーズンを迎えるにあたって、市販薬(以下OTC)の自分が独断で選んだお勧めをいくつか紹介いたします。それではどうぞ。


1,OTCに入っている有効成分

いきなり商品名ドーンの前に、花粉症の薬に入っている成分の話です。いきなり専門用語出すとは何事だ!と憤慨される方もいると思いますが、これには大きなわけがあり、今花粉症のOTCって山ほど、それこそ自分がドラックストアで専門的に販売してた頃よりも量が増えて、有効成分で見たほうが商品説明速い場合があるため、裏面の成分名表示をみて、あっ、この成分名だ!で探してもらうことがベストのことがあります。

一応、鼻アレルギー診療ガイドラインという、治療方針があり、花粉の飛散開始前から、治療を開始する初期療法という方法が推奨されており、症状が出始める前から使用を毎日続け、いざ花粉が飛び始める時に症状が抑えられ、楽に過ごすという感じに、そのための薬選びに推奨される錠剤と点鼻剤の2つのタイプの薬剤が重要になるので、これらとうまく向き合うことがいいかと思います

この2つのタイプに分類されている薬剤には太文字を入れてあるので、迷ったらこの成分の薬!のうち、かっこでくくったタイプが被らない2つを選んでみてください。

花粉症に用いられるOTCの成分
メキタジン (第二世代抗ヒスタミン薬) [単独配合の製品はなし]
クロモクリク酸ナトリウム (遊離抑制薬) [点眼剤・点鼻剤]
ケトチフェンフマル酸塩 (遊離抑制薬) [カプセル・点眼剤]
エピナスチン (第二世代抗ヒスタミン薬) [錠剤]
フェキソフェナジン (第二世代抗ヒスタミン薬) [錠剤]
ベクロメタゾンプロピオン酸エステル (点鼻ステロイド) [点鼻剤]
セチリジン (第二世代抗ヒスタミン薬) [錠剤]
ロラタジン (第二世代抗ヒスタミン薬) [錠剤]
トラニラスト (遊離抑制薬) [点眼剤]
ペミロラストカリウム (遊離抑制薬) [点眼剤]
ロラタジン (第二世代抗ヒスタミン薬) [錠剤]
ベボタスチンベシル酸塩 (第二世代抗ヒスタミン薬) [錠剤]
フルチカゾンプロピオン酸エステル (点鼻ステロイド) [点鼻剤]
小青竜湯 (漢方) [エキス顆粒]
葛根湯加川きゅう辛夷 (漢方) [エキス顆粒]
辛夷清肺湯 (漢方) [エキス顆粒]
フェキソフェナジン/塩酸プソイドエフェドリン (配合剤) [錠剤] 

おおっと?

一か所なんだか※ついていますが、さてちょっくら各論に入っていきましょうか。

2,錠剤

治療の2大柱になる第二世代抗ヒスタミン薬と呼ばれる製品が主流になっていきますが、この成分は眠気と切っても切れない縁があるということは頭に入れておいてください。それではおススメを選定していきます。

(1)アレグラFX・小児用アレグラFXジュニア

やっぱこれよ!
小児用もあるという点もポイント高いですが、一番は使いやすいという点に集約されます。というのも、先ほどはこの系統の薬で眠気と切っても切れない縁があるといいましたが、アレグラは眠気が少なく、基本アレルギー薬服用後は運転厳禁なのですが、これは大丈夫です。
1日2回という服用回数は、小回りが利くと、お勧めしたいところですが、この服用回数がデメリットととらえられる(継続するなら1日1回の方が続きやすいというのはそれはそう)ため、このメリットは後ほど紹介する製品に取っておくとします。それでは次。

(2)アレジオン20

最初に第一類として販売された抗アレルギー薬としてその皮切りになった薬
販売当初はアレジオン10というちょっと少ない量での販売だったので、イマイチ効きがアレグラに劣るなーと思ってましたが、処方薬同様に20mgで出るようになった現在、24回分が第二類として買えるようになったので耳鼻科行かなくてもいいんじゃね?っていう恵まれた時代になったなと思えるくらい継続して使用する方にはお勧めの一品です。ただし車の運転はできません。ここは要注意。

(3)タリオンAR

おそらく単独でOTCの中では一番強力だと思われる。
眠気はアレジオンより少ないと思いますが、アレグラより眠気は出るということで、万人にお勧めできないですが、アレグラ効きにくい人にはお勧めしたい私の個人的一押しです。
ただ1つ言えるとすれば、1日2回タイプの方が相性いい人もいれば、1日1回タイプの人が相性がいい人もいるので、この辺りは千差万別と考えてください。


(4)アレグラFXプレミアム

鼻詰まりの最終兵器。どうしようもない人向け
先のアレグラFXと異なり、上の成分表で※が付いた成分があったと思いますが、それです。こいつはかなり特殊で、長期の使用は推奨されてません。ですが処方薬でもかなり強力な部類でして、OTCに転用になった今、花粉症本番を迎えて、本当にどうしようもなくなった時に、最終兵器として短期間だけ使用するという使い方で、空腹時(要するに食後とかではなく、食前とかに服用する)に服用します。ここで必要な時に服用するという1日2回が小回りが利くという個人的にメリットとも思っている服用が活きるのです。やったね。
なお、上記の薬剤と異なり、この薬は要指導医薬品に分類されるため、薬剤師がいるドラックストアで、薬剤師の説明を受けないと買えません。ここ注意。
あと、処方薬の時(名前はディレグラ配合錠)は錠剤がクソでかかったので、OTCとなった今、その大きさは継承されているのかどうかは、デメリットになるかもしれないですね….


3,点鼻薬

点鼻薬は大きく分けて、即効性のある点鼻スプレーと、継続して使用するステロイド性点鼻スプレーの2つがありますが、使用していただきたいのは、ステロイド性点鼻スプレーで、即効性の点鼻スプレーは、どうしようもない時のお守りとして、必要最低限の使用をするという使い方を推奨します。

(1)フルナーゼ点鼻薬

医療用でも現役の信頼と安心の点鼻ステロイド
処方の現場では別の薬剤に取って代われたり、ジェネリックの台頭であまり聞くことが無くなった商品名ですが、ジェネリックでは今なお現役を張っている成分であり、OTCの商品をパッと見たら、あれは現役時代のフルナーゼとそっくりそのままの容器やんけ!てなったあれです。はい。
何はともあれ、ステロイド剤に抵抗ある方もいると思いますが、局所使用で体に影響はほぼ微量なので、副作用はほぼ心配しないでいいです。
とまぁ基本はこれと抗アレ剤のどれかをチョイスすれば、OTCでの花粉症は大丈夫かなっていうやつです。


(2)パブロン鼻炎アタックJL、ナザールAR

一番最初のステロイド点鼻薬シリーズ
ベクロメタゾンというステロイドの配合されたもので、フルナーゼが売っていない場合はこちらでも問題ないです。


(3)そのほかの点鼻薬について

この他の点鼻薬は、どうしてもいま鼻が詰まって仕方ないというときのための最終手段として、1本を1日2回までの使用にとどめるような使い方のために持っておくという方法がいいかもしれませんね。というのも、血管収縮剤ナファゾリンが良く配合されているのですが、使用のし過ぎにより、逆に鼻づまりを誘発するためです。最終奥義はとっておきのために使用するものです。そう、格闘ゲームでいう3ゲージ技と思ってください(通じるかな..)


4,点眼剤

言いたいことが2つあります。まず飲み薬では目のかゆみ等の症状はあまり効果がないです。というより飲み薬の方に目のかゆみの効能は書かれていませんのでこれは勘違いしないように注意してください。

次にコンタクトレンズをしている人で症状がある人は素直に眼科行きましょう。防腐剤の観点で市販薬の対処はお勧めできません。大事なことなので二回言います。コンタクトしてる人は眼科行け。どうしても市販薬欲しい人はこれで涙多めにして洗い流すくらいしかできないと思っておいてください

(1)そして残った点眼剤が欲しい皆様へ

目薬いっぱいありすぎてどうすりゃいいんだよ!値段とかピンキリだしさぁ!!
はい、私の感想です。目薬のOTCで単独処方って相当珍しいんですよね。単独の方が紹介しやすいのですが、これが難しい。お前・・・・っ
ザジテンALシリーズが販売されてたころはお勧めしたんですが今は販売中止ということで・・・では何をお勧めすればいいのか。あえて挙げるならこれを推奨します

このクロモグリク酸ナトリウムという成分が効果を発揮し、かゆみにはプラのプロフェンという抗炎症成分で抑えるというタイプなので、シンプルでお勧めしやすいというのが理由です。

5,漢方薬

漢方薬どうなの?ってよく言われますが、正しく使えばかなりの効果があります。が、これを正しく使えるってのがかなり難しい。なので、効かないっていう声をたくさん聴いてしまうのですが、漢方薬ははっきり言ってしまえば、 症状=この処方 ではないので、OTCでは相当の漢方知識を持った薬剤師や漢方医のもとでこれを使うといいというアドバイスをもらったうえで買いに来るという方法以外では非推奨です。私も小青竜湯を第一処方とするなかでも、白湯でゆっくり飲んでね!くらいしかアドバイスできない辛夷清肺湯と葛根湯を区別できるツワモノではないため、ここでは、とりあえず1つの漢方だけとりあげて撤退します。

上の有効成分のやつじゃないじゃん!!

はいその通り。鼻炎薬じゃないです。体力少なくなったからとりあえず気を補ってあげようねっていう体力補強の第一選択で、これ使えない人がいないんじゃない?ってくらい汎用性の高い漢方です。(個人的に葛根湯より範囲は広いと思います)
で、これを推奨した理由は、とりあえず体力増強しておけば花粉症も軽くなるっていう理由で、風邪の予防?元気になっとけ。っていう割と脳筋的思考なお勧めです。インフルエンザの予防でもお勧めするときはこれですし、COVID-19の予防でもお勧めするときはこれでした。合言葉は予防は補中益気湯で殴ればいい

6,おわりに

今やOTCで花粉症は対処できる時代になったので、無理に混雑する耳鼻科に通わなくてもよくなりましたが、それでもOTCの使用で花粉症が良くならない方もいます。その場合は素直に耳鼻科・眼科にかかりましょう

最近は処方薬が入荷未定になるケースが非常に多く薬価制度どうにかせいよ中医協今年も多分2月頃に唐突になんらかしらの薬が品切れになると容易に予想できるので、そういった意味でも、OTCで対処できる方は、そちらに切り替えて使用いただければと思います。長くなりましたが、これが皆様の御助けになればと思います。予防は補中益気湯で殴れ。

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