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1分小説『正しい下駄の食べ方』

 まず下駄の正面を手前に向けてテーブルに並べます。左右の下駄の間隔は、握り拳一つ分くらい空けましょう。
 次に鼻緒の付け根にナイフを入れます。必ず向かって右の下駄からナイフを入れます。刃を板に沿うように動かし、板部から切り離します。切り離した鼻緒は、ひとまず下駄の隣に寄せておきましょう。
 板部は鋸を使って一口サイズに切り分けます。電動ノコギリを使用しても構いませんが、その場合は必ずお店の許可を取りましょう。ただし、電ノコで切断すると風味が多少落ちるので、時間は掛かりますが通常のノコギリで切り分けることをお勧めします。
 下駄に使用する電ノコはマキタ製のものがおすすめです。電源は無い場合が殆どなので、バッテリーで動作するタイプが基本です。電ノコに限らず板部を切断する場合には、手を切らないように防刃性のある手袋を使用しまょう。最近では下駄切断時用のお洒落な手袋が各社から販売されていますので、そちらをお求めになってください。また、お店によってはシェフが切り分けてくれる場合もあるので、あらかじめ聞いておくとよいでしょう。
 下駄を切断した際に出る切りカスは、ナイフの背を使って鼻緒の隣に寄せます。これで下準備は完了です。

 食べ方ですが、まずは鼻緒をフォークを使って口に運び、一口食べます。次に、板部をフォークもしくはビンセットを使って食べます。一口で食べきれないようなら、再びノコギリを使って切断して下さい。
 板部の味に飽きてきたら、切りカスをまぶしたり、鼻緒を齧ったりして味と食感に変化を付けてみてください。

 以上、今回は『正しい下駄の食べ方』についてお話ししました。
 次回は『正しい下駄の吐き方』についてお話しします。

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